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後半戦
緊急事態
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「あれはワザとでは無いでしょう。
見る限りだと、手元が滑ったせいでああいう結果になっただけで、避けきれなかった翔田くんも悪いと思いますよ」
スカイウォーカーズ櫻井ヘッドコーチ談。
「どうだろ…迂闊な事は言えないけど、天海ってキングダムに相当恨みがあるんじゃないの?
しかも、翔田を潰せばキングダムなんて戦力ガタ落ちでしょ?
んー、見たけどああいう風にしてぶつけたとか…
でも、どうかな…どっちともとれるんだよね。
あ、悪いけど匿名にしておいてくれる?」
球団関係者A氏。
「ボクもピッチャーだけど、あれは完全なすっぽ抜けだと思います。
あれで天海選手を責めるのはどうかと思うんですが」
ニックス立花投手。
「ありゃワザととちゃうか?
アイツ、そういうところ根に持つタイプやし、ホントにやりそうやから。
それにしても、翔田は気の毒やな。
あれじゃ、キングダム優勝戦線から脱落するやろな。
浅野監督もかなりキレてるやん?
いっその事、永久追放したらええねん。
確かにアイツとは元チームメイトやったけど、全く言う事聞かへんし、他の選手からも嫌われてるし…」
ドルフィンズ矢幡捕手。
「ちょっと…その件についてノーコメントで。
見ましたけど、ちょっと分からないですね…
」
レッズ与謝野投手。
「これ、どうなんかな?…シロでもクロでもない、グレーゾーンやないか。
ただ言えるのは、あの監督が指示したとは思えんな。
鈴木監督は非情な采配振るけど、ああいう事をしろと指示する事は有り得ないわな。
となると、…憶測でモノは言えんが、怪しいなぁとは思うで」
ブラックス矢澤捕手。
「どっちだっていい!それより、バーチーの文句はオレに言え!」
ヤンキース守山監督。
「故意に当てたとしたら、打ちどころが悪くなって命を落としかねないですし…
多分ですけど、彼は狙ったんじゃないのかな…
証拠は無いけど、やったと思いますよ」
ヤンキース外崎捕手。
天海の件は波紋を呼んだ。
故意だという者もいれば、あれは手が滑ったという者もいる。
ただ、相手がキングダムの翔田という事で様々な憶測が飛び交っている。
浅野監督の怒りは収まらない。
「優勝争いをしている最中にあんな事故が起こった。
あれはアクシデントではなく、最初から狙って投げたに違いない。
翔田を潰せば、ウチの戦力は大幅にダウンする事ぐらい分かっているハズ。
その事を見越してああいう事をしたとしか思えない」
あくまでもあのデッドボールは狙って投げたと主張する。
「あぁ、見たよテレビで。どうって…シロかクロって事でしょ?
あの投げ方だと、ビミョーなんだよねぇ。
狙った投げ方だと言われれば、そう見えるし、そうじゃない、と言われればそう思えるし。
本人が一番よく分かってるんじゃない?
まぁ仮にワザとだとしても、ワザとじゃないって言うだろうね」
試合前、榊は報道陣にこの様なコメントを残した。
「もし、ウチのピッチャーが天海にやられたら?そりゃ、オレが許さないよ!
パワーボムどころの話じゃないね。
二度と投げられないように腕をへし折るね!」
「へし折るんすか…」
「ったりめーじゃん!そのぐらいの事されて当然だろ」
(ホントにやりかねないからな、この人は)
一方、秋田のマーリンズフィールドでは鈴木監督にコメントを求めようと、大勢の記者が待ち構えていた。
グラウンドに姿を現すと、たくさんの報道陣に囲まれた。
「鈴木監督、天海選手の件についてお聞かせ願います!」
「監督!あれは故意だったのですか?」
「翔田は今シーズンほぼ絶望らしいけど、これで優勝争いの1チームが脱落したも同然ですが、これは監督が命令したのですか?」
その質問に対して鈴木監督は
「私にも分からない。何故、あんな事になったのか。
確かにキングダムというチームは、翔田が抜けるとガタッと戦力が落ちる。
だからといって、故意にぶつけてケガを追わせるなんてバカなマネはしない。
そんな事をしたら、野球じゃなくなってしまう。
私が言えるのはそんな事ぐらいだ」
鈴木監督も何故こうなったのか、サッパリ分からないと言う。
そのキングダムは翔田を欠いたメンバーで戦いを余儀なくされた。
その結果通り、キングダムはマーリンズに3-1で敗れてしまう。
見る限りだと、手元が滑ったせいでああいう結果になっただけで、避けきれなかった翔田くんも悪いと思いますよ」
スカイウォーカーズ櫻井ヘッドコーチ談。
「どうだろ…迂闊な事は言えないけど、天海ってキングダムに相当恨みがあるんじゃないの?
