93 / 125
優勝争い
因縁の対決
しおりを挟む「おい!シルヴィア!ベランダで何してるんだよ!体が冷えるぞ!」
そう言ってきたのは侯爵家の三男のオスカー・ブライスだ。
彼はルイスの親友だ。
学園生活では彼も一緒に4人で楽しんでた仲だった。
彼はちょっと言葉遣いが荒いとこがある。
なんでも小さい頃よく平民と絡んでたとか。
貴族としてはあるまじき行為だけど、前世の記憶がある私からしたら親しみやすい人だ。
「ええ、ごめんなさい。今入ろうと思ったとこよ。」
「ん?なんか顔色悪いぞ?大丈夫か?」
「大丈夫よ。さぁ早く中に入りましょう。」
「っちょ。押さなくてもいいだろ…!?」
「…」
彼も気付いてしまった。ルイス達が密会してることを…
「…中に入るぞ。」
「え、ええ」
オスカーと私は会場の中に入った。
________________
「はい…」
私達が会場の隅っこに到着した時、オスカーは私にハンカチを渡してくれた。
「涙の跡がある。これで拭いてろ。」
「え、ええ。ありがとう。」
私は渡されたハンカチで涙を拭いた。
「新しいハンカチを贈り返すわ。」
「いいよ。いらん。男として泣いてる女が居たら心配するのは当たり前だ。もしそれが知り合いなら余計な。」
「あら、嫌だわ。私は恩をちゃんと返す人よ。お礼をさせてちょうだい。」
「ふ、そうだったな。じゃあ楽しみにしとく。」
「ええ。そうして。」
「…」
「…」
話が続くこと無く、2人は無言になってしまった。
(やっぱり話さないといけないのかしら…。オスカーは頑固だから、話逸らしても意味ないわね…)
「何か飲み物持ってくる。」
「え、いえ、大丈夫よ。要らないわ。」
「いや!持ってくる。」
そう言ったオスカーはさっさと飲み物が置かれてるテーブルに行った。
(ちょっとでも落ち着かせる為に持ってきてくれるのかしら?)
「はい。飲み物」
「え、ええ。ありがとう。」
オスカーは飲み物をくれた。
私達は淡々と飲み物を飲んでた。ちょうど飲み物を飲み終わった時、オスカーが話を切り出した。
「で、どうするんだ?」
「え?」
「ルイスの事だよ。まさか噂は本当とはな。」
「…」
「復讐でもするのか?」
「え…」
復讐なんて考えても見なかった。
これから私はどう生きようかで頭がいっぱいだった。
(自分のことしか考えられないなんて… 私って薄情ね。)
「いいえ、しないわ。」
「は!? 悔しくないのかよ!」
「あら、オスカー。あなた一応ルイスの親友でしょ?ルイスの身を案じないの?」
「それとこれは違うだろ!この件は完全にルイスが悪い。」
「復讐はしないわ。だって意味ないもの。」
そう。復讐は意味ない。復讐はただ行き場のない気持ちを何かに当たって気を晴らす行為。ただの八つ当たりで、自己満足だ。時間の無駄に過ぎない。
「でもちゃんと責任は取らせるわ。」
「ほう。」
「心配してくれてありがとう。」
「!? べ、別にこんぐらい大したことねぇよ。俺ら友達だろ?」
「ふふ、そうね。」
(オスカーと喋ってたらしょんぼりしてた気持ちが薄れてきたわ。)
そう思いながら会場を見渡した。会場は私とは反して煌びやかで賑やかだった。
「あ、あのさ「オスカー、私、ルイスと婚約破棄しようと思うの。」」
「へ?」
「私とルイスは政略結婚だけど、信用できないパートナーと一生一緒に生きれるとは思わないの。」
そう貴族の結婚は信頼で成り立ってる。だって信頼出来ない人と事業なんて出来ないでしょ?
