Baseball Freak 主砲の一振り 7

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追い込み

とんでも珍案

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試合は両投手の力投で6回まで0が並ぶ投手戦。

均衡が破れたのは、7回の表。

この回先頭バッターの北斗が左中間を深々と破るツーベースヒットで出塁。



次のバッター仁藤は送りバントで北斗は三塁へ。


9番キャッチャー吹石は今シーズン打率.206とバッティングにやや不安がある。


吹石の次はトップバッターの室井。


ここは吹石勝負と判断。


しかし、この作戦が裏めに出た。


皐月はストレート、ストレート、カーブ、ストレートと攻めるが、中々ストライクが入らず。


そして5球目のカーブが真ん中寄りに入ってしまい、吹石はこれをフルスイング。


打球はグーン、とレフト菅原の頭上を越え、スタンドイン。


吹石の第2号ツーランホームランでSuper Phoenixが待望の先取点を挙げた。


このホームランが決勝点となり、Glanzは0-2の完封負けを喫した。


後半戦6連勝と勢いに乗っていたGlanzだが、ここから徐々に勢いが失速する。



続く第2戦はSuper Phoenixが左の山本、Glanzは東山の先発でスタート。


この試合、先取点を取ったのはGlanz。


2回の裏、森高がバックスクリーン左へ30号ソロを放つ。


しかし、6回にSuper Phoenixが姫野、清武のアベックアーチで逆転。


Glanzもその裏に菅原のタイムリーで同点に追いつくが、8回には吹石、刀根の連続タイムリーで逆転。


GlanzはSuper Phoenixのリリーフ陣を打ち崩せず、2-4で連敗。



「何だコリャ?6連勝の後は連敗かよ?」


一時の勢いに比べ、攻撃が淡白になってきたような気がする。


「私わかります(^_^)」


ひろしがいつものように口を挟む。


「ハイハイ、何でも言ってください」


毎回イラッとするが、その都度ギャーギャー言っても疲れるだけだ、と榊は聞き流すようにした。


「この暑さで選手が参ってしまってますち!
やはり、夏は野球をするべきではないですち!」


「バカヤローっ!じゃ、何か?夏の間だけ、休んでろって事か?あぁ?」


「んだな(^_^)」


「この、間抜けヤローめ!」



バシッ…


思いっきり頭を引っぱたいた。



「痛っ…ムッシュ、いきなり頭を叩かないでくださいち!」


「喧しいわっ!暑いのは皆一緒だ!この夏を乗り越えてこそ、優勝の二文字が見えてくるんじゃないのか、えぇ?」


「違いますち!休むのもプレーのうちですち!」


「屁理屈言うなっ!」


ドガッ…


「ギャピーっ!!」


垂直にDDTをお見舞いした。



「明日からは再び連勝街道まっしぐらだぜっ!」



明日からは秋田県でマーリンズとの三連戦に挑む。





だがこの三連戦も連敗を喫し、2位マーリンズとのゲーム差はあっという間に3まで縮まった。



「オイオイ、マジでこの暑さにやられたのかよ?」


「んだな(^_^)」


「オメーに聞いてねぇよ!」


「とは言え、この暑さは異常だぜ、カントク」


財前が指摘する通り、この夏の気温は例年に比べてかなり暑い。


夜になっても30℃を下回る事は殆ど無い。


いくらプロだからと言っても、暑さには耐えられない。



「しばらくの間、主力選手を休ませて体力の温存させる方がいいですち!」



「何かそんな気がしてきたなぁ」


「ウソだろ?そんな事したら、試合はどうなるんだよ?」


「主力選手を登録抹消させて、二軍の選手と入れ替えたらどうだ?」


とんでもない提案だ。



「アホか!そんな事したら、あっという間に首位から転落しちまうじゃねぇか!」


「やってみなきゃ分かんねぇじゃん?」


「んだな(^ ^)」


二人は入れ替え案に賛成だ。



「二軍の連中なんかに任せたら、バカスカ点を取られて、最下位になっちまうゎ!」


「いや、案外善戦するかもよ」


「んだな(^_^)」


「…ホントかよ」


確かに主力選手をここまで酷使すれば、終盤一気に疲れがドッと出る可能性が高い。


ここで休ませておけば、ペナント終盤の優勝争いに競り勝つ事もあるだろう。



「う~ん…ヨシ、分かった!その案、受け入れよう!」


というワケで、この日から主力選手が登録抹消となり、代わりに二軍の選手たちが一軍に昇格となった。
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