Baseball Freak 主砲の一振り 7

交流戦真っ只中

バラバラ

この日の先発は、Glanzが左のエース片山、対するウォーリアーズはエースの小向。


両軍のスターティングメンバー。


Glanz


1 (二) 石川 8
2 (左) 徳川 23
3 (一) 菅原 3
4 (遊) 白石 5
5 (右) 眞田 25
6 (中) ｸﾛﾌｫｰﾄﾞ24
7 (指) 森高 7
8 (三) 乃木 10
9 (捕) 比村 27


  (投) 片山 19


Glanzは徳川をレフトに、菅原をファーストに入れ替える。

体調不良から復帰した森高は指名打者として出場。


代わりにライトには眞田が座る。


先発の片山はここまで5勝1敗、防御率3.22の成績。


先発陣で最も安定したピッチングを誇る。




ウォーリアーズ


1 (三) 川田 9
2 (中) 友部 31
3 (一) 岡崎 2
4 (左) 松井 3
5 (指) ネビン 51
6 (遊) 渡瀬 4
7 (捕) 皆藤 10
8 (右) 水野 6
9 (二) 村瀬 1


  (投) 小向 20


チームワークがガタガタなウォーリアーズだが、注目すべき選手は3番岡崎 4番松井 5番ネビンのクリーンアップ。


岡崎は右のアベレージヒッターで、長打は少ないものの、右方向へのバッティングには定評がある。


5番のネビンは1発もある左の中距離打者。

現在打率.287でチーム2位の打率。


そして1番の要注意は4番の松井。


天性のアーチストと呼ばれ、滞空時間の長い本塁打を打つのが特徴。


毎シーズン25本をマークし、ウォーリアーズ生え抜きの長距離砲としてチームを支える。



エースの小向は右のアンダーハンドから投げる浮き上がる真っ直ぐとカーブ、スライダーを駆使してゴロを打たせるタイプ。


防御率は2.65と安定しているが、3勝7敗と中々勝ち星に恵まれない。


それは野手が原因で、個人プレーばかりの守備で失点するケースが多い。


小向は来シーズンにFA権を取得する予定。

間違いなく行使して他球団へ移るだろうという予想がされる。



間もなく試合がスタートする。

ウォーリアーズの内野陣は各々守備につくが、ボール回し等を一切せず、試合が始まるのを待つ。


外野陣は更に酷く、ライトの水野はグラブを頭に乗せて座り込んでいる。



「ヤル気の無ぇ連中だな。コイツらこれでもプロかよ」


榊は呆れた表情を浮かべる。


「よくこれで東地区の3位をキープ出来たもんだ」


中田は首を傾げる。



「選手個人の能力はそれ程悪くなく、むしろ高い方ですち！」


ひろしの言う通り、個々の能力は水準よりも高い。


だが、仲が悪いせいか、チームプレーを全くせず、俺が俺がと個人プレーの走る為に失点を重ねるケースが多い。



ウォーリアーズの監督は今年就任した丹生 敏光(にぶとしみつ)


マーリンズ、ドルフィンズ、ウォーリアーズでプレーした内野手。

現役時代は主に代走や守備固めとして試合に出場し、時には外野も守るユーティリティプレーヤー。


28歳で現役を退き、その後はドジャースの二軍コーチを皮切りに、KINGDOM、マーリンズ、レッズと渡り歩き、3年前にウォーリアーズの一軍守備走塁コーチに就任し、今年から監督に昇格。


丹生は敢えてバラバラなチームを立て直す事はせず、今年はチーム内の膿を出し切り、来季以降から本格的に改善していく構想だ。


「選手も選手なら、監督も監督だな」


こんなチームに負けるわけがない、榊は嫌悪感を示す。