Baseball Fighter 主砲の一振り2 後編

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後半戦

控え選手

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三戦目はスカイウォーカーズが真咲、レッズは三好の先発。


この日、スタメンは通常のオーダーでスタートした。

先発真咲は速いストレートと遅いストレートを使い分け、二種類のカーブとフォークを駆使して三振を奪う。


対するレッズ先発三好は、コーナーを突く丁寧なピッチングでスカイウォーカーズ打線を抑える。


試合が動いたのは4回の裏。


先頭の結城がショート葛西のエラーで出塁。

4番鬼束の打席で二盗を決める。


鬼束フォアボールで、5番毒島はセンター前のタイムリーで1点先制。


7回の表、レッズはウォーリーがレフトスタンドに16号ソロで同点。

しかしその裏に、唐澤が17号ソロで勝ち越し。

8回は加勢、9回はジェイクと継いで1点差をモノにした。


今日は2位マーリンズが4位レボリューションズに敗れた為、ゲーム差が1.5と開いた。


試合後、監督室で榊と櫻井が話をしている。

「最近、選手達が疲れてるのかもしれないなぁ…」


榊は選手の様子を見て感じた。


「ましてや、暑い時期ですしね。ここが踏ん張り時ですよ」


8月とあってこの暑さに加え、春先から試合をしている選手達は疲労がピークに達してる頃でもある。


「主力選手を休めて試合をしたいけど、そんな余裕は無いですし」


今は優勝争いをしている最中で、控えの選手をスタメンに起用するのはリスクが高い。


「そうか、休ませちゃえばいいんだよ」


「えっ!そんな事したら、あっという間にゲーム差が縮まっちゃいますよ」


「同率首位、もしくは0.5ゲーム差で2位まで落ちても大丈夫だろ」


「それは危険ですよ!ズルズルと転落したらどうするんですか?」

櫻井は反対のようだ。


「何とかなるだろ。優勝する為に主力選手を温存する。ベストパフォーマンスをするには、コンディションを整えておかなきゃ出来ないだろ」


「まぁ、そうですけど」


「やってみようぜ!ダメならまたその時に考えりゃいいんだ」


榊の押しに負けたような形で渋々了承した。


翌日から本拠地で最下位愛媛ブラックスとの連戦がスタートする。

早くも自力優勝が消滅したブラックス相手に、控えの選手で挑もうとする。


翌日武蔵野ボールパークでは、朝から雨が降り、止む気配が無い。

夕方になっても雨は降り続き、中止となった。


この日は完全休養日とし、選手達は身体を休めた。


その次の日は晴天となり、試合は予定通りに行われた。


榊の考案した通り、スタメンは控えの選手が名を連ねた。


1センター唐澤
2ライト来栖
3ファースト結城
4レフト畑中
5キャッチャー毒島
6ショート石川
7セカンド根本
8ピッチャー山本
9サード樋口


セカンドの根本と、サードの樋口は普段は代走や守備固めとして控えに回るが、今回は初スタメン。

唐澤と結城と毒島は本人達の希望により、スタメン出場。


ブラックスのオーダーに変更は無し。


「何だ、このスタメンは!」


「ケガでもしたのかのぉ?」


「ウチらが最下位だからって、こんなスタメンにしたんやろ」


「ふざけやがって!」


メンバー表を見て、ブラックスベンチは激怒する。


主力選手を半分以上欠いたスタメンとあって、侮辱されたも同然だ。


しかし始まってみると、スカイウォーカーズが優位に試合を進める。


2回の裏、先頭の4番畑中がレフト線を破るツーベースヒット。

5番毒島は三振に倒れたが、6番石川がライト前に運んで畑中がホームへ。


ブラックスも先発山本を攻め立てるが、要所要所を締めるピッチングで点を奪えず。


スカイウォーカーズは6回に根本がセンター前で出塁すると、続くピッチャー山本が犠牲バントで根本は二塁へ。


9番樋口はレフト前ヒットで根本が三塁を蹴って本塁に向かうが、好返球に阻まれ三塁ストップ。

1番唐澤がブラックス先発、住谷のカーブを左中間スタンドに17号スリーランで3点追加。

7回は加勢、8回は東雲、9回はジェイクと継投策で4-0の完封勝利。


三戦目もスカイウォーカーズは前日と同じスタメンで、先発はリリーフ専門の溝口、ブラックスは試合左の一条。


試合は溝口のノラリクラリなピッチングにブラックス打線はタイミングが合わない。


対するスカイウォーカーズ打線は4回に結城の17号ソロで先制。


だが、ブラックスは6回に疲れの見えた溝口を攻め、4番風間のタイムリーで三塁ランナー城戸がホームイン。


同点になった8回表、ブラックスは5番ウォーリーがツーベースヒットを打ち、6番相川がショートゴロで倒れるも、7番矢澤がライト前に弾き返し逆転。

これが決勝点となり、スカイウォーカーズは1点差で惨敗。



順位は変わらず、首位スカイウォーカーズと2位マーリンズのゲーム差は1.0に縮まった。


そして舞台は東北へ移し、マーリンズとの首位攻防戦がスタートする。
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