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HOLY WAR
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話は3ヶ月前に遡る。
都内有数の大会場【Tokyo Super Arena】では、6万人もの観客が集結し、日本最大の格闘技イベント【HOLY WAR ~聖なる闘いファイナル】が開催されていた。
約半年に及ぶヘビー級グランプリの決勝戦とあって、場内は興奮の坩堝(るつぼ)と化した。
参加者16名によるトーナメント方式で行われ、Aブロックからはロシア出身の総合格闘家 オレッグ・ソロコフが決勝戦に進出。
ソロコフはロシアの格闘技サンボをベースに、ボクシングテクニックを身に付け、総合格闘技用に編み出した【ロシアンフック】と呼ばれる肩の回転を生かしたフックで並みいる強敵を撃破した。
対するBグループは、謎のマスクマン【ザ・フェニックス】が決勝戦に進出。
全てが謎であるフェニックスは、1回戦から準決勝まで全てプロレス技で対戦相手を撃破。
総合格闘技の試合でプロレス技が通用するわけない。
そう思っていたのだが、圧倒的なパワーとスピード、プロレスラー独特のインサイドワークで翻弄し、1回戦はキャメルクラッチ、準々決勝ではパワーボム、準決勝ではバックドロップからのニードロップでKO。
イロモノ扱いとして参加したにも関わらず決勝まで勝ち進んだ。
総合格闘家VSプロレスラー。
プロレスラーが幾度なく総合格闘家に挑んだが、苦杯を喫するばかりだった。
しかし、これまでのフェニックスの闘い方を見て、(プロレスラーも総合格闘技に通用するんじゃ?)という淡い期待を抱いたファンも多いはず。
とは言え、相手は百戦錬磨のソロコフだ。
試合前のインタビューでは、「プロレスラー?あぁ、フェイクばかりのアクターがやるショーだろ?
あんなもんに付き合うヒマは無い!
私が一方的に攻めて叩き潰すのみ!」
とまるで相手にしてないとでも言う様な感じだった。
リング中央で両者が対峙する。
182cmのソロコフに対し、フェニックスは195cmと頭一つ抜き出ている。
均整のとれた逆三角形な体型で日焼けしているが、肌の色から東洋人に違いない。
真紅のマスクに顔の部分はフェニックスのデザインが描かれている。
黒のロングタイツの側面には白のラインが足首まで入っており、素足ではなくプロレスラーらしくリングシューズを履いている。
ソロコフはオープンフィンガーグローブを嵌めているが、フェニックスはあくまでもプロレスラーを貫く為に素手で挑む。
いくら何でもグローブを嵌めないのは無謀だ…
客席からそんな声が聞こえる。
試合形式は1R10分の2Rまで闘い、勝敗が付かない場合は5分の延長戦に突入し、勝敗が付かない際には判定で決着となる。
両者がコーナーに戻った。
一瞬の静寂の後、会場にゴングが響き渡った。
都内有数の大会場【Tokyo Super Arena】では、6万人もの観客が集結し、日本最大の格闘技イベント【HOLY WAR ~聖なる闘いファイナル】が開催されていた。
約半年に及ぶヘビー級グランプリの決勝戦とあって、場内は興奮の坩堝(るつぼ)と化した。
参加者16名によるトーナメント方式で行われ、Aブロックからはロシア出身の総合格闘家 オレッグ・ソロコフが決勝戦に進出。
ソロコフはロシアの格闘技サンボをベースに、ボクシングテクニックを身に付け、総合格闘技用に編み出した【ロシアンフック】と呼ばれる肩の回転を生かしたフックで並みいる強敵を撃破した。
対するBグループは、謎のマスクマン【ザ・フェニックス】が決勝戦に進出。
全てが謎であるフェニックスは、1回戦から準決勝まで全てプロレス技で対戦相手を撃破。
総合格闘技の試合でプロレス技が通用するわけない。
そう思っていたのだが、圧倒的なパワーとスピード、プロレスラー独特のインサイドワークで翻弄し、1回戦はキャメルクラッチ、準々決勝ではパワーボム、準決勝ではバックドロップからのニードロップでKO。
イロモノ扱いとして参加したにも関わらず決勝まで勝ち進んだ。
総合格闘家VSプロレスラー。
プロレスラーが幾度なく総合格闘家に挑んだが、苦杯を喫するばかりだった。
しかし、これまでのフェニックスの闘い方を見て、(プロレスラーも総合格闘技に通用するんじゃ?)という淡い期待を抱いたファンも多いはず。
とは言え、相手は百戦錬磨のソロコフだ。
試合前のインタビューでは、「プロレスラー?あぁ、フェイクばかりのアクターがやるショーだろ?
あんなもんに付き合うヒマは無い!
私が一方的に攻めて叩き潰すのみ!」
とまるで相手にしてないとでも言う様な感じだった。
リング中央で両者が対峙する。
182cmのソロコフに対し、フェニックスは195cmと頭一つ抜き出ている。
均整のとれた逆三角形な体型で日焼けしているが、肌の色から東洋人に違いない。
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黒のロングタイツの側面には白のラインが足首まで入っており、素足ではなくプロレスラーらしくリングシューズを履いている。
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いくら何でもグローブを嵌めないのは無謀だ…
客席からそんな声が聞こえる。
試合形式は1R10分の2Rまで闘い、勝敗が付かない場合は5分の延長戦に突入し、勝敗が付かない際には判定で決着となる。
両者がコーナーに戻った。
一瞬の静寂の後、会場にゴングが響き渡った。
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