プロ野球選手が異世界に転移したら向こうでも野球をやるハメに… 〜主砲の一振り Another story

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異世界で恋人っ?

人間になって…

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ガーディアンとの連戦を終えたワイズスのメンバーは馬車に乗り込み、ベルーガ王国を出発した。


「ねぇ、チョット!チョット、待ってよ!ワタシも連れてってよ!」


クレアが馬車の前に立ち塞がった。


「誰、あの女は?」


「なっ…何で、アイツが!」


女神であるクレアが同行したいとは。



「カツヤ、アナタの知り合いなの?」


ミリアが眉をひそめながら言う。



「いや、知り合いというか…」


まさか、この女が女神だなんて言っても信じてもらえないだろう。


「知り合いなら、さっさと退いてくれるって伝えてよね」


「分かった、分かった」


近衛は馬車を降りてクレアの前に立った。



「オレたちはこれから他の国まで遠征しなきゃならないんだ。
アンタとはここでお別れだ」


「そうはいかない、ワタシも一緒に連れてってよ」


「何でだよ?アンタ、女神だろ!この先もガーディアンを見守ってやらなきゃダメだろ」


すると、クレアはバツの悪そうな表情で話した。


「う~ん、実はね…モリーヤ=ケントを勝手に召喚したって事でゼウスがカンカンに怒って…で、ワタシはその罰として、女神の資格を剥奪されて、人間に変えられたっていうか…まぁ、その…」


「はァ?」



ゼウスはもう年だから、事後報告で済ませば問題ないと言ってたクセに、この有り様だ。



「ね、お願い!ワタシも連れてって」


「連れてって…て、言ってもなぁ」


近衛にそんな権限は無い。


「それに、ワタシはアナタのプレーを見て魅了されたの!
もっと近くでアナタのプレーを見たいの、いいでしょ?」


懇願する眼差しを向けた。


「いや、そう言われても…オレの一存で決められないし」


「そうだ!ワタシがこのチームのマネージャーになって身の回りの事を請け負うから。それならいいでしょ?」


その役割はミリアが行ってる。


「…そういうのは間に合ってるし…」


「何でよ、ワタシの方が上手く出来るもん!」


「そういう問題じゃないんだよな」


これでは埒が明かない。


「チョット待ってろ、責任者連れてくるから」


そう言って再び馬車に乗り込み、ミリアに事情を説明した。



しばらくして、ミリアが近衛と一緒に馬車を降りてクレアと対峙した。



「私はベスパネット・ワイズスのマネージャー兼トレーナー兼広報のミリア=キャロライナ。
話はカツヤから聞いたけど、チームに同行したいんですって?」


見下すような目でクレアを見る。



「ワタシの名前はクレア=ラグーリア。
ついさっきまで女神だった可愛い女の子、ヨロシクね」


「女神?」


「あぁ~、女神だと思い込む事は決して悪くないと思うんだが…」


近衛がフォローするが、全くフォローになっていない。



「なる程ね…チョット可哀想なタイプの娘なワケね…」


「ん、可哀想ってどういう事?」


クレアが顔を近づける。



「…まぁ、確かに可愛い顔してるわね…でも、美しさなら私の方が遥かに…」


「ふ~ん、アップならばワタシの方が絶対に可愛いから」


「いいえ、私の方が数倍も上よっ!」


「いや、絶対ワタシの方が可愛いの!」


「…コイツらバカか…」



というワケで、クレアがチームの新戦力としてGlanzを支える事となった。




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