Baseball Freak 主砲の一振り 7

交流戦真っ只中

グチャグチャ

試合は案の定、ウォーリアーズのバラバラなチームワークが露呈された。

守備の際にカバーに入らない、外野に打球が飛べば、中継プレーをせずに強肩を自慢したいがために、ダイレクトに本塁へ送球するのだが、山なりの送球ではランナーは刺せない。


エースの小向はそんなバックは信じられないとばかりに、三振を狙うピッチングを披露するも、甘く入ったコースをGlanzナインは見逃さず痛打される始末。


攻撃面では、ノーアウトランナー一塁という場面で下位打線となれば、進塁打を放ってランナーを進めるのがセオリーだが、過信したバッティングのせいか、強攻策が裏目に出てゲッツーでチャンスすらモノに出来ない始末。



これでは点は取れないし、失点も重なるの悪循環に陥り、結局12対1という超ワンサイドゲームでGlanzが圧勝。


片山は2安打1失点の完投で6勝目をマーク。


石川の5号6号の2打席連続ホームラン、クロフォードの第11号グランドスラム、比村の第4号スリーランと一発攻勢でウォーリアーズを完膚なきまでに叩きのめした。


ウォーリアーズは松井の中前打と渡瀬の第3号ソロの2安打のみ。



「この調子じゃ、明日も明後日も打線爆発で圧勝じゃねぇか」


「そうなるといいんだがな」


「んだな(^-^)」


そんな会話をしていると、榊がある事を閃いた。


「明日と明後日は控えのメンバーをスタメンにしてみようか」


「なぬっ？」


「私もそれがいいと思いますち！」


珍しくひろしまでも賛成する。





翌日の第2戦はGlanzが中継ぎの梅澤、ウォーリアーズは左腕の三上が先発。


ウォーリアーズは昨日同様のスタメンだが、Glanzは大幅にスタメンを替えた。


1 (遊) 岡本 30
2 (二) 蒲生 53
3 (指) 城戸 6
4 (三) 小早川 33
5 (中) 御子柴 45
6 (右) 藤村 46
7 (一) 庵野 4
8 (捕) 七海 36
9 (左) 常磐 38


(投) 梅澤 11



ウォーリアーズ相手に主力選手を出すまでもない、控えの連中で十分だ！と言わんばかりのオーダーだ。


ウォーリアーズを挑発していると言っても過言ではない。



このスタメン発表にウォーリアーズナインは激昂。



「舐めやがって！」


「そのメンバーで勝てるとでも思ってるのか！」


「喧嘩売ってんのか！」


本拠地でしかも、控えのメンバー相手に敗けたら札幌のファンからは野次が飛ぶどころか、下手すれば暴動が起きかねない。


事実、ススキノドーム内は異様な空気に包まれた。


このメンツで敗けたら…


ファンも舐められたように感じる。




そんな空気の中、試合はスタートした。


案の定、というか、当然といった展開なのか、ウォーリアーズナインは個人プレーに固執するあまり、ミスを連発。


カッコイイところを見せようと、無理な体勢から送球するが、ボールが逸れてしまう。

本来ならば、それをカバーする選手がいるのだが、何でそんな面倒な事しなきゃならないのだ？

キチンと投げないヤツが悪いし、それをちゃんと捕らないヤツが悪いとばかりにフォローをするつもりも無い。



こんな調子だから失点を重ね、勝てる試合も落としてしまう始末。



結局、第2戦も0対6でGlanzが連勝。


本塁打こそ無かったが、Glanzは繋げるバッティングで6回に一挙4点を奪い勝負を決めた。