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バラエティに富んだ人種
女っ…?
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コーネリアス王国を後にし、更に北上してバレット国に向かう。
バレット国まではかなり距離がある為、馬車では3日かかる。
その間、二泊するのだが、うち一泊は車中泊という過酷な道のりだ。
しかし、選手たちの表情はにこやかで、少し浮かれているようにも見える。
(何でこんなに嬉しそうな顔してんだ?…あぁ、次のチームとの対戦成績が良いんだろうな)
てっきりカモにしてるから、楽勝の雰囲気だと勘違いしていた。
「…」
しかし、隣に座っているミリアの表情が浮かないような。
浮かないというより、不機嫌にも感じる。
「おい、どうした?そんなつまらなそうな顔して」
「フン、別に」
素っ気ない返事だ。
「なぁ、次の対戦チームはどんな感じなんだ?」
「さぁ、私よりも他の人に聞いたらいいんじゃないかしら」
「何だよ、何がそんなに面白くないんだよ?」
「別にぃ~」
何でこんなに不機嫌なんだろう?そんな事を思いながらも、徐々にバレット国へ近づいていく。
「さぁ、もうすぐで着くぞ」
「早く試合したいなぁ」
選手たちが浮き足立っている。
(しかしまぁ、エラいヤル気だな。他のチームではこんなヤル気出さないのに)
高い外壁が見えた。バレット国の入口だ。
大きな扉がゴゴゴッと開くと、両脇には槍を携えた門番の兵が立っている。
「へぇ~、女の門番なんて珍しいな」
2人とも女性だが、甲冑を纏い屈強な身体付きをしている。
許可証を見せると、門番の1人が手招きをして中に入った。
「…ん、何だか甘ったる匂いだな」
中に入ると、甘く官能的な香りが鼻腔をくすぐり、脳を刺激する。
他の選手もこの匂いを嗅ぎ、恍惚の表情を浮かべている。
「やべっ、何か勃ってきそうな感じ」
下半身に血液が集まり、股間がムクムクとしてくるのが分かる。
周囲を見ると、股間を抑えている選手もチラホラ。
「どういう事だ、一体…」
「…フン、イヤらしい」
ミリアは汚い物でも見るかのような目をしている。
馬車は街の大通りを抜け、本拠地のウェヌス神殿の入口に着いた。
「…なんつーか、変わったデザインの外観だな」
森林をイメージする曲線的な建物で、不安定な造りをしている。
「地震がきたら1発で倒壊するんじゃないのか」
異世界には地震という天災は無い。
入口の門を開け、神殿の通路を抜けるとベンチ裏に通ずる。
「着いて早々試合するとは…」
3日掛けて着いたと思ったらすぐに試合とはハードな日程だ。
徐々にスタンドの歓声が大きくなり、ベンチからグラウンドを見渡した。
ウェヌス神殿はラインハルト神殿よりも狭いが、左右のファールグラウンドが広く、他の神殿ならスタンドに入る打球もファールフライになりそうだ。
グラウンドでは既にアマゾーンの選手が練習を行っていた。
「エッ、エッ…何だ、アレっ!全員女じゃんっ!!」
近衛の素っ頓狂な声がベンチ内に響いた。
エンパイア=アマゾーンの選手は全員女性だった。
しかも、上半身は前ボタン式のユニフォームを素肌の上に羽織り、マイクロ丈のホットパンツを穿いている。
「うぉ~っ、相変わらずスゲー格好してんなぁ」
「あぁ~、堪んねぇ!ずーっと見てられるぜ!」
「ホントに目の保養になるよなぁ…」
ワイズスの選手たちは鼻の下を伸ばしっぱなしだ。
(何なんだ、ありゃ…オッパイもケツも半分放り出しているようなもんだろ)
アマゾーンの選手たちは胸や尻をこれでもかと強調するような着こなしで練習を行っている。
しかも全員豊満な肉体をしていて、グラマラスという表現がピッタリだ。
時折、こちらを向きながらセクシーな動きで挑発をしている。
「おい、ミリア!まさか、この女どもが対戦相手なのかよ!」
