Baseball Freak 主砲の一振り 7

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そして開幕

第三のリーグ始動！

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他球団の試合は、

東北マーリンズ対千葉ヤンキース。

名古屋99ers対北陸United。

甲府ブレーブス対京都Super Phoenix

中でも、北陸Unitedの開幕投手はマーリンズから移籍した天海昴が初回三者連続三振に抑えるピッチング。

マスクを被るのは、大阪ドルフィンズからFA移籍した矢幡聖。

このバッテリーがSuper Phoenix打線を完全に封じた。

Unitedは天海、矢幡以外にも、昨年レッズで4番を打ってた生え抜きの馬場、新外国人ジークと左右の大砲が控え、開幕スタメンを果たしたルーキー望月が1番ライトで出場し、初打席初安打を記録している。

そして開幕戦の裏では、第三のリーグである、グローバルリーグが所属する8球団名称を発表した。

東地区は、

北海道函館市に本拠地を置く、函館ペンタゴン。

宮城県仙台市を本拠地とする、仙台フィッシャーズ。

群馬県高崎市を本拠地とする、高崎アイアンホース。

神奈川県横浜市を本拠地とする、横浜シードラゴン。

西地区は、兵庫県神戸市を本拠地とする、神戸-BC(ベースボールクラブ)

広島県広島市を本拠地に置く、広島ネクサス。

高知県高知市を本拠地とする、高知スキップジャック。

宮崎県日南市に本拠地を置く、日南インディゴブルー。

各新球団は1年後の開幕に向け、下準備が行われる。

誰を監督にするか？

誰をコーチにするか？

拡張ドラフトではどの選手を指名するか？

その為には、どれだけの資金が必要となるか？

フロントは今から根回しをしなければならない。

来年は三リーグ、24球団に増えるプロ野球。

群雄割拠の時代に突入しつつある。

舞台を横浜シーサイドパークに戻すと、Dodgers先発及川の投げた第1球が161 km/hと表示され、場内がどよめく。

昨年よりも球速がアップし、球威も増している。

これはヤバイぞ、とばかりに石川はバットを短く持って対応する。

そして2球目、今度はスピードを抑えたストレート。

(チェンジアップ…？)

石川はそう思ったが、142 km/hのフォーシームにタイミングが合わず見送る。

「ストライクツーっ！」

161 km/hの次は142 km/hのストレートと、及川はストレートの速度を意図的に投げ分けている。

これはバッターにとってはかなり厄介だ。

しかも、フォームが全く変わらずに投じてくる為、数種類のストレートを操るという事だ。

(何だ、ありゃ？スピードは無いけど、単なる棒球ではないな)

球速を変え、しかも回転数まで変える事の出来るストレートとなれば、打ち返すのは至難の技だ。

キャッチャーの保坂がサインを出す。

及川は頷き、3球目を投げた。

今度こそ速球と思い、早めにバットを出した。

(エッ…)

2球目よりも更に遅いストレートがど真ん中に。

再びタイミングを外された石川のバットが空を切る。

「ストライクアウトっ！」

「今のもストレートかよ？」

目を白黒させる。

球速は134 km/hと表示されている。

及川は三種類のストレートで三球三振を奪った。

「ストレートを投げ分けるとはな…あのヤロー、単なる二刀流とはワケが違うぜ」

榊の顔色が一変した。

「私わかります(^-^)」

「ほぉ～、何が分かるんだよ」

「及川選手は手首で球速を操っているですち！」

ひろしの言う通り、及川は投球フォームは同じだが、リリース直前に手首だけでストレートの球速を変えていた。

「だとすると…点を取るのはかなり難しいんじゃないか」

「んだな(^ ^)」

「んだな(^ ^)じゃねぇっ！」

バシッ…

すかさず頭を叩いた。

「痛いですち(><)」

「だったら、早く攻略法見つけろ、ボケっ！」

続くバッターは昨年MVPに輝いた徳川。

打率.363 本塁打53 打点136で打率と本塁打の二冠を獲得した打棒は、今年から2番バッターという重要な打順を任される。

左打席に入り、バットを正面に構える神主打法で逆方向に長打を放つのが徳川の持ち味。

及川はここでもストレートを投げ分け、徳川を翻弄するのか。

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