仲村慶彦の憂鬱な日々

sky-high

文字の大きさ
上 下
2 / 22

登校

しおりを挟む
…詰んだ。朝っぱらからあんな情事を見られたとは。

母ちゃんや妹に会いたくないっ!
何言われるかわからんからなっ!
(あっ、そうか!窓から脱出すれば母ちゃん達に会わなくてガッコー行けるじゃん!)

何てビューティフルでワンダフルでファンタスティックでエクセレントなアイデアだ。

よし、そうなりゃさっさと着替えて脱出!
オレはソッコーに制服に着替えバッグを持って窓を開けた。

…無理っ!!ここ二階じゃん!ゼッテー無理っ!飛び降りたらケガするじゃん!(泣)

それに靴も履いてないしな。
飛び降りてわざわざ玄関開けて靴履いてなんてバカらしっ。
バレないようにそぉっと階段降りてソッコーダッシュしかねぇ!
オレは忍者、オレは忍者だと言い聞かせながら気配を消して階段を降りた。
「…何やってんの?」
「ウワーッ!」「チョッ、いきなりデカイ声出さないでよ!あぁ~、さっきの事ね。大 丈 夫 、ママには言わないからさぁ~へへへっ」
なんと!チクッてないのか。

はぁ、助かった…バレたらマジで人生詰んだようなもんだからな。
「その代わりダンナ!アンタ今いくらあるんだぃ?」
な、なんだ、アニキをユスるってのか?
「確かバイトの給料出たばっかよね?これで勘弁してやるからさっ」と人差し指を立ててよこせと迫る妹っ!

き、鬼畜だっ!なんでこんな鬼畜に育ったんだオマエは!
アンちゃん悲しいぞっ!
財布から千円を出し妹に渡す。
「…テメ、ブッ飛ばすよ?何で千円なんだよ、このタコアニキ!」あぁ~妹がガン飛ばしてる…お兄ちゃん泣きたい!

泣く泣く一万円を妹に渡した。
「お兄ちゃんダイスキ~♪」と言って妹は学校に行った。

あ~ぁ、一万円があっという間に…
オレがコンビニで週3回のバイトしてやっともらった給料が(泣)

アイツは将来ああやって男から貢いでもらうんだろな。
アンちゃんは悲しいよ。

「ヨシヒコ、早く食べて行きなさい!遅くまで起きてるから起きられないのよ、全く!」
朝からウルセー母ちゃんだな。
…物凄い速さで飯をかっ込む。
「ごっそさん、んじゃ行ってくるー。」
「たまには早く帰って勉強しなさい、アンタ来年受験なんだからね」
大学行ける頭なんかねぇよ。

オレは学校へと向かった。

オレの通う高校は共学の公立校、東京都だから都立高校と呼ぶ。その学校の普通科で、学力的には可もなく不可もないぐらいのガッコーだ。
卒業したら、半分は就職か専門学校に行き、もう半分は大学に進学する程度だ。

家からガッコーまではチャリで20分ぐらいの距離だ。
今日も必死にチャリを漕ぎながら校門に着いた。

なんだか眠ぃなぁ。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

秘密のキス

廣瀬純一
青春
キスで体が入れ替わる高校生の男女の話

坊主女子:スポーツ女子短編集[短編集]

S.H.L
青春
野球部以外の部活の女の子が坊主にする話をまとめました

将棋部の眼鏡美少女を抱いた

junk
青春
将棋部の青春恋愛ストーリーです

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)

チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。 主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。 ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。 しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。 その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。 「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」 これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。

処理中です...