I Love Baseball 主砲の一振り 6

オープン戦

救世主！…となるか

オープン戦2戦目は北九州へ移動し、今年からネプチューンリーグに移籍したFukuoka Dodgersと対戦するも、終盤に投手陣が打ち込まれ、2-4で敗退。

3戦目は北海道へ渡り、札幌ウォーリアーズと対戦。

序盤は互角の戦いを演じたが、中盤エラー絡みで失点を重ね、1-3で3連敗を喫する。


三塁手の毒島がエラー2個を記録した。


いくら過去にサードを守ったとはいえ、実戦からは遠ざかっているせいで、まだ慣れていない。


毒島本人もこれでは自信を無くしてしまう。


（ムリだよ…全く練習してないし、いきなりサード守れって言われても…）



毒島は萎縮するばかりだ。



「参ったなぁ～…毒島もエラーばっか気にして動きが良くないし、かと言って他のヤツらは期待出来ねぇし…こりゃ、ホントに今年は最下位かもなぁ」


ベンチで中田はボヤく。




しかし、天はGlanzを味方する。



海の向こうメジャーリーグでは、史上最高のサードと呼ばれる、マイケル・ロビンソンが所属チームのカリフォルニア・ファルコンズを解雇され、新天地を模索していた。


ロビンソンは現在34才。


【Vacuum Glove（バキュームグローブ）】と呼ばれ、どんな打球でも掃除機のように吸い込む柔らかいグラブ捌きで、9年連続ゴールドグラブ賞。


バッティングは引っ張り専門のプルヒッターで、左打席からの鋭い打球は殆どがライト方向へ飛ぶ。


過去には30本塁打 100打点を3度マーク。


その反面、三振も多く、年間平均で150個を記録する。



近年は膝のケガで試合数が減ったが、まだまだやれるとアピール。

ロビンソンは代理人を通じて、

「オレを必要とするチームがあるなら、アメリカ以外だっていい！
日本でも、韓国でも、台湾だって何処へでも行く用意はできてる」

と日本球界にもアピールしている。


Glanzにとっては渡りに船で、いち早くロビンソン獲得に名乗りを上げた。



「引っ張り専門じゃ、せいぜい2割5分から7分ぐらい…ホームランも20本前後だろうな」



「いいじゃねぇか、守備は一流なんだろ？だったら、獲ろうぜ」


中田は榊を説得し、ロビンソン獲得に動いた。



ウィークポイントを強化出来るとあって、Glanzのフットワークは軽い。


あれよあれよという間に、トントン拍子で入団にこぎつけた。

1年契約で年俸は5億7千万。

背番号2を付け、来週早々には来日する予定だ。


「よ～し、これでサードの穴は埋まった！となれば、今年は優勝あるのみ！」



「そんな簡単に埋まるもんか！」


「確かにな…でも、打つ方はともかく、守る方は期待出来るし、それだけでも御の字だっつーの」



「だといいけどなぁ」



果たして、マイケル・ロビンソンはGlanzの救世主となるのか。