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天海の逆襲
交流戦終了
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中邑は1点に抑えるピッチング内容で、4安打9奪三振の好投を見せたが、打線の援護が無く7回で降板。
対するマシンガンズの喜屋武は、打たれそうで打たれないピッチングでスイスイと完封勝利を挙げた。
12球団一の破壊力を誇るスカイウォーカーズ打線だが、毎回爆発するとは限らない。
バッティングとは奥が深い。
翌日は交流戦最終戦とあって、両チーム総力戦で挑んだ。
先発はマシンガンズが前回対戦した、現役メジャーリーガーのルーガー。
対するスカイウォーカーズはここ最近登板機会の無い、右の抑え東雲。
東雲は初の先発とあって、やや緊張の面持ちだ。
スタメンはマシンガンズに変更は無いが、スカイウォーカーズは通常のスタメンに戻し、昨日の雪辱を晴らす。
マシンガンズ先発のルーガーは出だしから絶好調。
1番ラファエルを縦のスライダーで三振。
2番唐澤は威力のある153kmのストレートでレフトフライ。
3番結城には高速スライダーで詰まらせセカンドゴロで三者凡退。
一方の東雲はサイドスローから放たれる回転数の高いストレートを軸に、右打者の懐から外角に逃げるスライダーとカーブ、シンカーを投げ分け打者を翻弄する。
互いに無得点のまま、7回へ。
この回、先頭は7番の畑中。
「交流戦最後だし、ここらで一発かっ飛ばすかなぁ」
陽気に鼻歌交じりで打席に入る。
第一打席はセンターフライ、第二打席はショートゴロとノーヒット。
「Come on, active major leaguer.(来いよ、現役メジャーリーガー)」
帰国子女の畑中は英語が得意だ。
「I'll strike you out. Jap.(三振にしてやるぜ、ジャップ)」
マウンドでルーガーは不敵に挑発する。
「オイオイ、そりゃ差別用語だぜ!そんな事言うなら、お仕置してやらなきゃなぁ」
すると、バットをバックスクリーンへ向けた。
「予告ホームランかっ」
「マジ?」
「ムリだろ?」
ルーガーの顔をみるみる紅潮していく。
「You're fuckin' kidding me!(ふざけやがって、コノヤロー!)」
「おー、怖ぇ」
畑中はリズムをとり始める。
ルーガーはいつも以上に忙しなく動き、苛立ちを隠せない。
「何だ、ありゃ!投げる方も打つ方も、せっかちに動いてんなぁ」
「似通ってる部分があるんでしょうかね」
榊と櫻井はこの対決に注目した。
マウンドの土を踏み鳴らし、ルーガーが初球を投げた。
グォォ、と唸りを上げたストレートがドシーン!とミットに響く。
「ストライク!」
スピードガンは157kmを計測。
メジャーでもここまで速い球を投げたことが無い。
まさに剛球という表現がピッタリなストレートだ。
「へっ、This at-bat is my win.(この打席、オレの勝ちだな)」
この言葉にルーガーはプッツンとした。
「What? There's no way you can hit it!(何だと?お前に打てるワケが無いだろ!)」
畑中は打席でリズムをとっている。
「Is this your best pitch?(これがお前の全力投球なのか?)」
ルーガーはマウンド上で怒り狂う。
「I'll kill you!(コノヤロー、ぶっ殺してやる!)」
瞳孔が開き、鼻息が荒い。
顔どころか、タトゥーを施した右腕まで紅潮している。
怒りに任せ、ルーガーが二球目を投げた。
ギュイーン、とインコースから変化の大きいスライダーがアウトコースへ。
「哈っ!」
気合一閃、目にも留まらぬ速さでバットを振り抜いた。
スライダーの曲がりっぱなを捕らえ、打球は右中間へ。
「いったか!」
ベンチは総立ちだ。
打球はセンター、ライトが追いかける頭上を遥かに越えて最深部のスタンドへ入った。
「No kidding(ウソだろ!)」
マウンドのルーガーは呆然としている。
最高のスライダーをスタンドに運ばれた、そのショックは大きい。
「おー、かなり飛んだなぁ」
畑中はゆっくりとベースを回った。
「スゲー…」
「あのスライダーをスタンドに運ぶとは…」
ナインは唖然としている。
「何て、カンペキで速いスイング…」
比嘉は畑中のスイングに魅せられていた。
「If you hit that slider, I'll lose.(あのスライダーを打たれたら、オレの敗けだ)」
ルーガーは脱帽した。
「さすがだね」
櫻井がベンチ前で出迎えた。
「アザーっす!」
「全く…お前にゃ、驚かされるよ」
榊も畑中の打撃に感心するばかりだ。
「へへへ、どーも」
「スゴい、さすが畑中コーチ!」
「カッコイイっす!」
「ナイスバッティング!」
