快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体

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レンタルボーイ、金持ちの玩具

ニューハーフ?

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仕事を再開して、オレは初心に戻るべく、相手の要求を受け入れ、信頼を回復する事に必死だった。

送迎の車の中では、瓜田がレンタル会員だった頃の話をヒントに、何か参考になることはないかとメモをした。

「亮輔さん、随分と勉強熱心ですね。これならあっという間にトップに返り咲きますよ」

瓜田は亮輔の姿勢をバックミラー越しで見て感心していた。

「私とここまで話をする会員さんなんて、他にいませんよ。亮輔さん。
アナタは前と違って随分変わりましたね。私もオーナーに報告しますよ。亮輔さんは随分と勉強熱心になっています、と」

瓜田に誉められ、悪い気はしない。
彼の言うとおり、一日でも早く信頼を取り戻し、また一円でも多く稼がないと家賃や母親の治療費さえ払えないからだ。

今は与えられた仕事を嫌な顔せず、満足してもらうよう努めるだけだ。

その為には、こうやって瓜田がレンタル会員だった頃の話や、この場合はどう対応すればいいのか?とアドバイスを仰いだりしていた。

瓜田も、そういう話なら、いくらでも話してくれた。
アドバイスを求めてくるのは、それだけ真面目に取り組んでいるという事だからこそ、彼もその頃の経験を惜しみ無く話した。

「車の中で、こんなに話をするのは初めてですよ。亮輔さんは会員の中では最年少だけど、取り組む姿勢は一番だと思ってますよ、私は」

「そうすか、ありがとうございます。瓜田さんの会員だった頃の話、かなり参考になるんで助かります」

「こんな話で良かったら、いつでもお付き合いしますよ。遠慮なく聞いてください」

「はい、ありがとうございます!」

そしてまた、一週間のレンタルが始まる。
有名人や財閥の関係者、更には大物政治家…様々な人の様々な性的嗜好がある。

ゲイも経験したし、女装もやった。
中々イカない女性をイカせた事もあった。
やっぱり、客の立場になって何を望んでいるのか、何を求めているのか、それを考え、自分なりに満足いくように応える。

最後には、またよろしく頼むよ、と封筒を渡される。
それはお小遣いだが、相手からすれば、オレに対するお礼の気持ちだ。

それがいくらだろうが、貰ったら感謝しなければならない。

以前のように、貰って当たり前、額が少なきゃ、二度と相手にするか!なんて驕ったが、それではリピーターが付かない事が理解した。

徐々に信頼が回復し、指名も増えた。

オーナーは、オレが心を入れ替えたと判断し、以前のように取り分を6:4に戻してくれた。
そして、オレが住んでいたマンションの家賃も立て替えてもらった。


今日も無事、一週間のレンタル期間を終え、オーナーのマンションへ戻った。

「ただいま戻ってきました」

「はぁーい、お疲れ様。これ、アナタの取り分ね」

一週間レンタルだから、42万円入った封筒を渡された。

「ありがとうございます」

ようやく元の取り分に戻り、これで何とか母の治療費に充てられる。

「亮輔くん、次は一ヶ月のレンタルよ。明日はゆっくり休んで、明後日の昼に来てちょうだい」

今までは一週間のレンタルだったが、一ヶ月は初めてだ。

どんな人が相手なんだろうか。

「それじゃお先に失礼します」

オレはマンションを出ると、寄り道をせずに家に着き、疲れていたせいか、すぐに眠った。

翌日は、何もせずただゴロゴロと寝ては起き、また寝ては起きるという事を繰り返し、身体を休めた。

そして約束の日。
オレは昼にオーナーのマンションに着いた。

「失礼しまーす」

部屋にはオーナーしかいない。
いつもなら、瓜田がいるのに。

「亮輔くん、今日から一ヶ月頼んだわよ」

…いつ見ても母を彷彿とさせる容姿、仕草。

「あれ、瓜田さんは?」

リビングでテレビを観ていたオーナーは、こちらを向くと、オレの前に立った。

こうして見ると、背は母より大きい。
いや、オレとそんなに変わらない身長だ。

オレの身長は175cm。ほぼ同じだから、女性にしては、かなり長身の部類に入ると思う。

「瓜田くんなら、他の会員を乗せて行ったわ」

…今回は電車で行けって事なのか。

「そうすか。で、何処で待ち合わせするんですか?」

「待ち合わせはここよ」

「ここですか…?」

「そうよ」

ならば、客が来るまで待とう。
どんな人なんだろ。

「今回のレンタルの相手は、この私。一ヶ月ここにいてもらうわよ」
  
「えっ、ここに?」

「そうよ。今日から私が、アナタのお客様。どう、不服かしら?」

この妖艶な笑み、母とそっくりで他人とは思えない。

「では、まずは最初に何をすればいいんでしょうか?」

間違いなくセックスの相手だろう。だが、どういったプレイなのか…

「とりあえず裸になって、ベッドで待っててくれる?」

妖しい目付きだ…

「裸って…全裸ですか?」

「当たり前じゃない!勿論、全裸よ。いいからベッドで待っててね」

やっぱり、セックスの相手って事だ。

オレはオーナーの部屋で服を脱ぎ、全裸になってベッドで仰向けになった。

「おまたせ」

ガチャっとドアが開いて、オーナーが入ってきた。

「…えぇっ!」

オレは驚いた。
オーナーはセクシーな黒のシースルーの下着姿になっていたのだが、オレの視線は股間に釘付けになった。

「えっ、まさか?」

あの股間の膨らみは…

ニューハーフ…?

オーナーがニューハーフ?

しばし言葉を失った…
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