「そうよ、アナタもデレっとしてないで練習しなさい」
機嫌が悪い原因が分かったような気がする。
バレット国まではかなり距離がある為、馬車では3日かかる。
その間、二泊するのだが、うち一泊は車中泊という過酷な道のりだ。
しかし、選手たちの表情はにこやかで、少し浮かれているようにも見える。
(何でこんなに嬉しそうな顔してんだ?…あぁ、次のチームとの対戦成績が良いんだろうな)
てっきりカモにしてるから、楽勝の雰囲気だと勘違いしていた。
「…」
しかし、隣に座っているミリアの表情が浮かないような。
浮かないというより、不機嫌にも感じる。
「おい、どうした?そんなつまらなそうな顔して」
「フン、別に」
素っ気ない返事だ。
「なぁ、次の対戦チームはどんな感じなんだ?」
「さぁ、私よりも他の人に聞いたらいいんじゃないかしら」
「何だよ、何がそんなに面白くないんだよ?」
「別にぃ~」
何でこんなに不機嫌なんだろう?そんな事を思いながらも、徐々にバレット国へ近づいていく。
「さぁ、もうすぐで着くぞ」
「早く試合したいなぁ」
選手たちが浮き足立っている。
(しかしまぁ、エラいヤル気だな。他のチームではこんなヤル気出さないのに)
高い外壁が見えた。バレット国の入口だ。
大きな扉がゴゴゴッと開くと、両脇には槍を携えた門番の兵が立っている。
「へぇ~、女の門番なんて珍しいな」
2人とも女性だが、甲冑を纏い屈強な身体付きをしている。
許可証を見せると、門番の1人が手招きをして中に入った。
「…ん、何だか甘ったる匂いだな」
中に入ると、甘く官能的な香りが鼻腔をくすぐり、脳を刺激する。
他の選手もこの匂いを嗅ぎ、恍惚の表情を浮かべている。
「やべっ、何か勃ってきそうな感じ」
下半身に血液が集まり、股間がムクムクとしてくるのが分かる。
周囲を見ると、股間を抑えている選手もチラホラ。
「どういう事だ、一体…」
「…フン、イヤらしい」
ミリアは汚い物でも見るかのような目をしている。
馬車は街の大通りを抜け、本拠地のウェヌス神殿の入口に着いた。
「…なんつーか、変わったデザインの外観だな」
森林をイメージする曲線的な建物で、不安定な造りをしている。
「地震がきたら1発で倒壊するんじゃないのか」
異世界には地震という天災は無い。
入口の門を開け、神殿の通路を抜けるとベンチ裏に通ずる。
「着いて早々試合するとは…」
3日掛けて着いたと思ったらすぐに試合とはハードな日程だ。
徐々にスタンドの歓声が大きくなり、ベンチからグラウンドを見渡した。
ウェヌス神殿はラインハルト神殿よりも狭いが、左右のファールグラウンドが広く、他の神殿ならスタンドに入る打球もファールフライになりそうだ。
グラウンドでは既にアマゾーンの選手が練習を行っていた。
「エッ、エッ…何だ、アレっ!全員女じゃんっ!!」
近衛の素っ頓狂な声がベンチ内に響いた。
エンパイア=アマゾーンの選手は全員女性だった。
しかも、上半身は前ボタン式のユニフォームを素肌の上に羽織り、マイクロ丈のホットパンツを穿いている。
「うぉ~っ、相変わらずスゲー格好してんなぁ」
「あぁ~、堪んねぇ!ずーっと見てられるぜ!」
「ホントに目の保養になるよなぁ…」
ワイズスの選手たちは鼻の下を伸ばしっぱなしだ。
(何なんだ、ありゃ…オッパイもケツも半分放り出しているようなもんだろ)
アマゾーンの選手たちは胸や尻をこれでもかと強調するような着こなしで練習を行っている。
しかも全員豊満な肉体をしていて、グラマラスという表現がピッタリだ。
時折、こちらを向きながらセクシーな動きで挑発をしている。
「おい、ミリア!まさか、この女どもが対戦相手なのかよ!」
「そうよ、アナタもデレっとしてないで練習しなさい」
機嫌が悪い原因が分かったような気がする。
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