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後半戦
デュアルヒッター
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先行マーリンズのスターティングメンバー
1 (中) 高野 1
2 (右) 斐川 9
3 (指) 仙道 7
4 (三) 羽田 3
5 (二) 吉田 6
6 (一) 武藤 5
7 (遊) 筧 24
8 (捕) 川上 8
9 (左) サンタナ 99
(投) 天海 18
後半戦最初の先発はエース天海。
今年は7勝3敗、防御率3.72と例年に比べて防御率がやや悪いが、要所要所を締めるピッチングで勝ち星を重ねてきた。
攻撃面では、将来のマーリンズを背負って立つ吉田の活躍が目覚しい。
ここまで打率.273 本塁打11 打点47と5番に昇格してからは、長打力が際立つ。
9番には、去年来日してファームでシーズンを過ごしたサンタナがオールスター前から一軍に定着。
日本の野球に慣れてきたせいか、巧みなバットコントロールで広角に打ち分けるバッティングが持ち味。
後攻Glanzのスターティングメンバー
1(二) 石川 8
2(中) クロフォード24
3(遊) 白石 5
4(一) 徳川 23
5(右) 森高 7
6(指) 麻生 22
7(左) 南方 1
8(三) 吉岡 2
9(捕) 滝沢 9
(投) 反町 15
Glanzの先発は反町。
一軍昇格の菅原は即スタメンという訳にはいかず、ベンチスタートとなった。
この日も猛暑で、さいたま市の気温は36℃と茹だるような暑さ。
試合開始は午後6時だが、それでも30℃を下回る事はなく、選手たちにとってはかなり体力を消耗する。
そのせいか、両チームのピッチャーが初回から大乱調。
序盤で早くも両投手がノックアウトされ、後続の投手も滅多打ちに。
5回を終わって、スコアは8-6とGlanzが2点リードをとっているが、この様子では2点差などあっという間にひっくり返されるであろう。
そして7回の裏、Glanzは8番吉岡の打席でアクシデントが起きる。
マーリンズ4番手ピッチャー、田中のスライダーを引っ掛けセカンドゴロ。
吉岡は懸命に一塁へ走るが、一塁手武藤と交錯。
その際、吉岡は右足を押さえ倒れたまま。
判定はアウトだったが、起き上がれずにトレーナーの肩を借りてベンチに下がった。
どうやら以前痛めた靭帯を再び負傷したらしく、プレー続行不可能という事で、次の回からはレフトの南方がサードに回り、レフトに菅原が入る事となった。
これが一軍初試合となった菅原だが、チャンスが巡ってきたとあって気合十分。
広い守備範囲を活かしたプレーで難なくこなし、8回の表を終了。
このままGlanzリードで試合終了かと思われたが、9回の表マーリンズは守護神ジェイクに猛攻をかけ、一挙3点を奪い、再度逆転に成功。
窮地に立たされたGlanzは6番麻生、7番南方の連続ヒットでノーアウト一塁三塁と同点のチャンス。
ここで初打席の菅原が右打席に入る。
マウンド上はマーリンズ6番手投手、左腕の藤本。
菅原は右打席ではバットをやや短めに持ち、グリップを肩口より下にし、少し前傾の構えをしている。
「私わかります(^_^)」
久々のひろしの登場だ。
「ハイハイ、色々分かってスゲーなオメーはよ」
敗けを確信した榊は投げやりに返事する。
「菅原選手は右と左の打席では別人のようなバッティングをしますち!」
「それは二軍のコーチからも聞いたよ!」
「それだけではないですち!」
ひろしが説明を始めた。
とはいえ、ひろしの説明では理解するにはかなりの時間を要する。
ひろしが説明したのは、菅原の左打席の長打率は.573
それに対して右打席では.386と大幅にダウンしている。
しかし打率で表すと、左打席では.276だが、右打席では脅威の.374と高打率をマークする。
しかも選球眼は右打席の方が良く、出塁率も4割を優に超える。
OPSに換算すると、左右共に.850を越える優秀なバッターだ、と言う。
「私わかります(^^)
菅原選手は右でも左でも素晴らしいバッターですち!」
「そうは言うけど、二軍と一軍とじゃレベルが段違いなんだぜ?
