UWP(Under World Prowrestling)

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反撃、そして必殺技炸裂

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カウントエイトで今道は立ち上がった。


「あ”ぁ”~、頭が痛ぇ~っ!」


頑丈な今道の身体だから何とか耐えたようなものの、並のレスラーならばこの一撃でKOされていた。


これも東郷に鍛えられたお陰でもある。


「バケモンか、コイツ…」


絶対的な自信を持っていたサイドスープレックスだったが、デビュー三戦目の新人に返され、精神的ショックを受ける。



「バケモンじゃねぇ!オレはプロレスラーだ!」


今道のスイッチが入った。


さすがに金が絡むと、予想以上の力を発揮する。



全身に力が漲る。


「ヌゥォォォォォォォォォ!」



掌底、ミドル、ローのラッシュで藤原をコーナーに追い詰める。


「グワッ…」


速射砲の様なキックと掌底を浴び、為す術がない。


すると、今道は上体を屈んだ体勢からの逆回し蹴りで藤原の側頭部を刈るようにヒット。


今度は藤原がダウン。


レフェリーがカウントを数える。


「ワン、ツー、スリー…」



「えぇ~い、まだまだぁ!」


カウントの途中で今道が無理矢理引きずり起こす。



「ホントにこれがデビュー三戦目の新人か…」


「デビュー三戦目だけど、二年前から最強の二人に鍛えられてんだよ!」


素早くバックに回った。


神宮寺からスープレックスのコツを教わったが、オリジナルのスープレックスはまだ考案中だった。



「どりゃぁぁぁぁ!」


低空でスピードに乗った鋭角なジャーマンスープレックスを炸裂。


ズダーン!と藤原は頭部を強打。


「これで終わりだと思うなよ!」


今道はクラッチを離さずそのまま強引に起こし、フルネルソンに捕える。


「二発目!」


タイミング、角度共に申し分のないフルネルソンスープレックス、所謂ドラゴンスープレックスを続けざまに炸裂させた。


「グハァっ…」


再びマットに叩きつけた。



「まだまだぁ!」


起き上がりこぼし式に今度はリバースフルネルソンに変え、もう一度強引に引き起こす。


「トドメだぁ~っ!」


三発目はタイガースープレックスで叩きつけた。


ジャーマン、ドラゴン、タイガーの三連続スープレックスを起き上がりこぼし式に炸裂。


藤原に反撃する力は残ってなかった。



レフェリーは藤原の様子を見て、カウントを数えること無くゴングを要請。



【カンカンカンカンカンカンカンカン!】



「ヨッシャ~っ!これで勝者にはいくら入ってくるのかなぁ!」


東郷がリングに上がってきた。


「今道クン、今のフィニッシュ・ホールドは前から考えていたものですか?」



「いえ、単なる思いつきですけど」



「という事は…瞬時に閃いてトライしたというワケですか?」


「えぇ」


ジャーマンからドラゴン、そしてタイガースープレックスという起き上がりこぼし式を一瞬の閃きでやってのけたという事だ。



「アレを思いつきでやるとは…神宮寺さんの言う通り、あなたは根っからのプロレスラーですね」


「何か…頭の中で急に思い浮かんでくるんすよ。何でだろう」


今道自身も説明がつかないという事は、天性のプロレスセンスを持っているに違いない。



「ところで、今日のファイトマネーはいくらになりますか?」


今はファイトマネーの事しか頭にない。



「文字通り現金な方ですね…本日のファイトマネーは、937万3687円になります」


「…937万?それじゃ、もう少しで1000万だったんですか?」


ファイトマネーはその日の賭けによって変動する。


「まぁ、そうですけど、それは次の試合で達成すればいいでしょう。
何せ、この先はランキング上位の選手と闘うんですから」


「勝ち続ければ、もっと金額が大きくなるんですよね?」


「勿論です」



デビューから三戦で得たファイトマネーの合計は2500万を越える。



メジャー団体のトップレスラーでもこんな金額は稼げない。


「よぉ~し!この調子で、ドンドン勝ってファイトマネーを戴くぜぇ~っ!」




三戦目


対藤原航大


13分03秒 KO勝ち(スープレックス三連発による)




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