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インターカンファレンス後半
北の因縁
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徳川の一発で流れはGlanzに傾いた。
3回の表、翔田は敬遠策を中止し、白石勝負のサインを出したが、敬遠のを晴らすべく、レフトへ第7号のソロを打たれ3点目を追加。
続いて4番徳川には、左中間への二塁打を許し、日比野はここで降板。
だが、火のついた3、4番コンビを抑える事は出来ず、後続のピッチャーも滅多打ちに遭う。
白石は4打数4安打2打点、徳川は5打数5安打4打点と活躍。
Glanz先発の皐月は120 km/h台のフォーシームジャイロと90 km/h前後のナックルカーブに加え、ツーシームジャイロと呼ばれる縦の変化球でKINGDOM打線を翻弄。
その結果、1-8でGlanzが昨日の雪辱を果たした。
皐月は完投で3勝目をマーク。
昨日の敗戦が霞む程の猛攻だった。
この勝利でGlanzはインターカンファレンス3位に浮上。
2位KINGDOMとのゲーム差は0.5に縮まった。
「この敗戦は監督であるオレの責任だ…こうなったら、優勝してチャンピオンズカップで晴らすのみ」
翔田は悔しさをあらわにした。
KINGDOMとの連戦を終え、Glanzは北の大地へ移動した。
明後日からは北海道で札幌ウォーリアーズとの2連戦がスタートする。
ウォーリアーズは現在インターカンファレンス7位。
Glanzとしては、取りこぼしの出来ない相手で、連勝は必至だ。
ウォーリアーズと言えば、麻生が監督の三井に対し暴力行為を行い、古巣Knightsを解雇された因縁のチームだ。
三井は勿論、ウォーリアーズの選手も麻生に対して何らかの報復をするのではないかと推測する。
それは麻生も承知の上で、もし仕掛けてきたらそれなりの対処をしなければならないと身構える。
「ミツル!」
「なんじゃい!」
すると、バチーン!と頭を叩かれた。
「痛っ、…何さらすんじゃい!」
叩いたのは財前だ。
「それがヘッドコーチに向かって言う返事か、コラァ!」
「すっ、すいません!てっきり、別のコーチかと思ったけん…」
「他のコーチにもそんな言い方すんじゃねぇ!」
バチーン!と再度叩かれる。
「痛っ、勘弁してつかぁさい」
「いいか、明日は絶対乱闘なんかすんじゃねぇぞ!」
「じゃけん、もし向こうから仕掛けてきたらどうすればええんじゃ?」
仕返しきてくる可能性は大いにある。
「ケガしないよう、自分の身を守ればいいだろ」
「それじゃあ、ワシはやられっぱなしというワケですかの?」
「仕方ないだろ、そもそもお前が向こうの監督をKOしたのが原因だしな」
「それはそうじゃが…」
やられっぱなしというのは納得いかない。
「とにかく!オマエは殊勝な態度でプレーするんだ!もし、ヘタな事したらどうなるか…んん?」
「わ、分かりました!」
財前には逆らえない麻生だった。
そして翌日、ウォーリアーズの本拠地ススキノドームでスタメンが発表された。
Glanzの先発は一軍登録したばかりの木戸。対するウォーリアーズは左腕の助っ人クルーズ。
Glanz
1(二) 石川 8
2(左) クロフォード24
3(遊) 白石 5
4(一) 徳川 23
5(中) 森高 7
6(指) 麻生 22
7(右) 城戸 6
8(三) 南方 1
9(補) 比村 27
(投) 木戸 17
ウォーリアーズ
1(中) 広瀬 2
2(右) タイラー 10
3(左) 木村 9
4(指) 松井 4
5(三) フレディ33
6(補) 山本 3
7(一) 筒井 8
8(遊) 高橋 0
9(二) 藤田 7
(投) クルーズ 45
ススキノドームは本塁打のパークファクターが16球場で最下位という事もあって、長打力に乏しいチームだ。
そこで三井監督は、打撃よりも守備と走力に特化した選手を起用する事で、守りの野球を掲げた。
守りを強化するには、守備範囲の広い手が必要となり、三井監督は若い選手をレギュラーに抜擢する。
ベテランと比較しても、体力は格段に上で、守備に必要な瞬発力も違う。
故に、力の衰えたベテランは容赦なく切り捨てる。
