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追い込み
とんでも珍案
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試合は両投手の力投で6回まで0が並ぶ投手戦。
均衡が破れたのは、7回の表。
この回先頭バッターの北斗が左中間を深々と破るツーベースヒットで出塁。
次のバッター仁藤は送りバントで北斗は三塁へ。
9番キャッチャー吹石は今シーズン打率.206とバッティングにやや不安がある。
吹石の次はトップバッターの室井。
ここは吹石勝負と判断。
しかし、この作戦が裏めに出た。
皐月はストレート、ストレート、カーブ、ストレートと攻めるが、中々ストライクが入らず。
そして5球目のカーブが真ん中寄りに入ってしまい、吹石はこれをフルスイング。
打球はグーン、とレフト菅原の頭上を越え、スタンドイン。
吹石の第2号ツーランホームランでSuper Phoenixが待望の先取点を挙げた。
このホームランが決勝点となり、Glanzは0-2の完封負けを喫した。
後半戦6連勝と勢いに乗っていたGlanzだが、ここから徐々に勢いが失速する。
続く第2戦はSuper Phoenixが左の山本、Glanzは東山の先発でスタート。
この試合、先取点を取ったのはGlanz。
2回の裏、森高がバックスクリーン左へ30号ソロを放つ。
しかし、6回にSuper Phoenixが姫野、清武のアベックアーチで逆転。
Glanzもその裏に菅原のタイムリーで同点に追いつくが、8回には吹石、刀根の連続タイムリーで逆転。
GlanzはSuper Phoenixのリリーフ陣を打ち崩せず、2-4で連敗。
「何だコリャ?6連勝の後は連敗かよ?」
一時の勢いに比べ、攻撃が淡白になってきたような気がする。
「私わかります(^_^)」
ひろしがいつものように口を挟む。
「ハイハイ、何でも言ってください」
毎回イラッとするが、その都度ギャーギャー言っても疲れるだけだ、と榊は聞き流すようにした。
「この暑さで選手が参ってしまってますち!
やはり、夏は野球をするべきではないですち!」
「バカヤローっ!じゃ、何か?夏の間だけ、休んでろって事か?あぁ?」
「んだな(^_^)」
「この、間抜けヤローめ!」
バシッ…
思いっきり頭を引っぱたいた。
「痛っ…ムッシュ、いきなり頭を叩かないでくださいち!」
「喧しいわっ!暑いのは皆一緒だ!この夏を乗り越えてこそ、優勝の二文字が見えてくるんじゃないのか、えぇ?」
「違いますち!休むのもプレーのうちですち!」
「屁理屈言うなっ!」
ドガッ…
「ギャピーっ!!」
垂直にDDTをお見舞いした。
「明日からは再び連勝街道まっしぐらだぜっ!」
明日からは秋田県でマーリンズとの三連戦に挑む。
だがこの三連戦も連敗を喫し、2位マーリンズとのゲーム差はあっという間に3まで縮まった。
「オイオイ、マジでこの暑さにやられたのかよ?」
「んだな(^_^)」
「オメーに聞いてねぇよ!」
「とは言え、この暑さは異常だぜ、カントク」
財前が指摘する通り、この夏の気温は例年に比べてかなり暑い。
夜になっても30℃を下回る事は殆ど無い。
いくらプロだからと言っても、暑さには耐えられない。
「しばらくの間、主力選手を休ませて体力の温存させる方がいいですち!」
「何かそんな気がしてきたなぁ」
「ウソだろ?そんな事したら、試合はどうなるんだよ?」
「主力選手を登録抹消させて、二軍の選手と入れ替えたらどうだ?」
とんでもない提案だ。
「アホか!そんな事したら、あっという間に首位から転落しちまうじゃねぇか!」
「やってみなきゃ分かんねぇじゃん?」
「んだな(^ ^)」
二人は入れ替え案に賛成だ。
「二軍の連中なんかに任せたら、バカスカ点を取られて、最下位になっちまうゎ!」
「いや、案外善戦するかもよ」
「んだな(^_^)」
「…ホントかよ」
確かに主力選手をここまで酷使すれば、終盤一気に疲れがドッと出る可能性が高い。
ここで休ませておけば、ペナント終盤の優勝争いに競り勝つ事もあるだろう。
「う~ん…ヨシ、分かった!その案、受け入れよう!」
というワケで、この日から主力選手が登録抹消となり、代わりに二軍の選手たちが一軍に昇格となった。
均衡が破れたのは、7回の表。
この回先頭バッターの北斗が左中間を深々と破るツーベースヒットで出塁。
次のバッター仁藤は送りバントで北斗は三塁へ。
9番キャッチャー吹石は今シーズン打率.206とバッティングにやや不安がある。
吹石の次はトップバッターの室井。
ここは吹石勝負と判断。
しかし、この作戦が裏めに出た。
皐月はストレート、ストレート、カーブ、ストレートと攻めるが、中々ストライクが入らず。
そして5球目のカーブが真ん中寄りに入ってしまい、吹石はこれをフルスイング。
打球はグーン、とレフト菅原の頭上を越え、スタンドイン。
吹石の第2号ツーランホームランでSuper Phoenixが待望の先取点を挙げた。
このホームランが決勝点となり、Glanzは0-2の完封負けを喫した。
後半戦6連勝と勢いに乗っていたGlanzだが、ここから徐々に勢いが失速する。
続く第2戦はSuper Phoenixが左の山本、Glanzは東山の先発でスタート。
この試合、先取点を取ったのはGlanz。
2回の裏、森高がバックスクリーン左へ30号ソロを放つ。
しかし、6回にSuper Phoenixが姫野、清武のアベックアーチで逆転。
Glanzもその裏に菅原のタイムリーで同点に追いつくが、8回には吹石、刀根の連続タイムリーで逆転。
GlanzはSuper Phoenixのリリーフ陣を打ち崩せず、2-4で連敗。
「何だコリャ?6連勝の後は連敗かよ?」
一時の勢いに比べ、攻撃が淡白になってきたような気がする。
「私わかります(^_^)」
ひろしがいつものように口を挟む。
「ハイハイ、何でも言ってください」
毎回イラッとするが、その都度ギャーギャー言っても疲れるだけだ、と榊は聞き流すようにした。
「この暑さで選手が参ってしまってますち!
やはり、夏は野球をするべきではないですち!」
「バカヤローっ!じゃ、何か?夏の間だけ、休んでろって事か?あぁ?」
「んだな(^_^)」
「この、間抜けヤローめ!」
バシッ…
思いっきり頭を引っぱたいた。
「痛っ…ムッシュ、いきなり頭を叩かないでくださいち!」
「喧しいわっ!暑いのは皆一緒だ!この夏を乗り越えてこそ、優勝の二文字が見えてくるんじゃないのか、えぇ?」
「違いますち!休むのもプレーのうちですち!」
「屁理屈言うなっ!」
ドガッ…
「ギャピーっ!!」
垂直にDDTをお見舞いした。
「明日からは再び連勝街道まっしぐらだぜっ!」
明日からは秋田県でマーリンズとの三連戦に挑む。
だがこの三連戦も連敗を喫し、2位マーリンズとのゲーム差はあっという間に3まで縮まった。
「オイオイ、マジでこの暑さにやられたのかよ?」
「んだな(^_^)」
「オメーに聞いてねぇよ!」
「とは言え、この暑さは異常だぜ、カントク」
財前が指摘する通り、この夏の気温は例年に比べてかなり暑い。
夜になっても30℃を下回る事は殆ど無い。
いくらプロだからと言っても、暑さには耐えられない。
「しばらくの間、主力選手を休ませて体力の温存させる方がいいですち!」
「何かそんな気がしてきたなぁ」
「ウソだろ?そんな事したら、試合はどうなるんだよ?」
「主力選手を登録抹消させて、二軍の選手と入れ替えたらどうだ?」
とんでもない提案だ。
「アホか!そんな事したら、あっという間に首位から転落しちまうじゃねぇか!」
「やってみなきゃ分かんねぇじゃん?」
「んだな(^ ^)」
二人は入れ替え案に賛成だ。
「二軍の連中なんかに任せたら、バカスカ点を取られて、最下位になっちまうゎ!」
「いや、案外善戦するかもよ」
「んだな(^_^)」
「…ホントかよ」
確かに主力選手をここまで酷使すれば、終盤一気に疲れがドッと出る可能性が高い。
ここで休ませておけば、ペナント終盤の優勝争いに競り勝つ事もあるだろう。
「う~ん…ヨシ、分かった!その案、受け入れよう!」
というワケで、この日から主力選手が登録抹消となり、代わりに二軍の選手たちが一軍に昇格となった。
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