112 / 134
優勝争い
八幡VS守山
しおりを挟む
モンスターズの例の件以来、ひろしが人生相談をする【宇棚ひろしの人生はうだな(^-^)】のコーナーが人気を博し、週刊誌の売上発行部数が大幅にアップした。
それと同時に、ひろしの懐にはかなりの金額が入った。
爆弾発言で球団を潰し、巨額のマネーを手にしたひろしはある意味、最も危険な存在とされ、球界の関係者はひろしとは一切関わるなとの通告が出回った。
恐るべし、宇棚ひろし。
そしてペナントレースは佳境に入り、ピストルズは2位のヤンキースとのゲーム差を2.5に広げた。
八幡加入により、パワーアップされたはずのヤンキースだが、八幡とナインの溝はまだ埋まっていない。
他球団から来て、いきなり4番の座に座るのだから、面白いはずがない。
4番の座を奪われた守山は、八幡とコミュニケーションなどとるはずもなく、かなり荒れていた。
八幡は孤立していた。
キャッチャーというポジションである以上、投手陣をリードしていかなければならない。
だが、埋まらない溝がある以上、八幡の出すサインに首を縦に振る投手はいない。
サインを無視して勝手に投げるのだから、打たれて負けるケースが多くなった。
八幡は考えた。
(このチームのボスは守山や。守山と仲良くなるか、守山をブッ潰せばこっちのもんや…)と。
試合前のフリーバッティングの際、八幡は守山に近づく。
「守山さん、ちょっとお時間よろしいやろか?」
「アァ!何だ、一体!」
二人が並ぶ。確かに似ている。
守山は188㌢ 95㌔
八幡は190㌢ 93㌔
後ろ姿は全く一緒だ。
よく見ると、顔立ちも似ている。
以前陳が
「朋友(ポンヨウ ※ 陳は守山をこう呼ぶ)は八幡と似ているネ」
と言った事がある。
「バカ言ってんじゃねーよ、 青幇
(チンパン ※陳は上海の悪童という意味で守山が付けたあだ名である。しかし陳は台湾出身なので、上海とは何の縁もない)
何であんな真面目ヤローと、どこが似てるっつーんだよ?」
「似てる、似てる。声も顔もソックリネ」
そんなやり取りを、守山は思い出した。
「何の用だ、4番バッター様よ?」
守山が八幡に毒づく。
「あのな守山はん。
オレの出すサインに皆、首を横に振るんや。
アンタから、ピッチャー陣に言うてくれんか?八幡のサインに従えて?」
「アァ?そんな事、わざわざオレに聞いてこねぇで、直接言えゃいいだろがよ!」
「アンタが言えば、まとまると思うたさかい、アンタに頼んでるんや。このチームの事、まだ解らんのや、オレは」
「何だぁ?バーチーの文句は、オレに言え!!」
守山は短気だ。
すぐにケンカが始まった。
しかし八幡も常識人とは言え、パワーは桁外れにある。
「朋友、ケンカ止めるネ!」
陳が仲裁に入るが、二人のパワーに圧倒されてしまう。
巨漢二人が取っ組み合いのケンカをして、止める者など誰一人としていない。
「ブヒョヒョヒョ、わっちにいい考えがあるぬ」
ベンチから、塗呂オーナーが現れた。
それと同時に、ひろしの懐にはかなりの金額が入った。
爆弾発言で球団を潰し、巨額のマネーを手にしたひろしはある意味、最も危険な存在とされ、球界の関係者はひろしとは一切関わるなとの通告が出回った。
恐るべし、宇棚ひろし。
そしてペナントレースは佳境に入り、ピストルズは2位のヤンキースとのゲーム差を2.5に広げた。
八幡加入により、パワーアップされたはずのヤンキースだが、八幡とナインの溝はまだ埋まっていない。
他球団から来て、いきなり4番の座に座るのだから、面白いはずがない。
4番の座を奪われた守山は、八幡とコミュニケーションなどとるはずもなく、かなり荒れていた。
八幡は孤立していた。
キャッチャーというポジションである以上、投手陣をリードしていかなければならない。
だが、埋まらない溝がある以上、八幡の出すサインに首を縦に振る投手はいない。
サインを無視して勝手に投げるのだから、打たれて負けるケースが多くなった。
八幡は考えた。
(このチームのボスは守山や。守山と仲良くなるか、守山をブッ潰せばこっちのもんや…)と。
試合前のフリーバッティングの際、八幡は守山に近づく。
「守山さん、ちょっとお時間よろしいやろか?」
「アァ!何だ、一体!」
二人が並ぶ。確かに似ている。
守山は188㌢ 95㌔
八幡は190㌢ 93㌔
後ろ姿は全く一緒だ。
よく見ると、顔立ちも似ている。
以前陳が
「朋友(ポンヨウ ※ 陳は守山をこう呼ぶ)は八幡と似ているネ」
と言った事がある。
「バカ言ってんじゃねーよ、 青幇
(チンパン ※陳は上海の悪童という意味で守山が付けたあだ名である。しかし陳は台湾出身なので、上海とは何の縁もない)
何であんな真面目ヤローと、どこが似てるっつーんだよ?」
「似てる、似てる。声も顔もソックリネ」
そんなやり取りを、守山は思い出した。
「何の用だ、4番バッター様よ?」
守山が八幡に毒づく。
「あのな守山はん。
オレの出すサインに皆、首を横に振るんや。
アンタから、ピッチャー陣に言うてくれんか?八幡のサインに従えて?」
「アァ?そんな事、わざわざオレに聞いてこねぇで、直接言えゃいいだろがよ!」
「アンタが言えば、まとまると思うたさかい、アンタに頼んでるんや。このチームの事、まだ解らんのや、オレは」
「何だぁ?バーチーの文句は、オレに言え!!」
守山は短気だ。
すぐにケンカが始まった。
しかし八幡も常識人とは言え、パワーは桁外れにある。
「朋友、ケンカ止めるネ!」
陳が仲裁に入るが、二人のパワーに圧倒されてしまう。
巨漢二人が取っ組み合いのケンカをして、止める者など誰一人としていない。
「ブヒョヒョヒョ、わっちにいい考えがあるぬ」
ベンチから、塗呂オーナーが現れた。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
女性画家と秘密のモデル
矢木羽研
大衆娯楽
女性画家と女性ヌードモデルによる連作です。真面目に絵を書く話で、百合要素はありません(登場人物は全員異性愛者です)。
全3話完結。物語自体は継続の余地があるので「第一部完」としておきます。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
真夏の温泉物語
矢木羽研
青春
山奥の温泉にのんびり浸かっていた俺の前に現れた謎の少女は何者……?ちょっとエッチ(R15)で切ない、真夏の白昼夢。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
13歳女子は男友達のためヌードモデルになる
矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる