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インターカンファレンス後半
打ちたいから打つ!それがバッティング
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日比野の2球目は低めギリギリに決まったストレート。
2球でツーストライクと追い込まれた。
日比野のストレートは140前後と速くないが、制球力には定評があり、決め球の縦のカーブは左バッターが思わず仰け反る程の曲がりようだ。
「あっという間にツーストライクじゃんかよ」
「私わかります(^_^)」
「そもそも、お前がバッティングのアドバイスなんて出来るのかよ…」
語彙力皆無のひろしがどうアドバイスしたのか。
仮にアドバイスしたとしても、選手はそれを理解出来るのだろうか。
甚だ疑問だ。
「バッティングはとても難しいですち!
でも、打ちたいと思えば不思議と打てるもんなんですち!」
「それで打てたら苦労しねえよ!」
「んだな(^ ^)」
こんなアドバイスで理解出来たのだろうか?
小室は遊び球を使わず次で打ち取るつもりだ。
決め球のカーブを要求した。
日比野も同じ考えで、大きく頷いた。
(昨日から一度もバットを振ってないのは気になるけど…まぁいい、この打席も三振に抑えろ)
翔田は腕組みをしたまま、ジッと様子を見る。
そして日比野が3球目を投げた。
肩口から大きく縦に割れるカーブが低めに来た。
左バッターには厄介なコースだ。
「ん?」
「おい…」
見送ると思った徳川だが、仰け反る事も無く、しっかりとした構えから鋭いスイングで左方向へ押し出すように弾き返した。
「アレを打つのかっ!」
翔田が思わず身を乗り出す。
打球はスピンが加わり、レフトへグーンと上がった。
レフトを守る麻宮の頭上を超え、失速すること無くスタンドに飛び込んだ。
「ホームランだ…」
「あのカーブをカンペキに捕らえるとは…」
三冠王を獲得した財前さえも驚く打球だ。
「あの球をレフトへ流してホームランだと?それ程の打者なのか、徳川は!」
翔田がベンチをガン!と蹴飛ばす。
白石敬遠策がとうとう裏目に出た。
徳川のリーグトップを独走する第13号のツーランでGlanzが初回に2点を先制。
「何で打てると思ったんだよ?」
ひろしに聞いてみた。
「徳川選手は広角打法が得意なバッターですち!
あのカーブは逆らわずにレフト方向へ打ち返すのが一番ですち!」
「それだけで打てるとは限らないだろ?」
「徳川選手と白石選手には、バットを腕の延長の様にして振るのが良いと教えましたち!
私負担かからないようアドバイスしました(^_^)」
「腕の延長?!」
独特なアドバイスだ。
「それが出来れば、打ちたい球を打つことが可能ですち!」
「そのアドバイスを理解したってのかよ?」
とても理解出来たとは思えない。
「バットを自在に操れば、この球をこうやって打ちたいと思えば打てるもんです(^ ^)
私打撃の先生言われます(^^)」
「ウソつけ!」
レジェンドと呼ばれるひろしにバッティングの極意を教わろうとしても、波長の合う選手だけしか理解出来ない。
コミュニケーション皆無な会話からヒントを得る事は不可能で、フィーリングで理解するしかない。
そのフィーリングが一番難しいのだが、白石と徳川の二人はそれが理解出来た。
というのも、二人はひろしのバッティングによく似ている。
現役時代のひろしはスイッチヒッターだったが、右と左では異なるバッティングをしていた。
右ではどんなに難しい球でも引っ張ってレフト方向に打ち返す華麗なバッティングでヒットを量産。
左では、全方向へ打ち返す広角打法で長打を放った。
白石は引っ張り専門の右バッターだが、三振を獲るのが難しい選手。
徳川は広角打法を取得し、長打を打ちながら率も残せる選手。
奇しくもひろしのバッティングを彷彿とさせるバッターだからこそ、ひろしのアドバイスを理解出来た。
「なんつーか…お前と同じ波長のヤツが二人もいるとはな…色んな意味で恐ろしいよ」
「んだな(^ ^)」
この一発で試合は決まった。
2球でツーストライクと追い込まれた。
日比野のストレートは140前後と速くないが、制球力には定評があり、決め球の縦のカーブは左バッターが思わず仰け反る程の曲がりようだ。
「あっという間にツーストライクじゃんかよ」
「私わかります(^_^)」
「そもそも、お前がバッティングのアドバイスなんて出来るのかよ…」
語彙力皆無のひろしがどうアドバイスしたのか。
仮にアドバイスしたとしても、選手はそれを理解出来るのだろうか。
甚だ疑問だ。
「バッティングはとても難しいですち!
でも、打ちたいと思えば不思議と打てるもんなんですち!」
「それで打てたら苦労しねえよ!」
「んだな(^ ^)」
こんなアドバイスで理解出来たのだろうか?
小室は遊び球を使わず次で打ち取るつもりだ。
決め球のカーブを要求した。
日比野も同じ考えで、大きく頷いた。
(昨日から一度もバットを振ってないのは気になるけど…まぁいい、この打席も三振に抑えろ)
翔田は腕組みをしたまま、ジッと様子を見る。
そして日比野が3球目を投げた。
肩口から大きく縦に割れるカーブが低めに来た。
左バッターには厄介なコースだ。
「ん?」
「おい…」
見送ると思った徳川だが、仰け反る事も無く、しっかりとした構えから鋭いスイングで左方向へ押し出すように弾き返した。
「アレを打つのかっ!」
翔田が思わず身を乗り出す。
打球はスピンが加わり、レフトへグーンと上がった。
レフトを守る麻宮の頭上を超え、失速すること無くスタンドに飛び込んだ。
「ホームランだ…」
「あのカーブをカンペキに捕らえるとは…」
三冠王を獲得した財前さえも驚く打球だ。
「あの球をレフトへ流してホームランだと?それ程の打者なのか、徳川は!」
翔田がベンチをガン!と蹴飛ばす。
白石敬遠策がとうとう裏目に出た。
徳川のリーグトップを独走する第13号のツーランでGlanzが初回に2点を先制。
「何で打てると思ったんだよ?」
ひろしに聞いてみた。
「徳川選手は広角打法が得意なバッターですち!
あのカーブは逆らわずにレフト方向へ打ち返すのが一番ですち!」
「それだけで打てるとは限らないだろ?」
「徳川選手と白石選手には、バットを腕の延長の様にして振るのが良いと教えましたち!
私負担かからないようアドバイスしました(^_^)」
「腕の延長?!」
独特なアドバイスだ。
「それが出来れば、打ちたい球を打つことが可能ですち!」
「そのアドバイスを理解したってのかよ?」
とても理解出来たとは思えない。
「バットを自在に操れば、この球をこうやって打ちたいと思えば打てるもんです(^ ^)
私打撃の先生言われます(^^)」
「ウソつけ!」
レジェンドと呼ばれるひろしにバッティングの極意を教わろうとしても、波長の合う選手だけしか理解出来ない。
コミュニケーション皆無な会話からヒントを得る事は不可能で、フィーリングで理解するしかない。
そのフィーリングが一番難しいのだが、白石と徳川の二人はそれが理解出来た。
というのも、二人はひろしのバッティングによく似ている。
現役時代のひろしはスイッチヒッターだったが、右と左では異なるバッティングをしていた。
右ではどんなに難しい球でも引っ張ってレフト方向に打ち返す華麗なバッティングでヒットを量産。
左では、全方向へ打ち返す広角打法で長打を放った。
白石は引っ張り専門の右バッターだが、三振を獲るのが難しい選手。
徳川は広角打法を取得し、長打を打ちながら率も残せる選手。
奇しくもひろしのバッティングを彷彿とさせるバッターだからこそ、ひろしのアドバイスを理解出来た。
「なんつーか…お前と同じ波長のヤツが二人もいるとはな…色んな意味で恐ろしいよ」
「んだな(^ ^)」
この一発で試合は決まった。
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