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レンタルボーイ、金持ちの玩具
清濁併せ持った人物になりなさい
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オレは瓜田に質問した事を、オーナーにもぶつけてみた。
「オーナー」
「ん、なぁに?」
「単刀直入に言いますけど、オーナーってヤクザの人なんですか?」
「えぇっ!私がヤクザ?こらっ!何て事言うの!」
【ギュッ!】
「痛っ!」
オレの陰嚢をギュッと握ってきた。
「全く…何を聞いてくるのかと思ったら…私、ヤクザの人間に見える?」
瓜田にしろ、オーナーにしろ、パッと見は裏社会で生きてる人間とは思えない。
レンタル倶楽部は非合法で、言わば売春斡旋の組織だ。
法に触れる事は、必ずヤクザがつきものだと思っていた。
【あの世界に入ったら、いくら私でも責任は負えないし、立ち入る事も出来ない…】
沢渡さんの言葉を思い出した。
レンタル会員の鉄則として、何があっても、レンタル期間中は客の側にいて、要求に応える事、そう言われ続けた。
それが例え、親兄弟が不幸な事にあってもだ。
その鉄則を破った者は消される…
これだけでも、十分ヤクザの世界だ。
なのに、オーナーからは、裏社会の人間独特の凄みというか、恐ろしさはそれほど感じない。
「もしかして亮輔くん、私の事ヤクザだと思ってたの?」
オーナーはまた胸をオレの顔に押し付け、優しく包みこむように抱いた。
「亮輔くん…今どんな気持ち?」
穏やかで、オレの心に語りかけるかのような口調だ。
「…何だか。何て言うか、安らぐみたいな感じがして…母に抱かれてるみたいな感じです」
でも、何がなんでも任務を遂行しないと消されるって事は、やっぱり、ヤクザなんだろうな…
「最初に言ってましたよね?何があってもレンタル期間中は、途中で抜け出す事が出来ないって?もし抜け出したら、消されるって…」
すると、オーナーは大笑いしていた。
「そんな事するワケないでしょ!誰がそんな噂流したのかしら?実際に消したら、私は今ここにいないわよ。
とっくに捕まってるじゃない。
途中で抜け出したら、報酬は0。それがどういうワケか、消されるって話になってるみたいね。
でも否定はしないの。
それだけ責任感を持って仕事しなさい、って事。まぁ、そのせいもあってか、今まで一人も途中で抜けた会員はいないから、いいんだけどね」
オーナーは母と同じ身体つきをしている。胸の大きさからウエスト、ヒップまで母親のクローンと化したようなスタイルだ。
語りかける口調で、オレを優しく包み込んでくれる。
「これも千尋ちゃんから教わったの。でもただ抱きしめるだけじゃないの。気持ちを込めて愛しく母性溢れる様にしてあげると、亮輔くんは心が安らいでくるって言ってたゎ」
母はオーナーに、オレの事を事細かに教えたのか。
一体、母はオーナーと何を話したのだろうか?
こうなる事を知って、オーナーにオレを託したのだろうか?
不思議だ。
「実はね、千尋ちゃんに頼まれたの。【もし、私の身に何かあったら、亮輔を頼むわね】って言われたの。だから、最初に亮輔くんに会った時、すぐに採用したのはそれが理由だったの」
…母はいずれ、そうなる事を見越してオーナーにオレの面倒を依頼したのか…?
「千尋ちゃん、何であんな目に遭ったんだろ…しかも実の息子に…私の憧れの千尋ちゃんが…」
オーナーは、母が兄の策略によって海外に売り飛ばされ、クスリ漬けにされて灰人になった事を知っていた。
オレは母の事は一切話してなかったが、何処でその話を聞いたのだろうか。
オーナーは涙を流しながら、オレの頭を撫でた。
「亮輔くんは、お母さんの治療費の為にここへ来たんでしょ?
アナタを一目見て、あぁ、千尋ちゃんの子供だってすぐに分かったわ。
これは、千尋ちゃんの身に何かあったんだと。そして、千尋ちゃんとの約束を果たす為にアナタをここに入れたってワケなのよ…」
すると、母は兄によって消される事を予想していたのだろうか。いや、そんなはずは無い筈だ。
あくまでも、万が一という仮定でオーナーに頼んだに違いない。
オーナーは涙を拭き、優しく語りかけた。
「亮輔くん。
さっきの質問だけど、私はヤクザの世界の人間じゃないの。でも、お客様の中にはその筋の人も何人かいるから、全く関わってないとは言い切れない。
一般の人達とはちょっと違う人種とでも言うのかな」
分かった様な、分からない様な。
ただ、言えるのは、瓜田と一緒でシロでもクロでも無い、グレーな存在なのだろうと。
「いい、亮輔くん。人間てね、清と濁を持ち併せてるの」
「セイとダク?」
何の事やら、さっぱり分からない…
「ねぇ、またオッパイ吸いながら話をきいて…」
急に母性愛に目覚めたのか、オーナーはしきりに乳首を吸うようにせがんだ。
オレもこうしてると、母親の胎内に入ってるかのように、自然と安らぐ。
この感じ、ずっと味わっていたい…
「あぁ~ん、また感じるような吸い方してぇ…もっと赤ちゃんの様にチューチュー吸って」
母乳が出るワケでも無いのに…
「そう、その吸い方…私、お母さんみたいな気分を味わいたいの…」
「…」
オレは言われた通り、乳首を吸っていた。
もう、どのくらい経ってるのだろうか、朝方まで交わい、昼過ぎまで寝て、それからずっとこの体勢でいるのだから、夕方ぐらいになってるのかな。
「それでね、さっきの清と濁って意味なんだけど、清は清らかな心、濁は文字通り濁っているから、汚い部分の事を言うのかな、こういう場合は。
分かりやすく言えば、天使と悪魔のような存在が同居してるの。それは私だけじゃなく、亮輔くんや他の人も持ち併せてるの。
でもね、その使い方が上手な人はトップに立てるのよ。
時には清らかに、そして時には濁った部分を見せるの。
いい、その使い方を間違えると人はダメになっていくのよ…」
今のオレには難しすぎて理解が出来ない。
「それとね、お金の使い方もそう。亮輔くんはお客様から貰ったお小遣いで色んな高い物いっぱい買ったでしょ?しかも必要の無い物ばかり」
オーナーは話を続けた。
「自分の欲求の為だけにお金を使っちゃダメ。それはただの泡銭となって消えてしまうから。
いい、そのお金はいざという時に使うの」
「いざという時って具体的にどんな時ですか?」
今のオレには清は無く、濁の部分しか持ってない。
「いざという時っていうのは、心から信頼出来る仲間、親友、そういう人脈を作って、この人の為ならっていう時に使うものなの。その為には人の見極め方や多くの人と接して、信頼出来そうだという人に使ってあげるの。それは後々、自分に返ってくるようになるのよ。それが形なのか、見えない物なのか。
でも、そうやってお金を、そして人を見極める事が大事なの、それにはもっともっと色んな人と話して接して、経験を積んでいくの。今の亮輔くんには難しいかな…?」
オーナーの言ってる事は分かる。
だけど、オレは誰も信じないし、誰も愛さない。
もう人に振り回され、挙げ句に騙されるのはゴメンだ。
それにオレと関わる人は必ず不幸な最期を遂げる。
オレはオーナーの教えには諸手を上げて賛成というワケにはいかないんだ…
「オーナー」
「ん、なぁに?」
「単刀直入に言いますけど、オーナーってヤクザの人なんですか?」
「えぇっ!私がヤクザ?こらっ!何て事言うの!」
【ギュッ!】
「痛っ!」
オレの陰嚢をギュッと握ってきた。
「全く…何を聞いてくるのかと思ったら…私、ヤクザの人間に見える?」
瓜田にしろ、オーナーにしろ、パッと見は裏社会で生きてる人間とは思えない。
レンタル倶楽部は非合法で、言わば売春斡旋の組織だ。
法に触れる事は、必ずヤクザがつきものだと思っていた。
【あの世界に入ったら、いくら私でも責任は負えないし、立ち入る事も出来ない…】
沢渡さんの言葉を思い出した。
レンタル会員の鉄則として、何があっても、レンタル期間中は客の側にいて、要求に応える事、そう言われ続けた。
それが例え、親兄弟が不幸な事にあってもだ。
その鉄則を破った者は消される…
これだけでも、十分ヤクザの世界だ。
なのに、オーナーからは、裏社会の人間独特の凄みというか、恐ろしさはそれほど感じない。
「もしかして亮輔くん、私の事ヤクザだと思ってたの?」
オーナーはまた胸をオレの顔に押し付け、優しく包みこむように抱いた。
「亮輔くん…今どんな気持ち?」
穏やかで、オレの心に語りかけるかのような口調だ。
「…何だか。何て言うか、安らぐみたいな感じがして…母に抱かれてるみたいな感じです」
でも、何がなんでも任務を遂行しないと消されるって事は、やっぱり、ヤクザなんだろうな…
「最初に言ってましたよね?何があってもレンタル期間中は、途中で抜け出す事が出来ないって?もし抜け出したら、消されるって…」
すると、オーナーは大笑いしていた。
「そんな事するワケないでしょ!誰がそんな噂流したのかしら?実際に消したら、私は今ここにいないわよ。
とっくに捕まってるじゃない。
途中で抜け出したら、報酬は0。それがどういうワケか、消されるって話になってるみたいね。
でも否定はしないの。
それだけ責任感を持って仕事しなさい、って事。まぁ、そのせいもあってか、今まで一人も途中で抜けた会員はいないから、いいんだけどね」
オーナーは母と同じ身体つきをしている。胸の大きさからウエスト、ヒップまで母親のクローンと化したようなスタイルだ。
語りかける口調で、オレを優しく包み込んでくれる。
「これも千尋ちゃんから教わったの。でもただ抱きしめるだけじゃないの。気持ちを込めて愛しく母性溢れる様にしてあげると、亮輔くんは心が安らいでくるって言ってたゎ」
母はオーナーに、オレの事を事細かに教えたのか。
一体、母はオーナーと何を話したのだろうか?