「だから私、パーティの途中だけど帰ろうと思うの。」
そう私の未来の為に決断しないと。その為に色々準備が必要ね。
「…ああ。それがいい。だが、何かする前に休めよ。顔色が悪いぞ。」
「あら、レディに対して失礼よ。」
「準備万端の時に戦った方がいいだろ。お前の為に言ってるんだ。」
「別に戦いに行くんじゃないのよ。話し合いをするのよ。」
「それは余計に頭を使いそうだな。やっぱり休息は今のお前には必要だな。」
「ふふ。そうね。」
オスカーは心配性ね。まだ友人は捨てたもんじゃないわね。
「…シルヴィア、忘れるなよ。」
「ん?何をかしら?」
「俺は何があってもお前の味方だ。」
「…。ふふ。その口説き文句は好きな人に言うべきよ。」
「!? い、いや、俺は別にく、口説く為に言ったわ、わけじゃない!」
(ふふ。でもありがとうオスカー。今の私にとってその言葉は救いだわ。本当に感謝するわ。ありがとう。)
「じゃあ、行ってきます。」
「おう、頑張れ。」
そして私はパーティ会場から出た。
そう言ってきたのは侯爵家の三男のオスカー・ブライスだ。
彼はルイスの親友だ。
学園生活では彼も一緒に4人で楽しんでた仲だった。
彼はちょっと言葉遣いが荒いとこがある。
なんでも小さい頃よく平民と絡んでたとか。
貴族としてはあるまじき行為だけど、前世の記憶がある私からしたら親しみやすい人だ。
「ええ、ごめんなさい。今入ろうと思ったとこよ。」
「ん?なんか顔色悪いぞ?大丈夫か?」
「大丈夫よ。さぁ早く中に入りましょう。」
「っちょ。押さなくてもいいだろ…!?」
「…」
彼も気付いてしまった。ルイス達が密会してることを…
「…中に入るぞ。」
「え、ええ」
オスカーと私は会場の中に入った。
________________
「はい…」
私達が会場の隅っこに到着した時、オスカーは私にハンカチを渡してくれた。
「涙の跡がある。これで拭いてろ。」
「え、ええ。ありがとう。」
私は渡されたハンカチで涙を拭いた。
「新しいハンカチを贈り返すわ。」
「いいよ。いらん。男として泣いてる女が居たら心配するのは当たり前だ。もしそれが知り合いなら余計な。」
「あら、嫌だわ。私は恩をちゃんと返す人よ。お礼をさせてちょうだい。」
「ふ、そうだったな。じゃあ楽しみにしとく。」
「ええ。そうして。」
「…」
「…」
話が続くこと無く、2人は無言になってしまった。
(やっぱり話さないといけないのかしら…。オスカーは頑固だから、話逸らしても意味ないわね…)
「何か飲み物持ってくる。」
「え、いえ、大丈夫よ。要らないわ。」
「いや!持ってくる。」
そう言ったオスカーはさっさと飲み物が置かれてるテーブルに行った。
(ちょっとでも落ち着かせる為に持ってきてくれるのかしら?)
「はい。飲み物」
「え、ええ。ありがとう。」
オスカーは飲み物をくれた。
私達は淡々と飲み物を飲んでた。ちょうど飲み物を飲み終わった時、オスカーが話を切り出した。
「で、どうするんだ?」
「え?」
「ルイスの事だよ。まさか噂は本当とはな。」
「…」
「復讐でもするのか?」
「え…」
復讐なんて考えても見なかった。
これから私はどう生きようかで頭がいっぱいだった。
(自分のことしか考えられないなんて… 私って薄情ね。)
「いいえ、しないわ。」
「は!? 悔しくないのかよ!」
「あら、オスカー。あなた一応ルイスの親友でしょ?ルイスの身を案じないの?」
「それとこれは違うだろ!この件は完全にルイスが悪い。」
「復讐はしないわ。だって意味ないもの。」
そう。復讐は意味ない。復讐はただ行き場のない気持ちを何かに当たって気を晴らす行為。ただの八つ当たりで、自己満足だ。時間の無駄に過ぎない。
「でもちゃんと責任は取らせるわ。」
「ほう。」
「心配してくれてありがとう。」
「!? べ、別にこんぐらい大したことねぇよ。俺ら友達だろ?」
「ふふ、そうね。」
(オスカーと喋ってたらしょんぼりしてた気持ちが薄れてきたわ。)
そう思いながら会場を見渡した。会場は私とは反して煌びやかで賑やかだった。
「あ、あのさ「オスカー、私、ルイスと婚約破棄しようと思うの。」」
「へ?」
「私とルイスは政略結婚だけど、信用できないパートナーと一生一緒に生きれるとは思わないの。」
そう貴族の結婚は信頼で成り立ってる。だって信頼出来ない人と事業なんて出来ないでしょ?
