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5月 交流戦前
クセ盗みの先生言われます(^ ^)
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マウンド上のアルバラードはようやく落ち着きを取り戻しプレーが再開。
一方、Glanzベンチではアルバラードのクセを見抜く為に榊をはじめとしたコーチ陣が一斉に注目する。
カウントはツーボール。
3球目を投げた。ストレートだ。
「ストライクワン!」
アウトコースギリギリに決まった。
「今グラブの向き見えたか?」
「いや、モーションが速すぎて見えないっ!」
「じゃあ、他の方法で見抜くしかないのか…」
どうやら速すぎて肉眼では捕えきれない。
「諦めるな、何とかしてクセを見抜くんだ!」
「ハァ…」
どうすれば見えるのか。
続いて4球目、今度はチェンジアップだ。
これは低めに外れてスリーボール。
「もう1球ストレートを投げてくるハズ」
「投げるかなぁ」
不安になってきた。
そして5球目、再びストレートを投げた。
「ストライクツー!」
低めいっぱいに決まり、フルカウントとなった。
「分かったか?」
「いや、分かんないっすよ」
「どれを目安にして見ればいいのやら」
コーチ陣もお手上げだ。
「私わかります(^_^)」
「分かったのかよ!」
「んだな(^ ^)」
「どんなクセなんだ、一体?」
「もう1球ストレートを投げるから、それを見てみましょうち!」
「ホントかっ?」
6球目、ひろしの予想通りストレートだ。
クロフォードはバットを合わせた。
だが球の勢いに押され、打球は詰まったレフトフライ。
レフト飯伏がキャッチしてワンアウト。
「おい、クセはどこで判断すんだよ?」
「私分かります(^_^)」
「だから、それを早く言えっつーの!」
「その前に白石選手に伝えましょうち!」
そう言うと、ネクストバッターズサークルの白石を呼び寄せた。
「はい、何すか?」
ひろしを中心に榊達が輪になって説明を聞く。
「ゴニョゴニョゴニョ…そういう事ですち!」
「マジでっ?」
「それ、ホントなんだろな?」
「んだな(^^)」
アルバラードの攻略法を教えた。
「ホントにそれで判断出来るんですか?」
攻略法を聞いた白石は半信半疑だ。
「大丈夫です(^ ^)
これでストレートに的を絞って打てますち(^^)」
「とりあえず、この茶坊主がそう言ってんだ。
そのやり方でやってみようや」
「ハ、ハァ…」
ホントに大丈夫なのだろうか、そんな表情でバッターボックスに向かった。
【3番ショート白石…背番号5】
二度、三度と素振りを繰り返し、右打席に入った。
「あんな方法で打てるのかよ?」
「大丈夫です(^_^)
私クセ盗みの先生言われます(^^)」
「その言い方が嘘クセェんだよ!」
ここまでひろしの読み通りだったが、今回もズバリ的中するか。
アウトを取ったせいか、アルバラードは非常に落ち着いた表情を見せる。
対する白石も冷静沈着な選手として知られる。
ここまでの成績は、打率.308 本塁打2 打点12 盗塁3。
開幕当初は調子がイマイチだったが、徐々に上向きになっている。
の天才が唐澤ならば、右の天才は白石と呼ばれる程、双璧をなす存在。
一塁ランナー石川のリードはやや小さめだ。
アルバラードは牽制球を投げる様子は無い。
左とはいえ、牽制もクイックもお世辞でも上手いとは言えないだけに、走ってみるのも面白い。
サインが決まり、アルバラードが初球を投げた。
珍しくカーブから入っていった。
だが白石は手を出さずに見送る。
「ボールワンっ!」
変化は小さいが、手元でキュッと曲がるのがアルバラードのカーブだ。
「ストレートじゃないのかよ」
「いくら何でも、ストレートばっか投げるワケにはいかないでしょ!」
次こそストレートか。
一方、Glanzベンチではアルバラードのクセを見抜く為に榊をはじめとしたコーチ陣が一斉に注目する。
カウントはツーボール。
3球目を投げた。ストレートだ。
「ストライクワン!」
アウトコースギリギリに決まった。
「今グラブの向き見えたか?」
「いや、モーションが速すぎて見えないっ!」
「じゃあ、他の方法で見抜くしかないのか…」
どうやら速すぎて肉眼では捕えきれない。
「諦めるな、何とかしてクセを見抜くんだ!」
「ハァ…」
どうすれば見えるのか。
続いて4球目、今度はチェンジアップだ。
これは低めに外れてスリーボール。
「もう1球ストレートを投げてくるハズ」
「投げるかなぁ」
不安になってきた。
そして5球目、再びストレートを投げた。
「ストライクツー!」
低めいっぱいに決まり、フルカウントとなった。
「分かったか?」
「いや、分かんないっすよ」
「どれを目安にして見ればいいのやら」
コーチ陣もお手上げだ。
「私わかります(^_^)」
「分かったのかよ!」
「んだな(^ ^)」
「どんなクセなんだ、一体?」
「もう1球ストレートを投げるから、それを見てみましょうち!」
「ホントかっ?」
6球目、ひろしの予想通りストレートだ。
クロフォードはバットを合わせた。
だが球の勢いに押され、打球は詰まったレフトフライ。
レフト飯伏がキャッチしてワンアウト。
「おい、クセはどこで判断すんだよ?」
「私分かります(^_^)」
「だから、それを早く言えっつーの!」
「その前に白石選手に伝えましょうち!」
そう言うと、ネクストバッターズサークルの白石を呼び寄せた。
「はい、何すか?」
ひろしを中心に榊達が輪になって説明を聞く。
「ゴニョゴニョゴニョ…そういう事ですち!」
「マジでっ?」
「それ、ホントなんだろな?」
「んだな(^^)」
アルバラードの攻略法を教えた。
「ホントにそれで判断出来るんですか?」
攻略法を聞いた白石は半信半疑だ。
「大丈夫です(^ ^)
これでストレートに的を絞って打てますち(^^)」
「とりあえず、この茶坊主がそう言ってんだ。
そのやり方でやってみようや」
「ハ、ハァ…」
ホントに大丈夫なのだろうか、そんな表情でバッターボックスに向かった。
【3番ショート白石…背番号5】
二度、三度と素振りを繰り返し、右打席に入った。
「あんな方法で打てるのかよ?」
「大丈夫です(^_^)
私クセ盗みの先生言われます(^^)」
「その言い方が嘘クセェんだよ!」
ここまでひろしの読み通りだったが、今回もズバリ的中するか。
アウトを取ったせいか、アルバラードは非常に落ち着いた表情を見せる。
対する白石も冷静沈着な選手として知られる。
ここまでの成績は、打率.308 本塁打2 打点12 盗塁3。
開幕当初は調子がイマイチだったが、徐々に上向きになっている。
の天才が唐澤ならば、右の天才は白石と呼ばれる程、双璧をなす存在。
一塁ランナー石川のリードはやや小さめだ。
アルバラードは牽制球を投げる様子は無い。
左とはいえ、牽制もクイックもお世辞でも上手いとは言えないだけに、走ってみるのも面白い。
サインが決まり、アルバラードが初球を投げた。
珍しくカーブから入っていった。
だが白石は手を出さずに見送る。
「ボールワンっ!」
変化は小さいが、手元でキュッと曲がるのがアルバラードのカーブだ。
「ストレートじゃないのかよ」
「いくら何でも、ストレートばっか投げるワケにはいかないでしょ!」
次こそストレートか。
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