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チャンピオンへの道
プロレスラーに憧れていたオトコ
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大和は総合格闘家らしくアップライトの構え、対する今道はレスラーらしくクラウチングの構え。
素手にバンテージを巻いただけの拳から放たれるパンチはタフネスを誇る今道と言えど、食らったらひとたまりもない。
「プロレスラーはタフなんだろ?だったら、オレのパンチに耐えてみろよ」
そう言うと大和は素早いジャブを繰り出す。
今道は冷静にジャブを捌く。
日頃から東郷とのスパーリングで打撃対策も行っている。
今道は右のローを繰り出すが、そこは大和が上手くガード。
「へぇ~、打撃もちゃんとやってるのか。関心、関心」
今までのレスラーとはひと味違うと感じたらしい。
大和がワンツーからのローのコンビネーションで仕掛けると、今道はタイミング良く片足タックルでテイクダウンに成功。
そのままグラウンドの展開となり、ポジショニングの取り合いとなった。
すると、大和はスルスルと身体をくねらせながら、マウントを奪取。
どうやら、上半身にオイルらしき物を塗っているようで、掴もうにも掴めない。
「おい、身体に何か塗ってるだろ!反則じゃないか!」
「凶器を使ってるワケじゃねぇし、ルール的には問題ねぇだろ、タコ!」
バキッ…
「ガッ…」
今道がアピールしている隙に、大和は左のパウンドを顔面にヒットさせた。
素手にバンテージを巻いたパンチはかなり強烈だ。
一発で今道の口から血が流れる。
「卑怯な手を使いやがって…」
怒りに任せ、鍛え上げた上半身のパワーだけで強引にマウントをひっくり返した。
「何だ、コイツのパワーは…今までのプロレスラーとは違うだけあるな」
大和の表情が更に険しくなった。
しかし、大和にはまだ奥の手がある。
「所詮はパワーだけの脳筋ヤローだ。
それに、オレはまだ奥の手がある」
マウントが解かれ、再びスタンドで対峙する。
今度は今道から仕掛けた。
素早く距離を詰め、ダッキングしながら右側にステップすると、デビュー戦で勝利を収めた、ノーモーションラリアットを繰り出す。
「ウォッ、っぶね~っ…」
だが、動体視力に自信のある大和は右腕でガードする。
とは言え、今道の渾身の力で放ったラリアットだ。
上手くガードしたが、右腕が鉄の棒で殴られたかのような衝撃が走る。
「ってぇ~…コノヤロー、パワーだけは一人前だな」
右手が痺れて感覚が無い。
一方の今道は、ここがチャンスと一気呵成に攻め込む。
右手は使えない状態だ。
今道が左ミドルを放った。
大和は肘でブロックしようとするが、ミドルの軌道が変わった。
そのままミドルを放つ要領で、軸足の回転で横からの膝蹴りを土手っ腹に叩き込んだ。
ドボッ…
「グハッ…」
モロにみぞおちにヒットし、大和は悶絶しながらダウン。
レフェリーがカウントを数える。
「ワン、ツー、スリー、フォー、ファイブ…」
(何だ、コイツのパワーは…いくらプロレスラーとはいえ、ここまでパワーのあるヤツは初めてだぞ)
今更ながら、プロレスラーのパワーに驚愕する。
(ふざけんな…オレはプロレスが憎くてプロレスラーを倒してんだ!
プロレスハンターは決して負けない!)
呼吸を整え、カウントエイトでようやく立ち上がった。
「今道クン、一気に決めるんです!」
東郷がアドバイスを送る。
「だっしゃぁぁぁぁ!」
立ち上がった大和の背後に素早く回り、両手を回す。
ジャーマンスープレックスで止めを刺すつもりだ。
「うぉぉぉぉ!」
大和は後ろから今道のつま先を思いっきり踏みつけた。
ガツッ…
「んぎゃぁっ!」
つま先に激痛が走る。
今道はクラッチを離し、つま先を押さえて倒れ込む。
「あんな脱出法を思いつくとは…」
東郷ですら、想像出来なかった脱出法だ。
「あっという間に形勢逆転だな!いい機会だ、オレがプロレスラーを夢見てた頃に編み出した必殺技をお見舞いするぜ!」
今道の両腕を取り、巴投げで宙に浮かす。
その直後、ロックした腕を離さず今道を後方ではなく、垂直に落とした。
ドガッ…
「グァッ」
真っ逆さまに落ちた身体は107kgの自重をモロに受け、大の字に倒れた。
「ダウン!ワン、ツー、スリー、フォー…」
レフェリーがカウントを数える。
「ムダだ、起き上がってこれねぇよ」
大和は勝利を確信した。
まだ右腕に激痛が走る。
「これで対プロレスラーに7連勝か…この調子で、ドンドンプロレスラーをぶっ潰してやるぜ」
コーナーに上り、観客に向かって勝利をアピールする。
リング下では、東郷がマットを叩きながら大声で叫んでいる。