「だから私、パーティの途中だけど帰ろうと思うの。」
そう私の未来の為に決断しないと。その為に色々準備が必要ね。
「…ああ。それがいい。だが、何かする前に休めよ。顔色が悪いぞ。」
「あら、レディに対して失礼よ。」
「準備万端の時に戦った方がいいだろ。お前の為に言ってるんだ。」
「別に戦いに行くんじゃないのよ。話し合いをするのよ。」
「それは余計に頭を使いそうだな。やっぱり休息は今のお前には必要だな。」
「ふふ。そうね。」
オスカーは心配性ね。まだ友人は捨てたもんじゃないわね。
「…シルヴィア、忘れるなよ。」
「ん?何をかしら?」
「俺は何があってもお前の味方だ。」
「…。ふふ。その口説き文句は好きな人に言うべきよ。」
「!? い、いや、俺は別にく、口説く為に言ったわ、わけじゃない!」
(ふふ。でもありがとうオスカー。今の私にとってその言葉は救いだわ。本当に感謝するわ。ありがとう。)
「じゃあ、行ってきます。」
「おう、頑張れ。」
そして私はパーティ会場から出た。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説

人生の全てを捨てた王太子妃
八つ刻
恋愛
突然王太子妃になれと告げられてから三年あまりが過ぎた。
傍目からは“幸せな王太子妃”に見える私。
だけど本当は・・・
受け入れているけど、受け入れられない王太子妃と彼女を取り巻く人々の話。
※※※幸せな話とは言い難いです※※※
タグをよく見て読んでください。ハッピーエンドが好みの方(一方通行の愛が駄目な方も)はブラウザバックをお勧めします。
※本編六話+番外編六話の全十二話。
※番外編の王太子視点はヤンデレ注意報が発令されています。

【完結済】ラーレの初恋
こゆき
恋愛
元気なアラサーだった私は、大好きな中世ヨーロッパ風乙女ゲームの世界に転生していた!
死因のせいで顔に大きな火傷跡のような痣があるけど、推しが愛してくれるから問題なし!
けれど、待ちに待った誕生日のその日、なんだかみんなの様子がおかしくて──?
転生した少女、ラーレの初恋をめぐるストーリー。
他サイトにも掲載しております。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
独身寮のふるさとごはん まかないさんの美味しい献立
水縞しま
ライト文芸
旧題:独身寮のまかないさん ~おいしい故郷の味こしらえます~
第7回ライト文芸大賞【料理・グルメ賞】作品です。
◇◇◇◇
飛騨高山に本社を置く株式会社ワカミヤの独身寮『杉野館』。まかない担当として働く有村千影(ありむらちかげ)は、決まった予算の中で献立を考え、食材を調達し、調理してと日々奮闘していた。そんなある日、社員のひとりが失恋して落ち込んでしまう。食欲もないらしい。千影は彼の出身地、富山の郷土料理「ほたるいかの酢味噌和え」をこしらえて励まそうとする。
仕事に追われる社員には、熱々がおいしい「味噌煮込みうどん(愛知)」。
退職しようか思い悩む社員には、じんわりと出汁が沁みる「聖護院かぶと鯛の煮物(京都)」。
他にも飛騨高山の「赤かぶ漬け」「みだらしだんご」、大阪の「モダン焼き」など、故郷の味が盛りだくさん。
おいしい故郷の味に励まされたり、癒されたり、背中を押されたりするお話です。

後宮の棘
香月みまり
キャラ文芸
蔑ろにされ婚期をのがした25歳皇女がついに輿入り!相手は敵国の禁軍将軍。冷めた姫vs堅物男のチグハグな夫婦は帝国内の騒乱に巻き込まれていく。
☆完結しました☆
スピンオフ「孤児が皇后陛下と呼ばれるまで」の進捗と合わせて番外編を不定期に公開していきます。
第13回ファンタジー大賞特別賞受賞!
ありがとうございました!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる