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エキサイティングリーグ開幕
スタメン出場
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開幕とあって、クラフト神殿のスタンドは超満員だ。
両チームスターティングメンバーが発表され、近衛は3番センターで出場する。
「…おい、イシュー。そんなにキンチョーするなよ」
イシューは1番ショートでスタメン出場するとあって、口から心臓が飛び出しそうな程、ガチガチにキンチョーしている。
「で、でも…キンチョーするなと言われても、余計キンチョーしてしまうし」
「固くなり過ぎだっての!もう少しリラックスしろよ、ほら深呼吸」
「スーッ、ハーッ…スーッ、ハーッ…ダメです、全然リラックス出来ましぇん!」
今にも泣きそうな顔をしている。
「ったく、んじゃこれはどうだ」
何やらイシューに耳打ちした。
「エッ…でも、上手くいきますかね?」
「多分、大丈夫だと思うけどな」
秘策を与えたらしい。
ソーサラーの先発はエースのターニャ。
ワイズスの先発はこちらもエースのナチ。
開幕を祝うセレモニーが終わり、ソーサラーの選手が守備についた。
マウンド上には背番号11を付けたターニャが仁王立ちしている。
精悍な顔つきで日焼けで浅黒い肌をしている。
自信満々の表情に満ち溢れ、エースと呼ぶに相応しい。
ターニャとは反対に、トップバッターのイシューは開幕戦の雰囲気に飲まれてしまったのか、やや萎縮した姿で左打席に入った。
「雰囲気に飲まれてやがるな」
近衛はその様子をベンチから眺める。
縮こまりながらバットを構える。
「…アレじゃ打てねぇよな」
隣に座っているウィルが呆れた口調で言い放つ。
「さぁ、それはどうかな」
秘策を授けた近衛は余裕の笑みを浮かべる。
ターニャの初球はストレートが決まりワンストライク。
2球目はスライダー、イシューは見送りワンボール、ワンストライク。
3球目再びスライダーがインコースいっぱいに決まり、カウントはワンボール、ツーストライク。
4球目、チェンジアップが外れカウントはツーナッシングとなった。
イシューはまだ1度もバットを振っていない。
ターニャの5球目、今度はアウトコースへのストレートを投げた。
イシューはこれを狙い済ましたように、上手く三塁線に転がした。
ツーストライクからのセーフティバントという作戦に意表をつかれ、サードのダッシュが一瞬遅れた。
俊足のイシューは素早く一塁へ駆け込む。
サードがボールを捕って一塁へ送球するが、イシューは楽々セーフ。
「お、おい…バントしろってお前がアドバイスしたのか?」
「ん?いやぁ、オレはスキがあったらバントしてみたらどうだ?って言っただけだよ」
先程イシューにアドバイスしたのは、開幕戦でしかも最初のバッターがツーストライクからセーフティバントをするとは予想してないだろうという先入観を逆手にとってみた。
「ノーアウトランナー一塁…こりゃ、先取点取るしかないだろ」
点を取るためには、得点圏にランナーを進めなきゃならない。
続くバッターは2番セカンド ヤディーヤ。
バッティングはイマイチだが、初回で送るには早すぎる。
結局、ヤディーヤはスライダーに手を出し、三振でワンアウト。
そしてネクストバッターサークルから近衛がゆっくりと左打席に向かった。
両チームスターティングメンバーが発表され、近衛は3番センターで出場する。
「…おい、イシュー。そんなにキンチョーするなよ」
イシューは1番ショートでスタメン出場するとあって、口から心臓が飛び出しそうな程、ガチガチにキンチョーしている。
「で、でも…キンチョーするなと言われても、余計キンチョーしてしまうし」
「固くなり過ぎだっての!もう少しリラックスしろよ、ほら深呼吸」
「スーッ、ハーッ…スーッ、ハーッ…ダメです、全然リラックス出来ましぇん!」
今にも泣きそうな顔をしている。
「ったく、んじゃこれはどうだ」
何やらイシューに耳打ちした。
「エッ…でも、上手くいきますかね?」
「多分、大丈夫だと思うけどな」
秘策を与えたらしい。
ソーサラーの先発はエースのターニャ。
ワイズスの先発はこちらもエースのナチ。
開幕を祝うセレモニーが終わり、ソーサラーの選手が守備についた。
マウンド上には背番号11を付けたターニャが仁王立ちしている。
精悍な顔つきで日焼けで浅黒い肌をしている。
自信満々の表情に満ち溢れ、エースと呼ぶに相応しい。
ターニャとは反対に、トップバッターのイシューは開幕戦の雰囲気に飲まれてしまったのか、やや萎縮した姿で左打席に入った。
「雰囲気に飲まれてやがるな」
近衛はその様子をベンチから眺める。
縮こまりながらバットを構える。
「…アレじゃ打てねぇよな」
隣に座っているウィルが呆れた口調で言い放つ。
「さぁ、それはどうかな」
秘策を授けた近衛は余裕の笑みを浮かべる。
ターニャの初球はストレートが決まりワンストライク。
2球目はスライダー、イシューは見送りワンボール、ワンストライク。
3球目再びスライダーがインコースいっぱいに決まり、カウントはワンボール、ツーストライク。
4球目、チェンジアップが外れカウントはツーナッシングとなった。
イシューはまだ1度もバットを振っていない。
ターニャの5球目、今度はアウトコースへのストレートを投げた。
イシューはこれを狙い済ましたように、上手く三塁線に転がした。
ツーストライクからのセーフティバントという作戦に意表をつかれ、サードのダッシュが一瞬遅れた。
俊足のイシューは素早く一塁へ駆け込む。
サードがボールを捕って一塁へ送球するが、イシューは楽々セーフ。
「お、おい…バントしろってお前がアドバイスしたのか?」
「ん?いやぁ、オレはスキがあったらバントしてみたらどうだ?って言っただけだよ」
先程イシューにアドバイスしたのは、開幕戦でしかも最初のバッターがツーストライクからセーフティバントをするとは予想してないだろうという先入観を逆手にとってみた。
「ノーアウトランナー一塁…こりゃ、先取点取るしかないだろ」
点を取るためには、得点圏にランナーを進めなきゃならない。
続くバッターは2番セカンド ヤディーヤ。
バッティングはイマイチだが、初回で送るには早すぎる。
結局、ヤディーヤはスライダーに手を出し、三振でワンアウト。
そしてネクストバッターサークルから近衛がゆっくりと左打席に向かった。
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