Baseball Freak 主砲の一振り 7

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追い込み

二軍相手に負けられないというプレッシャー

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続く2戦目も、終盤の逆転劇により、3-5で2連勝を飾る。


【二軍相手に何たる体たらく!】

【レッズも入れ替えるべきだ!】

【最下位とは言え、二軍に連敗するとは何事だ!】


評論家や解説者が挙ってレッズを批判した。


スポーツ紙の見出しも、【情けないぞレッズ!!】という文字が大きく記載されている。


赤っ恥をかいたレッズだが、赤っ恥をかいたのはレッズだけではない。



北陸での連戦を終えたGlanzの二軍メンバーは、舞台を京都に移す。


今夜から西京極フィールドで京都Super Phoenixとの3連戦がスタートする。


先発はGlanzが木戸、Super Phoenixが左腕の助っ人、ハドソン。


Glanzのスターティングメンバー


1 (中) JIN 0
2 (指) 藤村 46
3 (右) 乃木 50
4 (一) 庵野 4
5 (三) 本木 56
6 (左) 菅原 39
7 (遊) 蒲生 53
8 (二) 南野 25
9 (捕) 七海 36


(投) 木戸 17




Super Phoenixのスターティングメンバー


1 (右) 刀根 9
2 (中) 姫野 3
3 (一) 清武 8
4 (指) 飯伏 6
5 (遊) 鷹村 7
6 (左) オートン 44
7 (二) 北斗 5
8 (三) 仁藤 31
9 (捕) 吹石 2


(投)  ハドソン 00


Glanzは乃木、菅原の2人が絶好調。


前節レッズとの3連戦では、共に打率4割、3ホーマーと大暴れ。


藤村、蒲生の俊足コンビが計7盗塁を決め、チャンスを広げた。




対するSuper Phoenixは、破壊力抜群のクリーンアップは相変わらず。


先発ハドソンは今年加入した長身の速球派左腕だが、助っ人にありがちな荒れ球故に狙いを絞るのが困難。



「しかしまぁ、デカイヤツだなぁ。何センチあるんだ?」


ベンチからでもその長身が際立つ。


「196cmあるみたいだぜ」


財前がハドソンのデータを見ている。



「野球やるより、プロレスラーになった方がいいんじゃないのか?」


「乱闘に強そうなガタイだな」



長身に加え、100kgを越える立派な体躯は野球選手というより、プロレスラーの様な風貌だ。


「モーションが大きいな。アレなら、ノーサインで走らせてもいいんじゃないか」


ダイナミックなフォームだが、一つ一つの動作が大きい。


これならグリーンライトで走らせてみよう、榊はそう思った。




【プレーボールっ!】


午後6時、主審の手が上がり試合はスタート。



【1番センターJIN。背番号0】


こちらも190ある長身のJINが左打席に入った。


内外野守れるユーティリティプレーヤーとして重宝されてきたが、近年は不調により二軍生活が長い。



一軍にいる期間は短いが、その間に攻守において猛アピールする絶好の機会でもある。




体格に似て大きなモーションから第1球を投げた。


唸りを上げたフォーシームがアウトコースへ僅かに外れた。


「ボールワンっ!」



球速は154 km/hをマーク。


決してコントロールは良くないが、この速球が回を追うごとにコーナーへバシバシ決まると厄介だ。


再び大きなモーションから2球目を投げた。


今度は真ん中から外に逃げるスライダーだ。


JINはこれを上手くセーフティーバントで三塁側に転がした。



サード仁藤がダッシュでボールに向かうが、ハドソンがそれを上回る程の速さで追いつき、一塁へ送球。


しかし、体勢が崩れたせいで悪送球となり、ファースト清武がグラブを差し出すが、その遙か頭上を越えた。


「fuck!(クソッタレ!)」


ハドソンのエラーで早くもランナー一塁となった。



【2番指名打者 藤村。背番号46】


Glanzが誇るスピードスター藤村が右打席に入る。


先の三連戦では、4度出塁して毎回盗塁を成功させ、レッズバッテリーを苦しめた。



コイツもバント狙いだろう…キャッチャーの吹石は内野陣を前進させゲッツーの体勢に入る。



藤村はバットを短く持っている。



(バント、もしくは右打ちでランナーを進めるバッティングに違いない。
それなら、インコースに力のあるストレートを放ってやれ)


吹石がサインを出した。


ランナーが居ようがお構い無しにワインドアップモーションから初球を投げた。


インコースベルト付近に151 km/hのフォーシームが。



「読み通りっ…」


バットを短く持ったまま、何の迷いもなくフルスイングで捕らえた。



「ウソッ、あれを狙ってたのか?」


まんまと裏をかかれた。


打球はそのままグーン、と伸びてレフトスタンドへ。



「入った…」


指揮を執る榊もベンチから身を乗り出して打球を目で追った。



「ヨッシャ、早くも2点先制だぁ~っ!!」



二軍メンバーの方が点の取り方を知ってるみたいな感じだ。
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