快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体

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新たな出発

初体験

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沢渡さんから受け取った1000万のうち、150万を鴨志田の墓に費やした。

残りは850万。

何に使おうか。
一日でも早く使い切りたかった。

恵まれない人達へ寄付という事を思いついたが、こんな汚れた金を寄付されたら、その人たちまでが不幸になってしまいそうで、躊躇した。

棄てるか、燃やすか。

後々面倒な事になりそうなので、結局使い切る事にした。

じゃあ、どうやって使い切るか。
形に残るような金の使い方はせず、何も残らない様に使い切りたい。
そうなると、飲食やギャンブル。そして風俗。


オレは今日16才の誕生日を迎えた。

とは言え、16になりたてのオレがギャンブルや風俗等行けるはずも無い。

いや、年齢を18に偽れば、風俗ぐらいは行けるだろう。

いくら18才未満お断りと言っても、金を出せば目をつぶってくれるだろう。

ギャンブルには興味は無いし、母が姿を消して以来、そういう事を全くしていない。

おまけに初めて夢精を経験した。

性欲を満たすために、ひたすら風俗で金を使おう、そう決めてオレは繁華街を彷徨いた。


かつて鴨志田が働いたソープランドの店がある。

行ってみよう、既にオレの下半身は勃起していた。

「お客様、失礼ですが、年齢はおいくつですか?」

案の定、店員が年齢を聞いてきた。

「え、18だけど。干支は酉年、誕生日は今日。18になった記念に行ってみようと思って。ダメなの?」

オレは堂々と答えた。
しどろもどろになれば怪しまれる。

「そうでしたか。ではこちらへどうぞ」

案外すんなりと入れた。

「何せこういうとこ初めてなもんで、出来るだけ人気のある娘がいいんだけど」

店員に好みを告げた。

「少々お待ち下さい」

店員は写真を数名持ってきた。

「今すぐに可能なのは、このジュリアって娘とあんなという娘です」

オレは写真をよく見た。
ジュリアという娘はスレンダーで、あんなという娘はグラマラスな感じの娘だった。

母や鴨志田が豊満な肉体の持ち主だったせいか、どうしても豊満な肉体を求めてしまう。

「じゃあ、このあんなって娘で」

「畏まりました。ではこちらの部屋でお待ち下さい」

個室に通され、あんなが来るのを待った。

「失礼します」

ガチャっとドアが開き、あんなが現れた。

「はぁ?」

思わず声を上げた。

全然写真と違うじゃないか!

豊満を通り越して、肥満だ!

この時点で既にオレの下半身は萎えた。

「お客さん随分若いけど、こういう所は初めて?」

あんなはオレの服を脱がしながら聞いてきた。
よく見ると、目尻にシワがある。

コイツ一体何歳なんだろう。

「まぁ、一応18だけど」

オレは全くヤル気にならなかった。

オレを全裸にして、いきなりフェラをしてきた。

だが、母親や鴨志田がしていたフェラと違い、気持ち良く無い。

シラケきったまま、時間になった。

勿論射精はしてない。

「お兄さん初めてだから緊張したのかな?よくある事なんだけど、次は大丈夫よ」

何が大丈夫なんだ。

帰り際にあんなの名刺をもらったが、店を出て、ビリビリに破いて捨てた。

風俗ってこんなもんか。

母と毎夜、互いの身体を貪り合っていた頃が懐かしい。

身体の相性も良かった。
オレに色んなテクニックを教えてくれて、オレも母親のテクニックで何度もイカされた。

そういうのを期待していたのだが、あれじゃ無理だ。

ムダな金使っちまったな…
いや、これでいいんだ。
ムダな金をもっと使おう。

こんな調子で、昼間は働き、夕方から学校に通い、その帰りは必ず風俗に寄った。

だが、どれもこれもオレの想像していたものとは違って、母を越えるような風俗嬢はいなかった。

それでも早く金を使いきりたいが為に、毎夜風俗へ行った。
虚しい思いをしながらも。
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