I Love Baseball 主砲の一振り 6

オープン戦

初っ端から退場

「It's a good opportunity, I'll settle it here!（いい機会だ、ここでケリをつけてやる！）」


ロビンソンが打席のスチュワート目がけて突進した。


「おい、来日早々乱闘なんてすんな！」


「誰か、ソイツを止めろっ！」


両軍のベンチから選手やコーチが飛び出した。


「Bring it on!（上等だ、コノヤロー！）」


スチュアートは逃げもせず、バットを投げ捨て応戦する構えを見せる。


「2人とも止めろ～っ！」


揉み合いになる前に選手たちが間に入って事なきを得た。


「Hey, let go! I'm telling you to let go!（おい、放せ！放せって言ってるだろ！）」


ロビンソンはエキサイトしっ放しだ。


「You're a stupid guy as always...（相変わらず、バカな奴だ…）」


スチュワートは頭を指しながら冷ややかに笑みを浮かべる。


「What are you talking about, you bastard!（何ゴチャゴチャ言ってんだ、コノヤロー！）」


再びロビンソンがエキサイトして飛びかかる。



「うわっ、取り押さえろ！」



「おい、止めろ！ロビンソン！」



せっかく収まったのに、また乱闘になる。




「退場っ！！」



主審が退場を宣言した。


結局、ロビンソンは1度もボールに触れること無く、退場となった。    


来日早々退場になるのは史上初だ。



「何やってんだ、あのバカ！」


「おそろしく短気なヤツだな」



中田と勅使川原は呆れた顔をしている。




初回から乱闘騒ぎがあったせいか、試合は4-2でまたもや敗退。


これでGlanzはオープン戦5連敗。



【このままだと、Glanzは去年よりも低い順位になる可能性は高い】



専門家は口を揃えて言う。




「ケッ、たかがオープン戦じゃねぇか！オープン戦ってのは、調整の場だろうが」



「それはそうですが、いくらオープン戦とはいえ、こうも敗けては…」



報道陣とのやり取りで 中田は面倒くさそうな顔で言い放つ。




「いいんだよ、シーズンが始まればキッチリ仕上がってくるんだし」



ホントだろうか…