こうなる事を知って、オーナーにオレを託したのだろうか?
不思議だ。
「実はね、千尋ちゃんに頼まれたの。【もし、私の身に何かあったら、亮輔を頼むわね】って言われたの。だから、最初に亮輔くんに会った時、すぐに採用したのはそれが理由だったの」
…母はいずれ、そうなる事を見越してオーナーにオレの面倒を依頼したのか…?
「千尋ちゃん、何であんな目に遭ったんだろ…しかも実の息子に…私の憧れの千尋ちゃんが…」
オーナーは、母が兄の策略によって海外に売り飛ばされ、クスリ漬けにされて灰人になった事を知っていた。
オレは母の事は一切話してなかったが、何処でその話を聞いたのだろうか。
オーナーは涙を流しながら、オレの頭を撫でた。
「亮輔くんは、お母さんの治療費の為にここへ来たんでしょ?
アナタを一目見て、あぁ、千尋ちゃんの子供だってすぐに分かったわ。
これは、千尋ちゃんの身に何かあったんだと。そして、千尋ちゃんとの約束を果たす為にアナタをここに入れたってワケなのよ…」
すると、母は兄によって消される事を予想していたのだろうか。いや、そんなはずは無い筈だ。
あくまでも、万が一という仮定でオーナーに頼んだに違いない。
オーナーは涙を拭き、優しく語りかけた。
「亮輔くん。
さっきの質問だけど、私はヤクザの世界の人間じゃないの。でも、お客様の中にはその筋の人も何人かいるから、全く関わってないとは言い切れない。
一般の人達とはちょっと違う人種とでも言うのかな」
分かった様な、分からない様な。
ただ、言えるのは、瓜田と一緒でシロでもクロでも無い、グレーな存在なのだろうと。
「いい、亮輔くん。人間てね、清と濁を持ち併せてるの」
「セイとダク?」
何の事やら、さっぱり分からない…
「ねぇ、またオッパイ吸いながら話をきいて…」
急に母性愛に目覚めたのか、オーナーはしきりに乳首を吸うようにせがんだ。
オレもこうしてると、母親の胎内に入ってるかのように、自然と安らぐ。
この感じ、ずっと味わっていたい…
「あぁ~ん、また感じるような吸い方してぇ…もっと赤ちゃんの様にチューチュー吸って」
母乳が出るワケでも無いのに…
「そう、その吸い方…私、お母さんみたいな気分を味わいたいの…」
「…」
オレは言われた通り、乳首を吸っていた。
もう、どのくらい経ってるのだろうか、朝方まで交わい、昼過ぎまで寝て、それからずっとこの体勢でいるのだから、夕方ぐらいになってるのかな。
「それでね、さっきの清と濁って意味なんだけど、清は清らかな心、濁は文字通り濁っているから、汚い部分の事を言うのかな、こういう場合は。
分かりやすく言えば、天使と悪魔のような存在が同居してるの。それは私だけじゃなく、亮輔くんや他の人も持ち併せてるの。
でもね、その使い方が上手な人はトップに立てるのよ。
時には清らかに、そして時には濁った部分を見せるの。
いい、その使い方を間違えると人はダメになっていくのよ…」
今のオレには難しすぎて理解が出来ない。
「それとね、お金の使い方もそう。亮輔くんはお客様から貰ったお小遣いで色んな高い物いっぱい買ったでしょ?しかも必要の無い物ばかり」
オーナーは話を続けた。
「自分の欲求の為だけにお金を使っちゃダメ。それはただの泡銭となって消えてしまうから。
いい、そのお金はいざという時に使うの」
「いざという時って具体的にどんな時ですか?」
今のオレには清は無く、濁の部分しか持ってない。
「いざという時っていうのは、心から信頼出来る仲間、親友、そういう人脈を作って、この人の為ならっていう時に使うものなの。その為には人の見極め方や多くの人と接して、信頼出来そうだという人に使ってあげるの。それは後々、自分に返ってくるようになるのよ。それが形なのか、見えない物なのか。
でも、そうやってお金を、そして人を見極める事が大事なの、それにはもっともっと色んな人と話して接して、経験を積んでいくの。今の亮輔くんには難しいかな…?」
オーナーの言ってる事は分かる。
だけど、オレは誰も信じないし、誰も愛さない。
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