Baseball Freak 主砲の一振り 7

過酷なペナントレース

起死回生といくか？

翌日、Glanzナインは第2球場の横浜シーサイドパークにて、千葉ヤンキースとの連戦がスタートした。

先発はヤンキースが左腕の澁谷、Glanzは変幻自在の右腕、皐月。


この日、Glanzはスタメンを大幅に入れ替えた。


1 (左) 藤村 46
2 (一) 小津 51
3 (三) 小早川 33
4 (指) 眞田 25
5 (右) 城戸 6
6 (中) 御子柴 45
7 (捕) 七海 36
8 (二) 蒲生 53
9 (遊) 岡本 30

(投) 皐月 20


このスタメンでは主力メンバーと比較してもかなり攻撃力が落ちる。


だが、ひろしが提案した【序盤中盤は攻撃よりも守り】を重視したメンバーによって組まれた打線だ。


それだけではない。


このスタメンは守備力以外にも走力も高く、機動力を生かした攻撃が可能となる。


そんな中、ひろしがポイントゲッターとして期待するのは、4番眞田、5番城戸の2人だ。


眞田のキャリアハイは5年目に記録した、打率.326 本塁打27 打点89 盗塁22 出塁率.388 OPS.901

慢性的な腰痛に悩まされ、フルイニング出場は困難だが、今年30歳になったばかりでまだまだ期待が持てる。


FAで移籍した城戸も不振と相次ぐ故障で本来の力を発揮出来ないでいるが、かつては盗塁王、最多安打を記録し、ゴールドグラブ賞を何度も受賞した名手。


ひろしはこの2人に期待を寄せる。



午後6時に試合はスタートした。


先発皐月は師と仰ぐ真咲直伝の緩急自在なピッチングで初回を三者凡退に抑える。


ヤンキース先発澁谷は立ち上がりやや不安で先頭打者の藤村をフォアボールで歩かせる。


すると、次の打者小津の2球目に藤村は二盗を決める。


強肩捕手与那嶺の送球も間に合わず二塁を陥れた。


ここで小津は初回からまさかの送りバントを決め、藤村は三塁へ。


ワンアウト三塁という得点の場面で3番小早川。


外野フライを打てば藤村は楽々ホームを踏む事が出来るのだが、ここはジックリと澁谷の球を見る。


立ち上がり不安な澁谷はまたもやフォアボールを献上。


すると、与那嶺を含めた内野陣がマウンドに集まる。


「テメー、初回から2つもフォアボール出してんじゃねぇよ！」


「あんな控えのヤツらに何ビビってんだよ！」


「うるせぇ！指の引っかかりが悪いだけだ！こっから先は0に抑えるから、黙って見とけ！」


「点取られたら、ソッコーでマウンド降りろよな！」


澁谷を励ますどころか、内野陣は総攻撃で罵倒する。



「やってやろーじゃねぇか！その代わり、0に抑えたらテメーらボッコボコにしてやんよ！」


「やれるものなら、やってみろコラァ！」


一触即発の状態だ。


元々は手に負えないヤンキーだった連中。


ケンカは日常茶飯事で、チームワークは最初からバラバラだ。