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栄冠
最終決戦その1
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翌日の午後6時、最終決戦の第一ラウンドがスタートした。
アポロリーグは既に琉球マシンガンズが念願の初優勝を決めている。
日本一を決めるチャンピオンズカップに出場するのはスカイウォーカーズか、それともマーリンズか。
今宵の先発はスカイウォーカーズが現在11勝8敗、防御率3.96のトルネード投法サンピエール。
対するマーリンズはエースの中澤。
13勝5敗、防御率2.83という成績。
スカイウォーカーズのスタメンは
1ライト ラファエル
2センター 唐澤
3ファースト 結城
4セカンド 鬼束
5サード 毒島
6レフト 中山
7キャッチャー 保坂
8ピッチャー サンピエール
9ショート 筧
マーリンズのスタメンは
1センター高野
2ショート佐竹
3ライト村上
4サード羽田
5ファースト張
6セカンド藤原
7レフトヘンダーソン
8キャッチャー川上
9ピッチャー中澤
投手陣、攻撃力、守備力、機動力と全ての面に於いてスカイウォーカーズが上だが、それが必ずしも勝敗に結びつくとは限らない。
今のマーリンズ勢いとチームワークが最高潮に達している。
天海が改心してから、チームの勝率はホーム、ビジター共に7割5分を越える。
特に要注意するのはリードオフマンの高野。
高い出塁率と長打で羽田よりも恐い存在。
ここ10試合で4割6分、4ホーマーと絶好調。
塁に出れば自慢の俊足で盗塁を成功させる。
現在38盗塁を決め、トップの結城とは僅か2差。
その高野が初回に第17号の先頭打者本塁打で1点を先制。
対するスカイウォーカーズは4回に先頭の結城がセンター前ヒットで塁に出ると、4番鬼束の打席で41個目の盗塁を決める。
鬼束はフォアボールで続くと、5番毒島は四球目のスライダーを捕え、左中間へリーグトップの38号スリーランで逆転。
この一打が決勝点となり、第一ラウンドはスカイウォーカーズが制した。
第二ラウンドはスカイウォーカーズの先発が今シーズン10勝7敗、防御率3.51の片山。
マーリンズは今年から先発に回った右の本格派石本。
石本は6勝9敗と敗けが先行するが、オールスター明けには4連勝と波に乗る。
スカイウォーカーズのスタメンに変更は無いが、マーリンズは打順を大幅に変え、1番村上、2番は主砲の羽田という超攻撃型の打線。
その打順が功を奏したのか、初回に村上がライト前ヒットで出塁すると、2番羽田は片山のチェンジアップをフルスイング。
センターバックスクリーンに飛び込む第34号ツーランで先制。
勢いに乗るマーリンズ、5回には今日3番に入った高野が昨日に引き続き、ライトスタンドに18号ソロで追加点を挙げる。
一方スカイウォーカーズは、先発石本の前に6回までノーヒットと抑えられていたが、7回に3番結城、4番鬼束のアベックアーチで1点差まで追い上げるが、8回に濱田、9回は仁科と継投策でマーリンズが逃げ切る。
一勝一敗の5分で迎えたペナント最終戦。
マーリンズフィールドは優勝決定戦に相応しい5万人を越す大観衆で溢れかえる。
先行スカイウォーカーズのスタメンは
1ライト ラファエル
2センター 唐澤
3ファースト 結城
4セカンド 鬼束
5サード 毒島
6レフト 中山
7キャッチャー 七海
8ピッチャー 中邑
9ショート 筧
後攻マーリンズのスタメンは
1ライト 村上
2サード 羽田
3センター 高野
4ファースト 張
5ピッチャー 天海
6セカンド 藤原
7レフト ヘンダーソン
8キャッチャー川上
9ショート 佐竹
マーリンズは昨日と同じ超攻撃型で挑む。
そして注目は5番にミスターパーフェクトの天海が座る。
ピッチングに注目が集まるが、バッティングも野手顔負けの長打を放つ。
良くも悪くも、今年は天海の話題が紙面を賑わせた。
2か月近くブランクがあるものの、キングダム在籍時の成績を合わせると、8勝2敗 防御率は脅威の1.69
8月上旬には完全試合を達成。
最速166km/hのバレットと呼ばれるノビのあるフォーシームは、更なる進化を続ける。
最終戦とあって、試合前に始球式が行われた。
始球式を務めるのは、かつて埼玉ギャランドゥという消滅したチームの主砲、宇棚ひろしがマウンドに。
パッと見は茶坊主の様ないがぐり頭に黒縁メガネ。
現役時代183cmあった身長は163cmに縮んだ。
どうやって20cmも縮んだのか不明だが、最盛期が早すぎたひろしは20歳を境に徐々に劣化していった。
父親で、静岡ピストルズの監督をしていたナダウ・ヤマオカこと宇棚 珍太郎の息子でもあるひろしは右利き用グラブを右手にはめている。
「あの、それ逆でっせ」
天海が指摘するが、ひろしは一向に構わず。
「ハイ、分かりました!ち!」
「ち…ちって、何やねん?」
天海は困惑する。
「私わかります(^-^)
静岡はサーカー大国ですち。
私弾道の高いパワーヒッターですち!
そういう事です!ち!
