184 / 189
シリアルキラー
殺人鬼としての覚醒
しおりを挟む
達也とソンヒョクが、地下室で寝食を共にするようになり、一年程経過した。
最初のうちは、ソンヒョクのこなすトレーニングやスパーリングに付いていけず、ボロボロだった。
しかし、飲み込みの早い達也は、あっという間に上達。
ソンヒョクにも劣らない程の、殺しのスキルを身につけた。
ソンヒョクは銃を使わない。
以前に何故、銃を使わないのか?と達也は聞いたことがあるが、ソンヒョクの答えは
「達也、格闘技って元々は何のためにあるのか知ってるか?武道だなんだと言ってるが、本来は素手で人を殺める術、それが格闘技だ。
空手だって、試合には使えないような裏技がいっぱいあるだろ?あれだって相手が刃物を持った時、銃を構えた時に対抗すべく、禁じ手というのがかならずあるんだ。
これはソンセンの教えでもあるんだが、【武器は己の肉体と体術のみ】って、口酸っぱく言われたせいもあるのかな」
「でも銃は使わないけど、刃物は使ってるじゃないか」
「剣道や居合い抜きみたいなのもあるだろ?
忍者だって、カンフーだって、暗器使って仕留めるだろ?
それに比べると、銃は的を絞って構えて撃つまでどれだけの時間を要する?
プロのスナイパーならともかく、一度や二度、銃を使ったぐらいのヤツなんかより、鍛え抜かれたこの身体と格闘術があれば十分だ。
それに撃った後、どうやって遺体を始末する?意外と面倒なんだよ、銃ってのは」
ソンヒョクには、ソンヒョクなりのこだわりの殺り方がある。
達也はと言えば、殺すのに素手も凶器も関係無い。
ただ一方的になぶり殺す、それだけだ、という考え方だ。
ソンヒョクと仕事をするようになって、何人もの人間を闇に葬った。
だが、達也の殺り方はあまりにも猟奇的過ぎる。
前回はターゲットを暗い夜道に追い込み、安全靴の爪先で喉仏を蹴った。
それだけで、相手は気道が塞がり、死に至る。
だが、達也はその後も動かなくなった相手に、鋲の付いたオープンフィンガーグローブで滅多打ちした。
その後、踵からナイフを取り出し、手足をスパッと切断した。
「バカヤロー、オレたちの仕事は殺すだけだ!ここまでイカれた殺り方したら、後ろに手が回ってしまうぞ!」
グチャグチャの肉の塊になったターゲットの始末方法すら、考えてなかった。
依頼されたら殺す、その後はどうなろうと関係無い。そんな考えから、ソンヒョクと達也との間に溝が入った。
「こんな通りで、バラバラなんかにしやがって…後始末してる時間なんて無えぞ!」
ソンヒョクは激怒するが、達也は物足りない…と言うだけ。
ソンヒョクすら、押さえつけられない程の殺人鬼へと覚醒してしまった。
(コイツ、手のつけられ無いような、イカれた殺人鬼になってしまったかも)
ソンヒョクは達也と仕事をするのを止め、一人で行う事を決めた。
「何でだよ、ソンヒョク!オレ、ちゃんとターゲット始末してるじゃねえかよ!なぁ、何で降りろって言うんだよ」
達也は殺し屋ではなく、ただの快楽殺人を行っている、サイコパスへ変貌していった。
「あのバラバラにした死体、ニュースで大々的に報じてるぞ!
しかも、周辺には防犯カメラも設置されてんだよ!
バレたらどうすんのか、分かってるのか、おい!」
冷静沈着なソンヒョクが、声を荒げた。
「…バレたら?じゃあ、見つけたヤツを殺りゃいいじゃねえか…ククク…」
この男、狂ってる…まるで、殺人を楽しむかのように。
一緒に仕事をやろう、と言った事を後悔した。
ソンヒョクの殺しは、マフィアからの依頼を受けてから実行する。
それも誰にも分からぬよう、闇に葬る。
それが、ソンヒョクの与えられた仕事だ。
だから、私情で殺人を犯すなんて事は絶対にしない。
だが、達也は違った。
とにかく、人を殺したくてウズウズしている。
仕事があろうが無かろうが、とにかく人を殺したい。
とにかく壊したいという衝動にかられていた。
「…あぁ、殺してぇ…誰でもいいから、殺してえ」
人を殺すことに快感を得た達也は、仕事の依頼が無い時でも、単独で行動するようになった。
そして達也は、橋の下で暮らしているホームレスを襲撃した。
殴る蹴るの繰り返しで、ホームレスがピクリとも動かなくなっても、お構い無しに攻撃を止めない。
最後は懐に忍ばせていた、青竜刀のような刃物でバラバラに切り刻み、川に投げ捨てた。
ターゲットはホームレスだけじゃなく、一般人にも及んだ…
最初のうちは、ソンヒョクのこなすトレーニングやスパーリングに付いていけず、ボロボロだった。
しかし、飲み込みの早い達也は、あっという間に上達。
ソンヒョクにも劣らない程の、殺しのスキルを身につけた。
ソンヒョクは銃を使わない。
以前に何故、銃を使わないのか?と達也は聞いたことがあるが、ソンヒョクの答えは
「達也、格闘技って元々は何のためにあるのか知ってるか?武道だなんだと言ってるが、本来は素手で人を殺める術、それが格闘技だ。
空手だって、試合には使えないような裏技がいっぱいあるだろ?あれだって相手が刃物を持った時、銃を構えた時に対抗すべく、禁じ手というのがかならずあるんだ。
これはソンセンの教えでもあるんだが、【武器は己の肉体と体術のみ】って、口酸っぱく言われたせいもあるのかな」
「でも銃は使わないけど、刃物は使ってるじゃないか」
「剣道や居合い抜きみたいなのもあるだろ?
忍者だって、カンフーだって、暗器使って仕留めるだろ?
それに比べると、銃は的を絞って構えて撃つまでどれだけの時間を要する?
プロのスナイパーならともかく、一度や二度、銃を使ったぐらいのヤツなんかより、鍛え抜かれたこの身体と格闘術があれば十分だ。
それに撃った後、どうやって遺体を始末する?意外と面倒なんだよ、銃ってのは」
ソンヒョクには、ソンヒョクなりのこだわりの殺り方がある。
達也はと言えば、殺すのに素手も凶器も関係無い。
ただ一方的になぶり殺す、それだけだ、という考え方だ。
ソンヒョクと仕事をするようになって、何人もの人間を闇に葬った。
だが、達也の殺り方はあまりにも猟奇的過ぎる。
前回はターゲットを暗い夜道に追い込み、安全靴の爪先で喉仏を蹴った。
それだけで、相手は気道が塞がり、死に至る。
だが、達也はその後も動かなくなった相手に、鋲の付いたオープンフィンガーグローブで滅多打ちした。
その後、踵からナイフを取り出し、手足をスパッと切断した。
「バカヤロー、オレたちの仕事は殺すだけだ!ここまでイカれた殺り方したら、後ろに手が回ってしまうぞ!」
グチャグチャの肉の塊になったターゲットの始末方法すら、考えてなかった。
依頼されたら殺す、その後はどうなろうと関係無い。そんな考えから、ソンヒョクと達也との間に溝が入った。
「こんな通りで、バラバラなんかにしやがって…後始末してる時間なんて無えぞ!」
ソンヒョクは激怒するが、達也は物足りない…と言うだけ。
ソンヒョクすら、押さえつけられない程の殺人鬼へと覚醒してしまった。
(コイツ、手のつけられ無いような、イカれた殺人鬼になってしまったかも)
ソンヒョクは達也と仕事をするのを止め、一人で行う事を決めた。
「何でだよ、ソンヒョク!オレ、ちゃんとターゲット始末してるじゃねえかよ!なぁ、何で降りろって言うんだよ」
達也は殺し屋ではなく、ただの快楽殺人を行っている、サイコパスへ変貌していった。
「あのバラバラにした死体、ニュースで大々的に報じてるぞ!
しかも、周辺には防犯カメラも設置されてんだよ!
バレたらどうすんのか、分かってるのか、おい!」
冷静沈着なソンヒョクが、声を荒げた。
「…バレたら?じゃあ、見つけたヤツを殺りゃいいじゃねえか…ククク…」
この男、狂ってる…まるで、殺人を楽しむかのように。
一緒に仕事をやろう、と言った事を後悔した。
ソンヒョクの殺しは、マフィアからの依頼を受けてから実行する。
それも誰にも分からぬよう、闇に葬る。
それが、ソンヒョクの与えられた仕事だ。
だから、私情で殺人を犯すなんて事は絶対にしない。
だが、達也は違った。
とにかく、人を殺したくてウズウズしている。
仕事があろうが無かろうが、とにかく人を殺したい。
とにかく壊したいという衝動にかられていた。
「…あぁ、殺してぇ…誰でもいいから、殺してえ」
人を殺すことに快感を得た達也は、仕事の依頼が無い時でも、単独で行動するようになった。
そして達也は、橋の下で暮らしているホームレスを襲撃した。
殴る蹴るの繰り返しで、ホームレスがピクリとも動かなくなっても、お構い無しに攻撃を止めない。
最後は懐に忍ばせていた、青竜刀のような刃物でバラバラに切り刻み、川に投げ捨てた。
ターゲットはホームレスだけじゃなく、一般人にも及んだ…
0
お気に入りに追加
116
あなたにおすすめの小説
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
13歳女子は男友達のためヌードモデルになる
矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。
下品な男に下品に調教される清楚だった図書委員の話
神谷 愛
恋愛
クラスで目立つこともない彼女。半ば押し付けれられる形でなった図書委員の仕事のなかで出会った体育教師に堕とされる話。
つまらない学校、つまらない日常の中の唯一のスパイスである体育教師に身も心も墜ちていくハートフルストーリー。ある時は図書室で、ある時は職員室で、様々な場所で繰り広げられる終わりのない蜜月の軌跡。
歪んだ愛と実らぬ恋の衝突
ノクターンノベルズにもある
☆とブックマークをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる