I Love Baseball 主砲の一振り 6

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今年のオーダーについて

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7回にアクーニャ、8回にはジェイク、そして最後は真咲で締めくくるという、勝利の方程式を考案した勅使川原。


となれば、今度は先発のローテーション枠をどうするか。

現在ローテーション入り濃厚な選手は、中邑、片山、降谷、桐生の4人。

そこに2年目の左腕冴島に、昨年はファーム落ちを経験した東山が残りの枠に入れるかどうかの状態。


勅使川原はその2人よりも、一昨年のドラフト4位、木戸 恭一(きどきょういち)に期待を寄せる。

木戸は四国の名門、丸亀義塾学院から社会人野球の強豪、明治重工を経てGlanzに入団。


140後半のスピンのかかったキレのいいストレートにスライダー、カットボール、パワーカーブ、スプリットを投げ分け、特に130km/hを超えるパワーカーブは独特の軌道を描き、三振を奪う能力が高い。


勅使川原の思惑通りにいけばローテーション入りは間違いないのだが、こればっかりは実戦で試してみないと何とも言えない。



中田は投手の起用法については、勅使川原と投手チーフコーチの高峰に一任している。


野手出身の自分が投手の事なんて分かりっこない。

だから、投手の事はヘッドコーチと投手チーフコーチに任せっきりだと公言している。


勅使川原はブルペンで捕手を座らせて投げ込む木戸のボールを食い入るように見つめる。


今年から背番号を42から17に変更。


去年終盤に一軍昇格し、13試合に登板。


2勝2敗5ホールド、防御率は3.86。

待望のプロ初勝利をマークした。



177cmとプロ野球選手にしてはやや小柄ながら、オーソドックスなオーバースローからノビのあるストレートがストライクゾーンに決まる。


「おい、キッド!オレが打席に立つから投げてみろ」



勅使川原がバッターボックスに立った。


キッドとは木戸のニックネームだ。



木戸は得意のパワーカーブを投げた。


ドライブ回転がかかったボールは縦に鋭く変化してワンバウンドになる程だ。


「うん、この球なら一軍でも十分やっていける」


勅使川原は満足そうに頷いた。



(中邑、片山、降谷、桐生…そしてキッド。この5人をローテーションにして、谷間を誰で埋めるか)


起用法に頭を悩ませる。




投手の次は野手だ。


今年はどんなオーダーで挑むか。


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