「今道クン!立つんです!負けたら二度とこのリングに上がれないんですよっ!」
しかし、今道は先程の変形巴投げでダウンしたままだ。
レフェリーのカウントは続く。
素手にバンテージを巻いただけの拳から放たれるパンチはタフネスを誇る今道と言えど、食らったらひとたまりもない。
「プロレスラーはタフなんだろ?だったら、オレのパンチに耐えてみろよ」
そう言うと大和は素早いジャブを繰り出す。
今道は冷静にジャブを捌く。
日頃から東郷とのスパーリングで打撃対策も行っている。
今道は右のローを繰り出すが、そこは大和が上手くガード。
「へぇ~、打撃もちゃんとやってるのか。関心、関心」
今までのレスラーとはひと味違うと感じたらしい。
大和がワンツーからのローのコンビネーションで仕掛けると、今道はタイミング良く片足タックルでテイクダウンに成功。
そのままグラウンドの展開となり、ポジショニングの取り合いとなった。
すると、大和はスルスルと身体をくねらせながら、マウントを奪取。
どうやら、上半身にオイルらしき物を塗っているようで、掴もうにも掴めない。
「おい、身体に何か塗ってるだろ!反則じゃないか!」
「凶器を使ってるワケじゃねぇし、ルール的には問題ねぇだろ、タコ!」
バキッ…
「ガッ…」
今道がアピールしている隙に、大和は左のパウンドを顔面にヒットさせた。
素手にバンテージを巻いたパンチはかなり強烈だ。
一発で今道の口から血が流れる。
「卑怯な手を使いやがって…」
怒りに任せ、鍛え上げた上半身のパワーだけで強引にマウントをひっくり返した。
「何だ、コイツのパワーは…今までのプロレスラーとは違うだけあるな」
大和の表情が更に険しくなった。
しかし、大和にはまだ奥の手がある。
「所詮はパワーだけの脳筋ヤローだ。
それに、オレはまだ奥の手がある」
マウントが解かれ、再びスタンドで対峙する。
今度は今道から仕掛けた。
素早く距離を詰め、ダッキングしながら右側にステップすると、デビュー戦で勝利を収めた、ノーモーションラリアットを繰り出す。
「ウォッ、っぶね~っ…」
だが、動体視力に自信のある大和は右腕でガードする。
とは言え、今道の渾身の力で放ったラリアットだ。
上手くガードしたが、右腕が鉄の棒で殴られたかのような衝撃が走る。
「ってぇ~…コノヤロー、パワーだけは一人前だな」
右手が痺れて感覚が無い。
一方の今道は、ここがチャンスと一気呵成に攻め込む。
右手は使えない状態だ。
今道が左ミドルを放った。
大和は肘でブロックしようとするが、ミドルの軌道が変わった。
そのままミドルを放つ要領で、軸足の回転で横からの膝蹴りを土手っ腹に叩き込んだ。
ドボッ…
「グハッ…」
モロにみぞおちにヒットし、大和は悶絶しながらダウン。
レフェリーがカウントを数える。
「ワン、ツー、スリー、フォー、ファイブ…」
(何だ、コイツのパワーは…いくらプロレスラーとはいえ、ここまでパワーのあるヤツは初めてだぞ)
今更ながら、プロレスラーのパワーに驚愕する。
(ふざけんな…オレはプロレスが憎くてプロレスラーを倒してんだ!
プロレスハンターは決して負けない!)
呼吸を整え、カウントエイトでようやく立ち上がった。
「今道クン、一気に決めるんです!」
東郷がアドバイスを送る。
「だっしゃぁぁぁぁ!」
立ち上がった大和の背後に素早く回り、両手を回す。
ジャーマンスープレックスで止めを刺すつもりだ。
「うぉぉぉぉ!」
大和は後ろから今道のつま先を思いっきり踏みつけた。
ガツッ…
「んぎゃぁっ!」
つま先に激痛が走る。
今道はクラッチを離し、つま先を押さえて倒れ込む。
「あんな脱出法を思いつくとは…」
東郷ですら、想像出来なかった脱出法だ。
「あっという間に形勢逆転だな!いい機会だ、オレがプロレスラーを夢見てた頃に編み出した必殺技をお見舞いするぜ!」
今道の両腕を取り、巴投げで宙に浮かす。
その直後、ロックした腕を離さず今道を後方ではなく、垂直に落とした。
ドガッ…
「グァッ」
真っ逆さまに落ちた身体は107kgの自重をモロに受け、大の字に倒れた。
「ダウン!ワン、ツー、スリー、フォー…」
レフェリーがカウントを数える。
「ムダだ、起き上がってこれねぇよ」
大和は勝利を確信した。
まだ右腕に激痛が走る。
「これで対プロレスラーに7連勝か…この調子で、ドンドンプロレスラーをぶっ潰してやるぜ」
コーナーに上り、観客に向かって勝利をアピールする。
リング下では、東郷がマットを叩きながら大声で叫んでいる。
「今道クン!立つんです!負けたら二度とこのリングに上がれないんですよっ!」
しかし、今道は先程の変形巴投げでダウンしたままだ。
レフェリーのカウントは続く。
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