仲村慶彦の憂鬱な日々 社会人編

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どうやったら卒業できるか

沙織と飲みに行く

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とんかつの味など覚えてない。

さっさと食って戻らなきゃ、と急いで食べたせいか、味なんて解らない。

サボってるのがバレたら、沙織にボコボコにされてクビになってしまう。


とんかつを食べ終え、ダッシュで会社に戻った。



時間はちょうど昼休み。


誰もいない部署で残りの仕事を片付けていた。



「仲村君」

…この声は…



沙織だ!


「仲村君、野村さんと何処に行ってたの?」


沙織は心配そうな表情を浮かべる。


「あ…いや、ちょっと外の空気を…」


とんかつ食ってましたなんて、口が裂けても言えない。

「ところで、大丈夫なの?
さっきはビックリしたわよ!
ねぇ、仲村くん。
野村さんとはあまり付き合わない方がいいと思うな。
あの人、あんまりいい噂聞かないから」



「そうですか…頭に入れておきます」


「それより、ホントに大丈夫?
仲村君、締められて意識無くしちゃうんだもん、ビックリしちゃった」


さっきの小芝居だ…

「あぁ、もう大丈夫っす。問題もないっす…」


「ならいいんだけど。
仲村君、またあんな事されたらワタシに言って。
パワハラどころか、立派な暴力行為よ、あれは!」


「いや、大丈夫です。野村さんああやって自分とふざけてるだけですから」



「何言ってるのっ!
ふざけっこにしても度が過ぎでしょ、プロレスの技をかけるなんて。大怪我したら大問題になるんだから、解った?」


パワハラか…まぁ確かにパワハラっちゃパワハラだよな。

「は、はい。すみません」

これじゃ、野村と沙織の板挟みじゃんかよ…



その後は何事もなく過ぎ、仕事が終了した。


会社の門を出た時、沙織に呼び止められた。


「仲村君。
チョット飲みに行かない?予定があるならいいけど」


…2人っきり?

2人っきりで飲むのか?


「あ、いや…特に予定はありませんが」


「じゃ、軽く飲もうよ!いいでしょ?」

結構です!とは言えず、沙織に誘われるがままに駅前の居酒屋に着いたのだった。

賑やかな居酒屋だ。

軽く飲んでさっさと帰ろう。

沙織と話なんて、何話せばいいのやら。


「仲村君は何飲む?」


「自分は生中を」


「すいませーん、生中二つ」

沙織が店員に注文した。

間もなくしてジョッキがテーブルに置かれる。

「それじゃお疲れ様!カンパーイ」

「お疲れ様です」


カチッとジョッキを合わせた音がする。

「…」


何話せばいいんだ?

無言でビールをひたすら飲む。


すると、沙織がバッグからタバコを取り出し、火を点け煙をフゥー、っと吐いた。


タバコ吸うのかよ!


オレは吸わないのに、吸っていいかって、一言言うのがマナーなんじゃないか?


「仲村君」


「はい」


「仲村君はタバコ吸わないの?」


「いえ、吸わないです」

「あ、そうなんだ?ごめんね、勝手に吸っちゃって。てっきり吸うもんだと思ってたからつい」


「あ、大丈夫です。あんまり気にしないタチなモンで…」


このギクシャクしたやり取りが苦手だ…


何で女と会話が出来ないんだ…



「仲村君、さっきからおとなしいけど、アタシと飲むのイヤ?
それなら帰ってもいいよ。無理矢理誘ってゴメンね」

「エッ、そんな事ないっす。
あの…女性と話す機会があまり無くて…」


「へぇー、彼女とかいないの?」

煙を細い糸のように吐き出す。


「は、はぁ…まぁ」


「そっか。ゴメンね、変な事聞いて」


会社の時と接し方が違う。


「いや、大丈夫っす」


何か無毛なやり取り。


気が重いなぁ~っ!


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