Baseball Freak 主砲の一振り 7

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新生Glanz

天才揃い対大エース2

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徳川が三球三振に倒れツーアウト。

続くは3番の菅原。

Glanzが1番期待を寄せるバッターだ。


鮮やかなブルーのユニフォームに身を包み、背番号3が燦然と輝く。


ここまでの成績は打率.304 本塁打4 打点18 盗塁3 出塁率はリーグトップの.427をマーク。


178cmと決して大きくないが、逆三角形の上半身のお陰で大きく見える。


オマケにユニフォームの着こなしも良く、スラッガーとしての貫禄も兼ね備えている。


昨年天海との対戦は、2打数2安打と菅原が打ち勝っているが、完全復活した今年の天海とは別人と思った方が良い。


「しかしまぁ…こうもバケモノ揃いだと、投げる方はめっちゃシンドいやろな」


流石の天海もGlanzの上位打線には細心の注意を払う。


「けどなぁ…オレの方がプロでメシ食ってる時間が長いんやで。」


長きにわたり、球界のエースとして君臨してきた天海は菅原にプロの厳しさを教えるつもりだ。


(この場面はアイツにリードさせてみよか)


矢幡は天海に任せると合図をする。


「ほぉ~、オレに任せるんかい。
こりゃ、おもろくなるで」


ニヤッと笑みを浮かべた。


「こういう相手に小細工してもおもろない。
勝負するなら、真っ向勝負だ!」


矢幡がやや内よりにミットを構えた。


ノーワインドアップから初球を投げた。


ゴォォォ…と唸りを上げそうな勢いのボールがインコースに決まった。


「ストライクワンっ!」


球速は164 km/hをマーク。


「…速いな」


菅原はボソッと呟く。


だが、その表情は淡々としている。


「余裕で見逃したな」


天海は勝負を楽しんでいる。


今は野球が楽しくて仕方ないといった様子だ。


「久々にワクワクしてくるな、ホンマに」


更にギアをあげる。


2球目、少しスピードを落としたバレットがやや外れボールワン。


3球目は162 km/hのバレット。

菅原はこれを上手くカットする。

「ファール!」


カウントはワンボール ツーストライク。


(遊び球は?)


天海の表情は次も勝負だと言う顔をしている。


(アイツに任せるって決めたんや。アイツの好きにさせなアカン)


矢幡はただミットを構えるだけ。


余計な口出しは無理という事か。


(この球打てるモンなら、打ってみぃ!)


4球目を投げた。


全球バレットだ。


(コースが甘い)


菅原は捕らえたと思った。


「エッ…」


だが、ボールは速度を落とさずに外へ鋭く変化した。


バットが空を切る。


「ストライクアウトっ!」


「曲がった…信じられない」


菅原はスイングしたまま動きが固まる。


「ヨッシャ、これでチェンジや」


天海の投じたボールは、165 km/hのツーシームだった。


軌道は途中まで通常のバレットと変わらないが、ベース手前で生き物の様に外へ動いた。


フォーシームバレットに加え、ツーシームバレットを組み合わせた配球。


「コリャ、難攻不落だなぁ~」


ベンチでは榊がお手上げといった表情だ。


1回の裏、Glanzの攻撃は三者凡退で終了した。
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