9 / 82
オープン戦
苦肉の策
しおりを挟む
明日からオープン戦がスタートする。
苦肉の策として、サードは外野も守れるスーパーサブの来栖が守る事となった。
来栖ならば守備力は問題ないが、肝心のバッティングは吉岡に遠く及ばない。
来栖の他でサードを守れる選手は、南野、JIN、筧、庵野の4人。
とても長打が期待できるメンツではない。
「1人いるにはいるんだが…今から急遽サードを守れと言われても無理だろうなぁ」
中田が思い浮かんだ選手は毒島だった。
毒島は4年前サードのポジションで本塁打王を獲得した。
毒島なら申し分無いのだが、毒島を再びサードに戻すとなると…
タダでさえ、森高が外野へ再コンバートしているというのに、毒島までもがサードへ再コンバートとなれば、守備力を掲げる中田の方針には程遠い状況だ。
「イヤな役回りだな」
中田は毒島を監督室に呼んだ。
「…エッ…サードを守るんですか?」
毒島は驚きのあまり、表情が固まったままだ。
「悪いんだが、もう一度サードをやってくれないかな?」
「いや…そりゃ、やれと言われればやりますけど…サードなんて、しばらくやってないですし…上手く出来るかどうか」
「いいって、いいって!多少のエラーは目をつぶるし、思い切ってやってくれりゃいいんだ!なぁ、やってくんないかな?」
「は、はぁ…じゃあ、やります」
という、グダグダな展開で毒島は再びサードにコンバートされた。
そして翌日オープン戦初日。
この日は本拠地のさいたま S Villageで琉球マシンガンズとの一戦。
Glanzのオーダーは、
1 RF 武藤 5
2 SS 石川 8
3 1B 徳川 23
4 CF 森高 7
5 LF 唐澤 1
6 3B 毒島 6
7 DH 七海 36
8 C 滝沢 9
9 2B 筧 24
P 金澤 29
先発は長身のアンダースロー金澤。
マスクは滝沢が被り、毒島は6番サードで出場。
「さぁ、どうなる事やら…とりあえず、じっくり試合を観戦しようかね」
ベンチの奥ではGMの榊が試合を観戦している。
主審の手が挙がり、試合はスタートした。
先発の金澤はアンダースローながら、球速は143km/hのストレートを主体にスライダー、シュート、シンカーを交えてマシンガンズ打線を3回被安打1、1四球の無得点に抑える。
しかし、肝心の打線はサッパリでマシンガンズの投手陣の前に沈黙。
結局、試合は7回にマシンガンズの連打で一挙3点を失い敗戦。
オープン戦初戦は黒星という結果に終わった。
苦肉の策として、サードは外野も守れるスーパーサブの来栖が守る事となった。
来栖ならば守備力は問題ないが、肝心のバッティングは吉岡に遠く及ばない。
来栖の他でサードを守れる選手は、南野、JIN、筧、庵野の4人。
とても長打が期待できるメンツではない。
「1人いるにはいるんだが…今から急遽サードを守れと言われても無理だろうなぁ」
中田が思い浮かんだ選手は毒島だった。
毒島は4年前サードのポジションで本塁打王を獲得した。
毒島なら申し分無いのだが、毒島を再びサードに戻すとなると…
タダでさえ、森高が外野へ再コンバートしているというのに、毒島までもがサードへ再コンバートとなれば、守備力を掲げる中田の方針には程遠い状況だ。
「イヤな役回りだな」
中田は毒島を監督室に呼んだ。
「…エッ…サードを守るんですか?」
毒島は驚きのあまり、表情が固まったままだ。
「悪いんだが、もう一度サードをやってくれないかな?」
「いや…そりゃ、やれと言われればやりますけど…サードなんて、しばらくやってないですし…上手く出来るかどうか」
「いいって、いいって!多少のエラーは目をつぶるし、思い切ってやってくれりゃいいんだ!なぁ、やってくんないかな?」
「は、はぁ…じゃあ、やります」
という、グダグダな展開で毒島は再びサードにコンバートされた。
そして翌日オープン戦初日。
この日は本拠地のさいたま S Villageで琉球マシンガンズとの一戦。
Glanzのオーダーは、
1 RF 武藤 5
2 SS 石川 8
3 1B 徳川 23
4 CF 森高 7
5 LF 唐澤 1
6 3B 毒島 6
7 DH 七海 36
8 C 滝沢 9
9 2B 筧 24
P 金澤 29
先発は長身のアンダースロー金澤。
マスクは滝沢が被り、毒島は6番サードで出場。
「さぁ、どうなる事やら…とりあえず、じっくり試合を観戦しようかね」
ベンチの奥ではGMの榊が試合を観戦している。
主審の手が挙がり、試合はスタートした。
先発の金澤はアンダースローながら、球速は143km/hのストレートを主体にスライダー、シュート、シンカーを交えてマシンガンズ打線を3回被安打1、1四球の無得点に抑える。
しかし、肝心の打線はサッパリでマシンガンズの投手陣の前に沈黙。
結局、試合は7回にマシンガンズの連打で一挙3点を失い敗戦。
オープン戦初戦は黒星という結果に終わった。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。


会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。

ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる