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顔を変えた過去
10人から先は覚えてない
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殺し屋…マンガや映画の中ではよく出てくるが、ホントにいたとは…
「…っ!まさかソンヒョク、それをオレにバラしたって事は、オレを…?」
達也の表情が青ざめた。
「するわけねぇだろ!お前がオレの事をバラさなきゃ、何もしねえよ」
ソンヒョクは靴を再び履いた。
コリアンタウンのマフィアか…
日本のヤクザとは、また違う恐ろしさを感じる。
「こんな所に、コリアンマフィアがいるとは思わなかったよ。日本のヤクザとはやっぱり違うんだろうな」
「でも、日本のヤクザのほとんどは在日だったらしいぜ。今はどうか知らないけど」
それは聞いたことがある。
右翼団体にも、在日の連中がかなりいるらしい。
反韓国を謳う右翼に在日の人間がいるという理由の一つに、日本人になりすましている説と、単に日本が好きだからという説。
諸説あるが、在日の人間がいることには違いない。
「…でも、なんでそんな事をオレに?別に言わなくてもいいのに」
ソンヒョクはまた、サンドバッグを叩き始めた。
「だって、お前も殺した事あるだろ?隠してもわかるんだよ、オレには」
達也はソンヒョクに見抜かれてたみたいだ。
「こういう仕事をやってると、勘とか雰囲気でピンとくるんだよ。それに、この地域に住む日本人なんてまずいないからな。お前、ここで身を隠してるんだろ?」
「…」
何もかも、ソンヒョクには見抜かれていた。
言い訳出来るはずがない。
「…まぁ、そんなとこだ。ソンヒョク、アンタはここの出身か?」
「そう。オレはこの街で生まれ育った」
「…そうか。しかし、殺し屋とは…ここにも在日だけのマフィアがいるとはな」
チャイニーズマフィアなら、何度か耳にしたことはある。だが、在日のみのコリアンマフィアとは聞き慣れない。
「オレたちは、同胞をターゲットにしない。だが裏切ったヤツらは消すけどな。ところで小島、さっきは全く攻撃しなかったが、どんな格闘技をやってたんだ?」
スパーリングでは、ただガードを固めてソンヒョクの攻撃を防御するのが精一杯だった。
「…オレがやってたのは日本拳法。
あれも総合格闘術なんだが…所詮は道場でしか通用しないレベルだ…何せ、アンタの殺気に満ちた雰囲気に飲まれてしまった。オレがターゲットだったら、すぐに殺られただろうな」
達也は安全靴を見ながら、ソンヒョクの暗殺術に興味を持った。
「まぁ、あくまでも依頼された仕事を遂行させる為には、色々と工夫しないとな」
「何で銃は使わないんだ?もし万が一、相手が銃を持ってたらどうすんの?」
「いいか、小島。銃ってのは、便利かもしれないが、音が響くだろ?それに、銃を構えて、的を絞って引き金を引くまでに時間がかかる。オレの場合は運がいいのか、銃を持っても撃たれた事は一度もない。
まぁ、相手はオレの殺気に震えてる隙を狙って、あっという間にバラされちまうからかなぁ」
…相当の修羅場をくぐり抜けてこなければ、そんな芸当は出来ない。
「アンタが狙う相手は日本人か?」
「大体はイルボン(日本)のヤツだが、そうじゃない時もある。同胞がターゲットだったり、中国のヤツや東南アジア系もあるし。こっちは依頼を受けてから始末するだけで詳しい事は知らないし、知る必要もない。それがオレの仕事だからな」
一体、今まで何人を闇に葬ったのだろうか?
「なぁ、ソンヒョク」
「ん?」
ソンヒョクは靴を布で磨いていた。
手入れは怠らないのだろう。
「今まで何人殺してきたんだ?」
ストレートな質問を達也はぶつけてみた。
「…さぁ。十人から先は覚えてない」
…てことは、今まで何十人、もしかしたら百人を越える程、殺しをしてきたのか…
「…っ!まさかソンヒョク、それをオレにバラしたって事は、オレを…?」
達也の表情が青ざめた。
「するわけねぇだろ!お前がオレの事をバラさなきゃ、何もしねえよ」
ソンヒョクは靴を再び履いた。
コリアンタウンのマフィアか…
日本のヤクザとは、また違う恐ろしさを感じる。
「こんな所に、コリアンマフィアがいるとは思わなかったよ。日本のヤクザとはやっぱり違うんだろうな」
「でも、日本のヤクザのほとんどは在日だったらしいぜ。今はどうか知らないけど」
それは聞いたことがある。
右翼団体にも、在日の連中がかなりいるらしい。
反韓国を謳う右翼に在日の人間がいるという理由の一つに、日本人になりすましている説と、単に日本が好きだからという説。
諸説あるが、在日の人間がいることには違いない。
「…でも、なんでそんな事をオレに?別に言わなくてもいいのに」
ソンヒョクはまた、サンドバッグを叩き始めた。
「だって、お前も殺した事あるだろ?隠してもわかるんだよ、オレには」
達也はソンヒョクに見抜かれてたみたいだ。
「こういう仕事をやってると、勘とか雰囲気でピンとくるんだよ。それに、この地域に住む日本人なんてまずいないからな。お前、ここで身を隠してるんだろ?」
「…」
何もかも、ソンヒョクには見抜かれていた。
言い訳出来るはずがない。
「…まぁ、そんなとこだ。ソンヒョク、アンタはここの出身か?」
「そう。オレはこの街で生まれ育った」
「…そうか。しかし、殺し屋とは…ここにも在日だけのマフィアがいるとはな」
チャイニーズマフィアなら、何度か耳にしたことはある。だが、在日のみのコリアンマフィアとは聞き慣れない。
「オレたちは、同胞をターゲットにしない。だが裏切ったヤツらは消すけどな。ところで小島、さっきは全く攻撃しなかったが、どんな格闘技をやってたんだ?」
スパーリングでは、ただガードを固めてソンヒョクの攻撃を防御するのが精一杯だった。
「…オレがやってたのは日本拳法。
あれも総合格闘術なんだが…所詮は道場でしか通用しないレベルだ…何せ、アンタの殺気に満ちた雰囲気に飲まれてしまった。オレがターゲットだったら、すぐに殺られただろうな」
達也は安全靴を見ながら、ソンヒョクの暗殺術に興味を持った。
「まぁ、あくまでも依頼された仕事を遂行させる為には、色々と工夫しないとな」
「何で銃は使わないんだ?もし万が一、相手が銃を持ってたらどうすんの?」
「いいか、小島。銃ってのは、便利かもしれないが、音が響くだろ?それに、銃を構えて、的を絞って引き金を引くまでに時間がかかる。オレの場合は運がいいのか、銃を持っても撃たれた事は一度もない。
まぁ、相手はオレの殺気に震えてる隙を狙って、あっという間にバラされちまうからかなぁ」
…相当の修羅場をくぐり抜けてこなければ、そんな芸当は出来ない。
「アンタが狙う相手は日本人か?」
「大体はイルボン(日本)のヤツだが、そうじゃない時もある。同胞がターゲットだったり、中国のヤツや東南アジア系もあるし。こっちは依頼を受けてから始末するだけで詳しい事は知らないし、知る必要もない。それがオレの仕事だからな」
一体、今まで何人を闇に葬ったのだろうか?
「なぁ、ソンヒョク」
「ん?」
ソンヒョクは靴を布で磨いていた。
手入れは怠らないのだろう。
「今まで何人殺してきたんだ?」
ストレートな質問を達也はぶつけてみた。
「…さぁ。十人から先は覚えてない」
…てことは、今まで何十人、もしかしたら百人を越える程、殺しをしてきたのか…
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