非情と言えば非情なのだが、チームを活性化する為には勢いのある若手を起用するのが最適だというのが持論だ。
3回の表、翔田は敬遠策を中止し、白石勝負のサインを出したが、敬遠のを晴らすべく、レフトへ第7号のソロを打たれ3点目を追加。
続いて4番徳川には、左中間への二塁打を許し、日比野はここで降板。
だが、火のついた3、4番コンビを抑える事は出来ず、後続のピッチャーも滅多打ちに遭う。
白石は4打数4安打2打点、徳川は5打数5安打4打点と活躍。
Glanz先発の皐月は120 km/h台のフォーシームジャイロと90 km/h前後のナックルカーブに加え、ツーシームジャイロと呼ばれる縦の変化球でKINGDOM打線を翻弄。
その結果、1-8でGlanzが昨日の雪辱を果たした。
皐月は完投で3勝目をマーク。
昨日の敗戦が霞む程の猛攻だった。
この勝利でGlanzはインターカンファレンス3位に浮上。
2位KINGDOMとのゲーム差は0.5に縮まった。
「この敗戦は監督であるオレの責任だ…こうなったら、優勝してチャンピオンズカップで晴らすのみ」
翔田は悔しさをあらわにした。
KINGDOMとの連戦を終え、Glanzは北の大地へ移動した。
明後日からは北海道で札幌ウォーリアーズとの2連戦がスタートする。
ウォーリアーズは現在インターカンファレンス7位。
Glanzとしては、取りこぼしの出来ない相手で、連勝は必至だ。
ウォーリアーズと言えば、麻生が監督の三井に対し暴力行為を行い、古巣Knightsを解雇された因縁のチームだ。
三井は勿論、ウォーリアーズの選手も麻生に対して何らかの報復をするのではないかと推測する。
それは麻生も承知の上で、もし仕掛けてきたらそれなりの対処をしなければならないと身構える。
「ミツル!」
「なんじゃい!」
すると、バチーン!と頭を叩かれた。
「痛っ、…何さらすんじゃい!」
叩いたのは財前だ。
「それがヘッドコーチに向かって言う返事か、コラァ!」
「すっ、すいません!てっきり、別のコーチかと思ったけん…」
「他のコーチにもそんな言い方すんじゃねぇ!」
バチーン!と再度叩かれる。
「痛っ、勘弁してつかぁさい」
「いいか、明日は絶対乱闘なんかすんじゃねぇぞ!」
「じゃけん、もし向こうから仕掛けてきたらどうすればええんじゃ?」
仕返しきてくる可能性は大いにある。
「ケガしないよう、自分の身を守ればいいだろ」
「それじゃあ、ワシはやられっぱなしというワケですかの?」
「仕方ないだろ、そもそもお前が向こうの監督をKOしたのが原因だしな」
「それはそうじゃが…」
やられっぱなしというのは納得いかない。
「とにかく!オマエは殊勝な態度でプレーするんだ!もし、ヘタな事したらどうなるか…んん?」
「わ、分かりました!」
財前には逆らえない麻生だった。
そして翌日、ウォーリアーズの本拠地ススキノドームでスタメンが発表された。
Glanzの先発は一軍登録したばかりの木戸。対するウォーリアーズは左腕の助っ人クルーズ。
Glanz
1(二) 石川 8
2(左) クロフォード24
3(遊) 白石 5
4(一) 徳川 23
5(中) 森高 7
6(指) 麻生 22
7(右) 城戸 6
8(三) 南方 1
9(補) 比村 27
(投) 木戸 17
ウォーリアーズ
1(中) 広瀬 2
2(右) タイラー 10
3(左) 木村 9
4(指) 松井 4
5(三) フレディ33
6(補) 山本 3
7(一) 筒井 8
8(遊) 高橋 0
9(二) 藤田 7
(投) クルーズ 45
ススキノドームは本塁打のパークファクターが16球場で最下位という事もあって、長打力に乏しいチームだ。
そこで三井監督は、打撃よりも守備と走力に特化した選手を起用する事で、守りの野球を掲げた。
守りを強化するには、守備範囲の広い手が必要となり、三井監督は若い選手をレギュラーに抜擢する。
ベテランと比較しても、体力は格段に上で、守備に必要な瞬発力も違う。
故に、力の衰えたベテランは容赦なく切り捨てる。
非情と言えば非情なのだが、チームを活性化する為には勢いのある若手を起用するのが最適だというのが持論だ。
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