仲村慶彦の憂鬱な日々

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放課後2

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こいつは確かバスケ部のはずだ。

「奈央、今日部活は?」
オレは他の女子と会話するのが丸っきりダメなのだが、こいつだけは何故かフツーに話せる。
多分、小さい頃から一緒に遊んだりしたからだろう。

「あ、部活は今日休み。」
「そっか、アレの日か…」

バキッ!!後ろから強烈に蹴られた!イテ~っ!

「何言ってんの?バカじゃない?マジありえない!」
奈央が思いっきり蹴りかましやがった。

「あぁ~、折れた、背骨が折れた~あぁ、あぁ~」とわざとらしく背中を押さえて叫んだ。
「んなことよりさぁ、バイトやってるのおばさん良く思ってないみたいだよ。ウチに来てよく言ってたよ。『あの子が、バイト辞めて勉強してくれればいいのに』って」

これだから家族ぐるみの付き合いはイヤなんだ。

何でもかんでも筒抜だ。

あぁっ!!!
今朝の…奈央にバレたらかなりヤバイ!

そう、オレはあさイチから愚息を納める為にモーニングズリーセンをかまし、妹にバレてしまった。
しかも口止め料として一万が消えていった。
しかし、あの鬼畜な妹だからこいつにバラすのは時間の問題だろ。

…マジ一人暮らししたい!

妹も鬼畜だが、この奈央も案外鬼畜なのかも…いや、女ってのは、内心は悪魔なのかも?
イヤ~っ!

…さてバイトいこっ。



バイトは夕方から夜の9時まで。時間にすりゃたかが3,4時間だ。これを週に3日シフトに入れてる。

近所でバイトしてるから、知り合いがしょっちゅう店に出入りする。
最初の頃は恥ずかしかったが、今はもうなんともない。

コンビニの店長もウチの知り合いだから、無理な事もさせたりしない。
むしろ、バイトして大丈夫?勉強の方が大事じゃないの?等とウチの親のように言ってくる。

でも意外と話が分かる人だから言われても苦にならない。

バイトの時間は授業の時間と違いあっという間に終わってしまう。

そしてバイトが終わりウチに着く。

「ヨシヒコ、バイトするなとは言わないけど、もう少し早く帰って来てきなさい」また母ちゃんの小言だ。
ウチはオヤジがしばらくの間、単身赴任で地方の支店に勤務している。

1ヶ月に1度ウチに帰ってくるパターンだ。

そんなもんだから、母ちゃんはオヤジのいない日々が続いてるから多分、更年期障害なんだろと。

更年期障害てのもよくわからんが、よく聞く言葉だから、勝手にそう決めてるだけだ。

「だって小遣い欲しいし、母ちゃん金くんないじゃん?だからバイトしてんじゃん」

「そうだけど…何に使うの一体?」
「色々あるんだよ、これでも」

「で、こんな物を買うのアンタは?」
ゲゲッ!マリアちゃんのDVDじゃないかっ!



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