そう簡単にヒットなんて打てるワケがねぇだろが」
と榊が言った次の瞬間、快音が響き打球はセカンドの頭上を越えるセンター前ヒット。
三塁ランナー麻生が悠々とホームイン。
「ホントだ…シングルヒットだけど、上手くセンター前へ運んだぞ」
「んだな(^ ^)」
試合は土壇場で振り出しに戻った。
結局試合は決着つかず、11-11の乱打戦で引き分けに終わった。
菅原は途中出場ながら3打数1安打。
オマケに打点1もマーク。
「菅原選手は右ピッチャーの時はクリーンアップに据えて、左ピッチャーの時は1番、もしくは2番を打たせてみる程のち!」
「悪くは無いけど…」
「そうと決まれば、明日こそは勝つですち!」
明日もさいたま市は35℃を越える。
選手の身体もそうだが、観に来てくれるファンの身体も心配だ。
1 (中) 高野 1
2 (右) 斐川 9
3 (指) 仙道 7
4 (三) 羽田 3
5 (二) 吉田 6
6 (一) 武藤 5
7 (遊) 筧 24
8 (捕) 川上 8
9 (左) サンタナ 99
(投) 天海 18
後半戦最初の先発はエース天海。
今年は7勝3敗、防御率3.72と例年に比べて防御率がやや悪いが、要所要所を締めるピッチングで勝ち星を重ねてきた。
攻撃面では、将来のマーリンズを背負って立つ吉田の活躍が目覚しい。
ここまで打率.273 本塁打11 打点47と5番に昇格してからは、長打力が際立つ。
9番には、去年来日してファームでシーズンを過ごしたサンタナがオールスター前から一軍に定着。
日本の野球に慣れてきたせいか、巧みなバットコントロールで広角に打ち分けるバッティングが持ち味。
後攻Glanzのスターティングメンバー
1(二) 石川 8
2(中) クロフォード24
3(遊) 白石 5
4(一) 徳川 23
5(右) 森高 7
6(指) 麻生 22
7(左) 南方 1
8(三) 吉岡 2
9(捕) 滝沢 9
(投) 反町 15
Glanzの先発は反町。
一軍昇格の菅原は即スタメンという訳にはいかず、ベンチスタートとなった。
この日も猛暑で、さいたま市の気温は36℃と茹だるような暑さ。
試合開始は午後6時だが、それでも30℃を下回る事はなく、選手たちにとってはかなり体力を消耗する。
そのせいか、両チームのピッチャーが初回から大乱調。
序盤で早くも両投手がノックアウトされ、後続の投手も滅多打ちに。
5回を終わって、スコアは8-6とGlanzが2点リードをとっているが、この様子では2点差などあっという間にひっくり返されるであろう。
そして7回の裏、Glanzは8番吉岡の打席でアクシデントが起きる。
マーリンズ4番手ピッチャー、田中のスライダーを引っ掛けセカンドゴロ。
吉岡は懸命に一塁へ走るが、一塁手武藤と交錯。
その際、吉岡は右足を押さえ倒れたまま。
判定はアウトだったが、起き上がれずにトレーナーの肩を借りてベンチに下がった。
どうやら以前痛めた靭帯を再び負傷したらしく、プレー続行不可能という事で、次の回からはレフトの南方がサードに回り、レフトに菅原が入る事となった。
これが一軍初試合となった菅原だが、チャンスが巡ってきたとあって気合十分。
広い守備範囲を活かしたプレーで難なくこなし、8回の表を終了。
このままGlanzリードで試合終了かと思われたが、9回の表マーリンズは守護神ジェイクに猛攻をかけ、一挙3点を奪い、再度逆転に成功。
窮地に立たされたGlanzは6番麻生、7番南方の連続ヒットでノーアウト一塁三塁と同点のチャンス。
ここで初打席の菅原が右打席に入る。
マウンド上はマーリンズ6番手投手、左腕の藤本。
菅原は右打席ではバットをやや短めに持ち、グリップを肩口より下にし、少し前傾の構えをしている。
「私わかります(^_^)」
久々のひろしの登場だ。
「ハイハイ、色々分かってスゲーなオメーはよ」
敗けを確信した榊は投げやりに返事する。
「菅原選手は右と左の打席では別人のようなバッティングをしますち!」
「それは二軍のコーチからも聞いたよ!」
「それだけではないですち!」
ひろしが説明を始めた。
とはいえ、ひろしの説明では理解するにはかなりの時間を要する。
ひろしが説明したのは、菅原の左打席の長打率は.573
それに対して右打席では.386と大幅にダウンしている。
しかし打率で表すと、左打席では.276だが、右打席では脅威の.374と高打率をマークする。
しかも選球眼は右打席の方が良く、出塁率も4割を優に超える。
OPSに換算すると、左右共に.850を越える優秀なバッターだ、と言う。
「私わかります(^^)
菅原選手は右でも左でも素晴らしいバッターですち!」
「そうは言うけど、二軍と一軍とじゃレベルが段違いなんだぜ?
そう簡単にヒットなんて打てるワケがねぇだろが」
と榊が言った次の瞬間、快音が響き打球はセカンドの頭上を越えるセンター前ヒット。
三塁ランナー麻生が悠々とホームイン。
「ホントだ…シングルヒットだけど、上手くセンター前へ運んだぞ」
「んだな(^ ^)」
試合は土壇場で振り出しに戻った。
結局試合は決着つかず、11-11の乱打戦で引き分けに終わった。
菅原は途中出場ながら3打数1安打。
オマケに打点1もマーク。
「菅原選手は右ピッチャーの時はクリーンアップに据えて、左ピッチャーの時は1番、もしくは2番を打たせてみる程のち!」
「悪くは無いけど…」
「そうと決まれば、明日こそは勝つですち!」
明日もさいたま市は35℃を越える。
選手の身体もそうだが、観に来てくれるファンの身体も心配だ。
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