Baseball Fighter 主砲の一振り2 後編

sky-high

文字の大きさ
上 下
76 / 125
オールスターゲーム

ペナント再開

しおりを挟む
交流戦が終了して、ペナントレースが再開した。


スカイウォーカーズは東北へ移動。


ペナント再開の初戦はマーリンズとの三連戦からスタートする。



スカイウォーカーズの先発は北乃。

対するマーリンズは右の新外国人ジェフリー・アンダーソン。


スタメンはスカイウォーカーズが

1ラファエルRF
2唐澤 CF
3結城 1B
4鬼束 2B
5毒島 3B
6中山 LF
7保坂 C
8北乃 P
9筧 SS


マーリンズのスタメンは


1高野 CF
2井上 2B
3村上 RF
4羽田 3B
5ヘンダーソン 1B
6飯田 C
7松岡 SS
8芳村 LF
9アンダーソン P


本日はデーゲーム。晴れ渡ったマーリンズフィールドには4万人と超満員。

マーリンズカラーと言われる、エメラルドグリーンの上半身のユニフォームを着たファンがあちこちで見受ける。


【Marlins】とあしらった赤の文字が鮮やかで、カジキマグロが釣られているデザインがロゴマークとなっている。



東北も梅雨の季節に入り、ジメジメとした日が続くが今日はよく晴れて湿度も低く、絶好の野球日和だ。


マウンドには新外国人ジェフリー・アンダーソンが投球練習を行っている。

オーストラリア出身でメジャーの経験は無いが、AAAでのピッチングを見た在駐スカウトの推薦により獲得。


197cmという長身から投げ下ろすMAX153kmのフォーシームは角度があり打ちあぐねる。

変化球はスライダー、カットボール、チェンジアップ。

時折ツーシームも投げるが、コントロールが定まらない為、最近は投げていない。


投球練習が終わり、トップバッターのラファエルが左打席に入った。


「I don't see that player in the major leagues.(こんな選手メジャーにいたっけか…)」


ラファエルはアンダーソンをメジャーの選手だと勘違いしている。


そのアンダーソンの第一球はインコースを突くストレート。


「ストライク!」


スピードガンは148kmをマーク。


「It's not a ball I can't hit.(打てない球では無い)」


ラファエルは球筋を見ていた。


ややバットを寝かせて構え、シンプルなフォームで迎え撃つ。

二球目、今度は外へのフォーシーム。


「ボール!」

今のは僅かに外れた。


「It's just a fastball. I can hit it.(フォーシームか…これなら打てる)」


メジャーでは動くストレートを幾度となく見てきた。


アンダーソンが三球目を投げた。


インサイドをえぐるスライダー。


だが、ラファエルは素早くバントの構えをした。


コンっ…


打球はピッチャーとファーストの中間に転がる。


虚をつかれ、ダッシュが遅れた。

ラファエルが快足を飛ばして一塁へ。



ラファエルのセーフティーバント成功で早くも先頭打者が塁にでた。


【2番、センターフィールド!ナンバー1、唐澤斗真!】

独特のアナウンスでコールされ、唐澤がゆっくりと打席に向かう。


交流戦は打率267と振るわなかったが、出塁率は4割を越えている。


ペナント再開で打撃を復調させる事が出来るか。


いつもの様にリラックスした状態でバットを持つ。

力みは全く感じない。


一塁ランナーのラファエルは大きくリードをとる。


アンダーソンがセットポジションに入る。


すかさず牽制。


しかし、ラファエルはこれを読んで素早くベースに戻る。


「セーフ!」


アンダーソンはラファエルを気にする。


もう一回牽制。


これもセーフ。


クイックモーションから初球を投げた。


唐澤は悠然と見送る。


「ボール!」


これは高目に浮いた。



再びセットポジションの体勢に入る。


ラファエルはいぜんとして大きなリードをとる。


素早く振り向きざまに牽制。

「セーフ!」


ラファエルは頭から滑り込んだ。


サインが決まり、クイックモーションから二球目を投げた。


高目のストレート。


「ボール!」


どうやら制球力はあまり良くないみたいだ。


アンダーソンはランナーを気にする。


セットポジションから牽制。


「セーフ」

ラファエルはそれ程大きくリードをとってない。


アンダーソンがクイックから三球目を投げた。


同時にラファエルが走る。


高目にウエストしたボールを唐澤は空振りのアシスト。

キャッチャー飯田が素早いスローイングで二塁へ送球。

ショート松岡がカバーに入りタッチするが、ラファエルが一瞬早くヘッドスライディングでベースをタッチした。


「セーフ!」


ラファエル、盗塁に成功。


9回走って全て成功という、成功率100%の快足だ。


アンダーソンは今まで以上にランナーに気を取られている。


いくらスプリンター並の脚力を誇るラファエルとは言え、三盗はまず無い。


カウントはツーボール、ワンストライク。


アンダーソンが四球目を投げた。


今度は変化球。内側に曲がるスライダーだ。


(曲がりが甘い)


唐澤は力みの無いフォームから最短距離でボールを捕らえた。

インパクトの瞬間、全身に力を込める。


ボールは打球音と共に右中間へ。


陽の光で白球がよく見えない。


センター高野、ライト村上が打球を追うがフェンス手前でポトリと落ちた。


ラファエルは三塁を蹴ってホームへ。


打った唐澤は二塁へ走る。


ラファエルが返ってホームイン。


高野がボールに追いつき、送球するが唐澤は悠々セーフ。


スカイウォーカーズ初回で早くも1点先制。

更にチャンスは続く。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

バレー部入部物語〜それぞれの断髪

S.H.L
青春
バレーボール強豪校に入学した女の子たちの断髪物語

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ビキニに恋した男

廣瀬純一
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。

ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。 彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。 「誰も、お前なんか必要としていない」 最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。 だけどそれも、意味のないことだったのだ。 彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。 なぜ時が戻ったのかは分からない。 それでも、ひとつだけ確かなことがある。 あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。 私は、私の生きたいように生きます。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

処理中です...