Baseball Freak 主砲の一振り 7

ストーブリーグ

大物選手の補強

FAの大物、城戸との2回目の交渉がスタートした。


GMの榊と監督の中田が交渉の場に現れた。



「おい、城戸。四の五の言わずに、とっととウチに決めろ」

「エッ…い、いや、そう簡単には」

さすがの城戸も、榊の脅迫めいた交渉には戸惑うばかりだった。


だが時間が経つにつれ、Glanzのチームカラーや地元球団という利点に加え、中田の監督としての懐の深さを感じ取り、Glanzに対する評価が前回に比べてかなりアップした。



城戸は今後、Dodgersやマリナーズとの交渉を行うが、地元球団のGlanzを蹴って縁もゆかりも無い四国や九州の地を選ぶとは到底思えない。







そんな中、ネプチューンリーグ東地区の4位、甲府ブレーブスが、アポロリーグ東地区4位の新潟パイレーツの主砲でもある、鬼束 眞（おにつかまこと）を1対3のトレードで獲得した事を発表した。



ブレーブスからは、センターの俊足室井と、セカンドの上原、そして今季9勝を挙げた左腕の三浦が交換要員となった。


これで2年ぶりに結城、鬼束の一二塁間が誕生し、3番結城 4番鬼束の破壊力抜群のクリーンアップが復活した。





その大型トレードから6日後、城戸はGlanzに入団する事が発表された。



FA移籍が決まると、今度は所属していた名古屋99ersから人的補償を要求。



99ersはプロテクトのリストから漏れた選手の中から、かつての本塁打王に輝いた、毒島 愉（ぶすじまさとし）捕手を指名した。


毒島はGlanzの正捕手だったが、オールスター明けから捕手の座を滝沢に奪われ、打撃不振もあって二軍に降格。



6年前の優勝時（当時はスカイウォーカーズ）はサードを守り、40本塁打でタイトルを獲得しただけに長打力は健在だ。



本来ならば、毒島クラスの選手をプロテクトから外すつもりは無かったのだが、滝沢の成長とドラフトで獲得した比村の将来性に期待を込めて、毒島を外した。




その背番号6は、来季から城戸が背負う事となった。








戦力補強が着々と行われていった。





新外国人の候補として挙げられていた、アレックス・ジョーダンの獲得は問題もなく交渉が終わり、入団にこぎつけた。



契約年数は2年、年俸5000万プラス出来高、背番号は財前が付けてた10に決まった。




これでめぼしい補強が終わり、来年の2月に始まるキャンプインに向けて選手たちは身体を仕上げ、首脳陣はどのような布陣で来季に挑むか。


シーズンオフはかなり重要な時期でもある。




今年のシーズンオフは大物選手の移動が目立った。


鬼束トレードの4日後、今度は東北マーリンズがFukuoka Dodgersの主砲、斐川 尚人（ひかわなおと）を獲得したと発表。


交換要員は、セカンドの藤原、中継ぎエース河村の2人。



これでマーリンズは、左翼斐川、中堅高野、右翼仙道と鉄壁の外野陣に加え、リーグ屈指の打線をも手に入れた。



ネプチューンリーグの東地区が更に激戦区となった。