Baseball Freak 主砲の一振り 7

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交流戦真っ只中

球団一仲の悪いチーム

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新潟から北海道へ移動したGlanz。

札幌ススキノドームで本日からウォーリアーズとの三連戦がスタートする。


ウォーリアーズは現在アポロリーグ東地区の3位。


ススキノドームは昔から本塁打の出にくい球場として知られ、ウォーリアーズは打力よりも投手力を重視するチームだ。



そのせいか、ウォーリアーズのクリーンアップは得点力不足で、他球団のクリーンアップと比較しても見劣る。



長年の課題でもあるが、それ以上に深刻なのは、選手同士の仲が悪い事だ。


ダグアウトでも会話をする事は皆無で、些細な事で言い争いを起こすような険悪な状態。


16球団で1番まとまりの無いチームとも言える。


とは言え、試合になれば彼らはプロとして勝利の為にプレーをする。


もう少しチームワークが改善すれば、KINGDOMやニックスを脅かす存在になるのだが、中々上手くはいかないものだ。




その仲の悪さは相手側ベンチからでもよく分かる。



「何でこんな個人主義なんだ、このチームは?」


三塁側ベンチの榊が首を傾げる。



「特に野手と投手の仲は最悪だという噂だぜ」


隣に座る中田が答えた。


「何が原因なんだ?」


「さぁ?」


理由はハッキリと分からないが、一説によるとエースの小向と主砲の松井が特に犬猿の仲らしく、それがチーム内に知れ渡ると、野手陣は投手陣をボロクソにこき下ろし、投手陣も野手陣に対して苦言を呈するようになり、その事がきっかけでチーム内に不協和音が生じたという。



「こんなチームワークもクソもないヤツらなら、簡単にスイープ出来るな」


「とは言え、向こうもプロだ。
勝つ為には多少のチームワークは必要だろ」


「私わかります(^^)」


ひろしが間に入った。


「ほぉ~、打撃カントク様はお分かりだってのか?」


中田はひろしの頭に肘を置きながら言った。


「んだな(^^)」


「で、何が分かったんだ?」


中田の肘を払い除けながら答えた。


「ウォーリアーズの選手たちはチームプレーというより、個人プレーの集まりですち!」


「個人プレー?」


「良いとこを見せようと、選手一人一人がスタンドプレーをしてますち!」


「野球ってのは団体競技だぜ?個人プレーなんかじゃ勝てっこねぇだろうが」


勿論だ。


「それでも、個人プレーが上手く噛み合って奇跡的に3位という位置にいるみたいですち!」


「そう何度も上手く噛み合わないだろう」


「ですから、噛み合わない事も多く、3位という位置にいるみたいですち!」


「…」


という事らしい。


つまりは、個人プレーの集まりで上手くハマれば脅威なのだが、ガタガタになる場面が殆どだ。


故に、中々上位に食い込む事は難しいというワケだ。



「コイツら、野球をなんだと思ってんだろ」


「知らね。ただ言えるのは、いつ空中分解してもおかしくないチームなんかに負けるワケにはいかねぇって事だ」



一塁側ベンチでは、ウォーリアーズ選手たちは目も合わせず、黙々と試合の準備をしていた。
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