今日はゆっくりしてますち!」
そう言うと、サッサとマウンドを降りてしまった。
「何や、あれは?始球式やらんでええのか?」
さすがの天海も呆気にとられた。
そして午後6時、主審の手が上がり優勝決定戦はスタートした。
アポロリーグは既に琉球マシンガンズが念願の初優勝を決めている。
日本一を決めるチャンピオンズカップに出場するのはスカイウォーカーズか、それともマーリンズか。
今宵の先発はスカイウォーカーズが現在11勝8敗、防御率3.96のトルネード投法サンピエール。
対するマーリンズはエースの中澤。
13勝5敗、防御率2.83という成績。
スカイウォーカーズのスタメンは
1ライト ラファエル
2センター 唐澤
3ファースト 結城
4セカンド 鬼束
5サード 毒島
6レフト 中山
7キャッチャー 保坂
8ピッチャー サンピエール
9ショート 筧
マーリンズのスタメンは
1センター高野
2ショート佐竹
3ライト村上
4サード羽田
5ファースト張
6セカンド藤原
7レフトヘンダーソン
8キャッチャー川上
9ピッチャー中澤
投手陣、攻撃力、守備力、機動力と全ての面に於いてスカイウォーカーズが上だが、それが必ずしも勝敗に結びつくとは限らない。
今のマーリンズ勢いとチームワークが最高潮に達している。
天海が改心してから、チームの勝率はホーム、ビジター共に7割5分を越える。
特に要注意するのはリードオフマンの高野。
高い出塁率と長打で羽田よりも恐い存在。
ここ10試合で4割6分、4ホーマーと絶好調。
塁に出れば自慢の俊足で盗塁を成功させる。
現在38盗塁を決め、トップの結城とは僅か2差。
その高野が初回に第17号の先頭打者本塁打で1点を先制。
対するスカイウォーカーズは4回に先頭の結城がセンター前ヒットで塁に出ると、4番鬼束の打席で41個目の盗塁を決める。
鬼束はフォアボールで続くと、5番毒島は四球目のスライダーを捕え、左中間へリーグトップの38号スリーランで逆転。
この一打が決勝点となり、第一ラウンドはスカイウォーカーズが制した。
第二ラウンドはスカイウォーカーズの先発が今シーズン10勝7敗、防御率3.51の片山。
マーリンズは今年から先発に回った右の本格派石本。
石本は6勝9敗と敗けが先行するが、オールスター明けには4連勝と波に乗る。
スカイウォーカーズのスタメンに変更は無いが、マーリンズは打順を大幅に変え、1番村上、2番は主砲の羽田という超攻撃型の打線。
その打順が功を奏したのか、初回に村上がライト前ヒットで出塁すると、2番羽田は片山のチェンジアップをフルスイング。
センターバックスクリーンに飛び込む第34号ツーランで先制。
勢いに乗るマーリンズ、5回には今日3番に入った高野が昨日に引き続き、ライトスタンドに18号ソロで追加点を挙げる。
一方スカイウォーカーズは、先発石本の前に6回までノーヒットと抑えられていたが、7回に3番結城、4番鬼束のアベックアーチで1点差まで追い上げるが、8回に濱田、9回は仁科と継投策でマーリンズが逃げ切る。
一勝一敗の5分で迎えたペナント最終戦。
マーリンズフィールドは優勝決定戦に相応しい5万人を越す大観衆で溢れかえる。
先行スカイウォーカーズのスタメンは
1ライト ラファエル
2センター 唐澤
3ファースト 結城
4セカンド 鬼束
5サード 毒島
6レフト 中山
7キャッチャー 七海
8ピッチャー 中邑
9ショート 筧
後攻マーリンズのスタメンは
1ライト 村上
2サード 羽田
3センター 高野
4ファースト 張
5ピッチャー 天海
6セカンド 藤原
7レフト ヘンダーソン
8キャッチャー川上
9ショート 佐竹
マーリンズは昨日と同じ超攻撃型で挑む。
そして注目は5番にミスターパーフェクトの天海が座る。
ピッチングに注目が集まるが、バッティングも野手顔負けの長打を放つ。
良くも悪くも、今年は天海の話題が紙面を賑わせた。
2か月近くブランクがあるものの、キングダム在籍時の成績を合わせると、8勝2敗 防御率は脅威の1.69
8月上旬には完全試合を達成。
最速166km/hのバレットと呼ばれるノビのあるフォーシームは、更なる進化を続ける。
最終戦とあって、試合前に始球式が行われた。
始球式を務めるのは、かつて埼玉ギャランドゥという消滅したチームの主砲、宇棚ひろしがマウンドに。
パッと見は茶坊主の様ないがぐり頭に黒縁メガネ。
現役時代183cmあった身長は163cmに縮んだ。
どうやって20cmも縮んだのか不明だが、最盛期が早すぎたひろしは20歳を境に徐々に劣化していった。
父親で、静岡ピストルズの監督をしていたナダウ・ヤマオカこと宇棚 珍太郎の息子でもあるひろしは右利き用グラブを右手にはめている。
「あの、それ逆でっせ」
天海が指摘するが、ひろしは一向に構わず。
「ハイ、分かりました!ち!」
「ち…ちって、何やねん?」
天海は困惑する。
「私わかります(^-^)
静岡はサーカー大国ですち。
私弾道の高いパワーヒッターですち!
そういう事です!ち!
今日はゆっくりしてますち!」
そう言うと、サッサとマウンドを降りてしまった。
「何や、あれは?始球式やらんでええのか?」
さすがの天海も呆気にとられた。
そして午後6時、主審の手が上がり優勝決定戦はスタートした。
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