ナインが次々と祝福する。
この一発でルーガーはマウンドを降り、スカイウォーカーズはその後2点を追加して勝利した。
対するマシンガンズの喜屋武は、打たれそうで打たれないピッチングでスイスイと完封勝利を挙げた。
12球団一の破壊力を誇るスカイウォーカーズ打線だが、毎回爆発するとは限らない。
バッティングとは奥が深い。
翌日は交流戦最終戦とあって、両チーム総力戦で挑んだ。
先発はマシンガンズが前回対戦した、現役メジャーリーガーのルーガー。
対するスカイウォーカーズはここ最近登板機会の無い、右の抑え東雲。
東雲は初の先発とあって、やや緊張の面持ちだ。
スタメンはマシンガンズに変更は無いが、スカイウォーカーズは通常のスタメンに戻し、昨日の雪辱を晴らす。
マシンガンズ先発のルーガーは出だしから絶好調。
1番ラファエルを縦のスライダーで三振。
2番唐澤は威力のある153kmのストレートでレフトフライ。
3番結城には高速スライダーで詰まらせセカンドゴロで三者凡退。
一方の東雲はサイドスローから放たれる回転数の高いストレートを軸に、右打者の懐から外角に逃げるスライダーとカーブ、シンカーを投げ分け打者を翻弄する。
互いに無得点のまま、7回へ。
この回、先頭は7番の畑中。
「交流戦最後だし、ここらで一発かっ飛ばすかなぁ」
陽気に鼻歌交じりで打席に入る。
第一打席はセンターフライ、第二打席はショートゴロとノーヒット。
「Come on, active major leaguer.(来いよ、現役メジャーリーガー)」
帰国子女の畑中は英語が得意だ。
「I'll strike you out. Jap.(三振にしてやるぜ、ジャップ)」
マウンドでルーガーは不敵に挑発する。
「オイオイ、そりゃ差別用語だぜ!そんな事言うなら、お仕置してやらなきゃなぁ」
すると、バットをバックスクリーンへ向けた。
「予告ホームランかっ」
「マジ?」
「ムリだろ?」
ルーガーの顔をみるみる紅潮していく。
「You're fuckin' kidding me!(ふざけやがって、コノヤロー!)」
「おー、怖ぇ」
畑中はリズムをとり始める。
ルーガーはいつも以上に忙しなく動き、苛立ちを隠せない。
「何だ、ありゃ!投げる方も打つ方も、せっかちに動いてんなぁ」
「似通ってる部分があるんでしょうかね」
榊と櫻井はこの対決に注目した。
マウンドの土を踏み鳴らし、ルーガーが初球を投げた。
グォォ、と唸りを上げたストレートがドシーン!とミットに響く。
「ストライク!」
スピードガンは157kmを計測。
メジャーでもここまで速い球を投げたことが無い。
まさに剛球という表現がピッタリなストレートだ。
「へっ、This at-bat is my win.(この打席、オレの勝ちだな)」
この言葉にルーガーはプッツンとした。
「What? There's no way you can hit it!(何だと?お前に打てるワケが無いだろ!)」
畑中は打席でリズムをとっている。
「Is this your best pitch?(これがお前の全力投球なのか?)」
ルーガーはマウンド上で怒り狂う。
「I'll kill you!(コノヤロー、ぶっ殺してやる!)」
瞳孔が開き、鼻息が荒い。
顔どころか、タトゥーを施した右腕まで紅潮している。
怒りに任せ、ルーガーが二球目を投げた。
ギュイーン、とインコースから変化の大きいスライダーがアウトコースへ。
「哈っ!」
気合一閃、目にも留まらぬ速さでバットを振り抜いた。
スライダーの曲がりっぱなを捕らえ、打球は右中間へ。
「いったか!」
ベンチは総立ちだ。
打球はセンター、ライトが追いかける頭上を遥かに越えて最深部のスタンドへ入った。
「No kidding(ウソだろ!)」
マウンドのルーガーは呆然としている。
最高のスライダーをスタンドに運ばれた、そのショックは大きい。
「おー、かなり飛んだなぁ」
畑中はゆっくりとベースを回った。
「スゲー…」
「あのスライダーをスタンドに運ぶとは…」
ナインは唖然としている。
「何て、カンペキで速いスイング…」
比嘉は畑中のスイングに魅せられていた。
「If you hit that slider, I'll lose.(あのスライダーを打たれたら、オレの敗けだ)」
ルーガーは脱帽した。
「さすがだね」
櫻井がベンチ前で出迎えた。
「アザーっす!」
「全く…お前にゃ、驚かされるよ」
榊も畑中の打撃に感心するばかりだ。
「へへへ、どーも」
「スゴい、さすが畑中コーチ!」
「カッコイイっす!」
「ナイスバッティング!」
ナインが次々と祝福する。
この一発でルーガーはマウンドを降り、スカイウォーカーズはその後2点を追加して勝利した。
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