しかも、翔田を潰せばキングダムなんて戦力ガタ落ちでしょ?
んー、見たけどああいう風にしてぶつけたとか…
でも、どうかな…どっちともとれるんだよね。
あ、悪いけど匿名にしておいてくれる?」
球団関係者A氏。
「ボクもピッチャーだけど、あれは完全なすっぽ抜けだと思います。
あれで天海選手を責めるのはどうかと思うんですが」
ニックス立花投手。
「ありゃワザととちゃうか?
アイツ、そういうところ根に持つタイプやし、ホントにやりそうやから。
それにしても、翔田は気の毒やな。
あれじゃ、キングダム優勝戦線から脱落するやろな。
浅野監督もかなりキレてるやん?
いっその事、永久追放したらええねん。
確かにアイツとは元チームメイトやったけど、全く言う事聞かへんし、他の選手からも嫌われてるし…」
ドルフィンズ矢幡捕手。
「ちょっと…その件についてノーコメントで。
見ましたけど、ちょっと分からないですね…
」
レッズ与謝野投手。
「これ、どうなんかな?…シロでもクロでもない、グレーゾーンやないか。
ただ言えるのは、あの監督が指示したとは思えんな。
鈴木監督は非情な采配振るけど、ああいう事をしろと指示する事は有り得ないわな。
となると、…憶測でモノは言えんが、怪しいなぁとは思うで」
ブラックス矢澤捕手。
「どっちだっていい!それより、バーチーの文句はオレに言え!」
ヤンキース守山監督。
「故意に当てたとしたら、打ちどころが悪くなって命を落としかねないですし…
多分ですけど、彼は狙ったんじゃないのかな…
証拠は無いけど、やったと思いますよ」
ヤンキース外崎捕手。
天海の件は波紋を呼んだ。
故意だという者もいれば、あれは手が滑ったという者もいる。
ただ、相手がキングダムの翔田という事で様々な憶測が飛び交っている。
浅野監督の怒りは収まらない。
「優勝争いをしている最中にあんな事故が起こった。
あれはアクシデントではなく、最初から狙って投げたに違いない。
翔田を潰せば、ウチの戦力は大幅にダウンする事ぐらい分かっているハズ。
その事を見越してああいう事をしたとしか思えない」
あくまでもあのデッドボールは狙って投げたと主張する。
「あぁ、見たよテレビで。どうって…シロかクロって事でしょ?
あの投げ方だと、ビミョーなんだよねぇ。
狙った投げ方だと言われれば、そう見えるし、そうじゃない、と言われればそう思えるし。
本人が一番よく分かってるんじゃない?
まぁ仮にワザとだとしても、ワザとじゃないって言うだろうね」
試合前、榊は報道陣にこの様なコメントを残した。
「もし、ウチのピッチャーが天海にやられたら?そりゃ、オレが許さないよ!
パワーボムどころの話じゃないね。
二度と投げられないように腕をへし折るね!」
「へし折るんすか…」
「ったりめーじゃん!そのぐらいの事されて当然だろ」
(ホントにやりかねないからな、この人は)
一方、秋田のマーリンズフィールドでは鈴木監督にコメントを求めようと、大勢の記者が待ち構えていた。
グラウンドに姿を現すと、たくさんの報道陣に囲まれた。
「鈴木監督、天海選手の件についてお聞かせ願います!」
「監督!あれは故意だったのですか?」
「翔田は今シーズンほぼ絶望らしいけど、これで優勝争いの1チームが脱落したも同然ですが、これは監督が命令したのですか?」
その質問に対して鈴木監督は
「私にも分からない。何故、あんな事になったのか。
確かにキングダムというチームは、翔田が抜けるとガタッと戦力が落ちる。
だからといって、故意にぶつけてケガを追わせるなんてバカなマネはしない。
そんな事をしたら、野球じゃなくなってしまう。
私が言えるのはそんな事ぐらいだ」
鈴木監督も何故こうなったのか、サッパリ分からないと言う。
そのキングダムは翔田を欠いたメンバーで戦いを余儀なくされた。
その結果通り、キングダムはマーリンズに3-1で敗れてしまう。
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