87 / 189
新たな出発
背に腹は変えられない
しおりを挟む
母の治療費は高額で、オレの蓄えた貯金を吐き出しても、すぐに底を突いてしまう。
沢渡さんにはもう頼めない。
かといって、今の仕事では到底無理だ。
どうやったら治療費を捻出出来るのか。
学校を辞めて昼夜働き、何とか1円でも多く稼がないとならない。
だが、16才のオレは夜間の仕事が出来ない。
どうしよう、どうやったら金を作れるのか…
頭の中はその事で一杯になり、他の事を考える余裕などない。
こんな時、沢渡さんから貰った1000万を使わなければ…後悔した。
もう少し早く母親が見つかったら…
オレは何てバカな事をしたのだろう。
金、金と二言目に言うヤツを見下していたが、まさか自分がそんな思いを強いるなんて考えた事すらない。
どうする?
年齢を18と偽って夜の仕事をするか…
しかし、バレた事を考えると、雇う側はオレを即刻クビにするだろう。
何か方法はないか…
【レンタルボーイ、レンタルガールって仕事があってね】
凜の言葉を思い出した。
ホントにそんなに稼げるのだろうか?
ましてやオレは16才。
登録するにはそれなりの審査が必要だと言ってたはずだ。
凜に連絡先を教えて貰ったが、そんな事をやるつもりは全く無かったので、削除してしまったた。
あれだけ人の借り物にはなりたくない、と言ってたが、背に腹は変えられない。
あの番号を控えておけば良かった。
こうなったらやるしかない…
ただ、どうやってその仕事を探し出せばいいのか。
オレはパソコンで、【レンタルボーイ レンタルガール】と検索してみた。
勿論載っているハズが無い。
裏の仕事だから、簡単に検索出来るようにはなっていない。
どうする、どうやったら調べられるのだろうか?
オレは色々と考えた。もしかして、沢渡さんなら知ってるかもしれない。
あの人は裏の世界も知り尽くして、それなりに顔が利くと以前、母が言っていたのを思い出した。
オレは沢渡さんに連絡を入れた。
【はい、もしもし】
「あ、もしもし、亮輔です」
【あぁ、亮輔くん、どうした?お母さんの事かな?】
「えぇ、まぁそうなんですが…」
【お母さんはとりあえず病院にしばらく入院だ。面会なんてまだまだ無理な状態だよ】
「いえ、その事ではないんです」
【ん?じゃあ何かな?】
「あの…」
オレは少し躊躇ったが、致し方ない、聞くしかない。
「沢渡さん、レンタルボーイというのをご存知ですか?」
【…】
沢渡さんがしばし無言になった。
もしかしたら、マズい事を聞いてしまったのかもしれない。
【亮輔くん…】
「はい」
【君が立ち入る世界じゃない。これは私からの忠告だ。
君は真っ当に仕事して欲しい】
そんなに恐ろしいとこなのか…
「ですが、母の治療費を払うにはそれしかないんです」
【亮輔くんにこの前渡した金があるじゃないか。君はあんな世界に足を踏み入れてはいけない】
困ったな…まさか全部使いましたなんて言いづらい。
【亮輔くん、まさかもうあの金を使いきったワケじゃないだろうな?】
…素直に言うしかない。
「はい。実はもう使い果たしました」
【バカな!一体何をして、こんな短期間で全部使いきったんだ?】
「その事についてじっくりとお話ししたいのですが…」
【…どんな理由があるにせよ、君の為にコツコツと貯めた金を全部使いきるなんて…何があったんだ?】
「…ですから、その事についてお話ししたいので」
【仕方ない。確か学校が終わるのは21:00頃だったね?】
「ええ、そうです」
【では家に着いたら連絡をくれないか?私が君の部屋に行くから】
「はい、分かりました。沢渡さん無理を言って申し訳ありません」
【では、また後で】
沢渡さんに直接聞くしかない…
沢渡さんにはもう頼めない。
かといって、今の仕事では到底無理だ。
どうやったら治療費を捻出出来るのか。
学校を辞めて昼夜働き、何とか1円でも多く稼がないとならない。
だが、16才のオレは夜間の仕事が出来ない。
どうしよう、どうやったら金を作れるのか…
頭の中はその事で一杯になり、他の事を考える余裕などない。
こんな時、沢渡さんから貰った1000万を使わなければ…後悔した。
もう少し早く母親が見つかったら…
オレは何てバカな事をしたのだろう。
金、金と二言目に言うヤツを見下していたが、まさか自分がそんな思いを強いるなんて考えた事すらない。
どうする?
年齢を18と偽って夜の仕事をするか…
しかし、バレた事を考えると、雇う側はオレを即刻クビにするだろう。
何か方法はないか…
【レンタルボーイ、レンタルガールって仕事があってね】
凜の言葉を思い出した。
ホントにそんなに稼げるのだろうか?
ましてやオレは16才。
登録するにはそれなりの審査が必要だと言ってたはずだ。
凜に連絡先を教えて貰ったが、そんな事をやるつもりは全く無かったので、削除してしまったた。
あれだけ人の借り物にはなりたくない、と言ってたが、背に腹は変えられない。
あの番号を控えておけば良かった。
こうなったらやるしかない…
ただ、どうやってその仕事を探し出せばいいのか。
オレはパソコンで、【レンタルボーイ レンタルガール】と検索してみた。
勿論載っているハズが無い。
裏の仕事だから、簡単に検索出来るようにはなっていない。
どうする、どうやったら調べられるのだろうか?
オレは色々と考えた。もしかして、沢渡さんなら知ってるかもしれない。
あの人は裏の世界も知り尽くして、それなりに顔が利くと以前、母が言っていたのを思い出した。
オレは沢渡さんに連絡を入れた。
【はい、もしもし】
「あ、もしもし、亮輔です」
【あぁ、亮輔くん、どうした?お母さんの事かな?】
「えぇ、まぁそうなんですが…」
【お母さんはとりあえず病院にしばらく入院だ。面会なんてまだまだ無理な状態だよ】
「いえ、その事ではないんです」
【ん?じゃあ何かな?】
「あの…」
オレは少し躊躇ったが、致し方ない、聞くしかない。
「沢渡さん、レンタルボーイというのをご存知ですか?」
【…】
沢渡さんがしばし無言になった。
もしかしたら、マズい事を聞いてしまったのかもしれない。
【亮輔くん…】
「はい」
【君が立ち入る世界じゃない。これは私からの忠告だ。
君は真っ当に仕事して欲しい】
そんなに恐ろしいとこなのか…
「ですが、母の治療費を払うにはそれしかないんです」
【亮輔くんにこの前渡した金があるじゃないか。君はあんな世界に足を踏み入れてはいけない】
困ったな…まさか全部使いましたなんて言いづらい。
【亮輔くん、まさかもうあの金を使いきったワケじゃないだろうな?】
…素直に言うしかない。
「はい。実はもう使い果たしました」
【バカな!一体何をして、こんな短期間で全部使いきったんだ?】
「その事についてじっくりとお話ししたいのですが…」
【…どんな理由があるにせよ、君の為にコツコツと貯めた金を全部使いきるなんて…何があったんだ?】
「…ですから、その事についてお話ししたいので」
【仕方ない。確か学校が終わるのは21:00頃だったね?】
「ええ、そうです」
【では家に着いたら連絡をくれないか?私が君の部屋に行くから】
「はい、分かりました。沢渡さん無理を言って申し訳ありません」
【では、また後で】
沢渡さんに直接聞くしかない…
0
お気に入りに追加
116
あなたにおすすめの小説
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
下品な男に下品に調教される清楚だった図書委員の話
神谷 愛
恋愛
クラスで目立つこともない彼女。半ば押し付けれられる形でなった図書委員の仕事のなかで出会った体育教師に堕とされる話。
つまらない学校、つまらない日常の中の唯一のスパイスである体育教師に身も心も墜ちていくハートフルストーリー。ある時は図書室で、ある時は職員室で、様々な場所で繰り広げられる終わりのない蜜月の軌跡。
歪んだ愛と実らぬ恋の衝突
ノクターンノベルズにもある
☆とブックマークをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
13歳女子は男友達のためヌードモデルになる
矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる