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天海の逆襲
入団会見
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翌日、東北マーリンズは天海昴の獲得を表明し、球団事務所で記者会見を行った。
会見にはマーリンズの鈴木監督も同席した。
たくさんの報道陣が集まり、天海が登場すると一斉にフラッシュが焚かれた。
「何や、眩しいな!あんまりフラッシュ焚かんといてな!」
珍しくスーツ姿で現れると、あまりのフラッシュに天海は目を伏せた。
その後、球団関係者からの説明があり、契約は2年で年俸は3500万。
東京キングダムにいた頃の約15分の1という格安で背番号は99
会見でマーリンズの鈴木監督は
「確かに彼は素行不良だと思う。ただ、こと野球に関しては素晴らしい才能を持っている。
彼を獲得するのに、コーチや球団関係者から猛反対された。
しかし、優勝する為には何としてでも欲しい逸材。
私は時間をかけてコーチ達を説得した。
その熱意が伝わったのか、最終的には承諾を得て獲得に乗り出した。」
とコメントした。
続いて天海に質問が及んだ。
「天海選手、今回東北マーリンズに入団する事となりましたが、マーリンズはどんなイメージがありますか?」
天海は質問した記者をじろりと見るや、吐き捨てる様に言い放った。
「イメージもクソもあるかっ!大体な、こんなチーム知らんねん!」
アホらし、とマイクを机に置いた。
「知らないとは、どういう意味でしょうか?」
尚も質問する。
「おい、オマエどこの記者や?知らんのは知らん!そもそも、誰が4番を打って誰がエースかなんて知らんのや」
鈴木監督は表情を変えず、正面を見ている。
「天海選手、今回マーリンズからのオファーを受けたという事ですが、その件についてはどう思われますか?」
「あぁ、最初連絡もろた時【マーリンズってなんや?】と思たな。
何せ、コッチのリーグはよう知らんねん。
確かに東京のクソ生意気な球団に一時おったけど、アソコもふざけたチームやな。
オレの中では、少しでもあんなチームに在席したのは黒歴史や」
「鈴木監督、天海選手は交流会明けにも一軍登録するという事らしいですが、交流会明けはスカイウォーカーズとの対戦になりますが…」
「私は契約したから即一軍という事はしない。
何せ、いくら才能があると言ってもブランクがある。
先ずは下で実戦感覚を思い出してもらい、それから一軍に上げる予定だ」
すると、天海はマイクを取って言い返した。
「アホか!何で二軍で投げなアカンのや!オレと契約したら即一軍やろが!」
しかし、鈴木監督は動じない。
「誰がそんな事を言った?私は即一軍だなんて事は一度も言ってないぞ」
天海は食い下がる。
「オイオイ、あのなぁオレ程の天才を二軍で投げろて、アンタ頭おかしいんとちゃうか?」
鈴木監督は厳格な人物だ。
元々は千葉ヤンキースのエースとして君臨。
現在監督とヘッドコーチをしている守山と陳はチームメイトで、バーチーヤンキーススタジアムの地下闘技場でバトルを繰り広げたバリバリの元ヤンでもある。
当時の千葉ヤンキースは打のイメージが先行して守山や陳が注目されがちだったが、鈴木監督は地味ながら12年連続二桁勝利をマーク。
精密機械と呼ばれた卓越したコントロールと、鋭く変化するスライダーとシュートの横の揺さぶりで打たせてとるグラウンドボールピッチャーとして、球数の少なさで完投する省エネピッチングを持ち味にしていた。
生涯成績は247勝183敗 防御率は3.27
タイトル獲得こそ無いが、安定感抜群のエースとしてヤンキース投手陣を牽引した。
引退後は解説者を経て、8年前に東北マーリンズの監督に就任。
その間、優勝2回日本一1回。
毎年Aクラス入りという、名采配を振る。
12球団で一番長く監督を続けている。
その名伯楽に早速暴言を吐いた。
会見にはマーリンズの鈴木監督も同席した。
たくさんの報道陣が集まり、天海が登場すると一斉にフラッシュが焚かれた。
「何や、眩しいな!あんまりフラッシュ焚かんといてな!」
珍しくスーツ姿で現れると、あまりのフラッシュに天海は目を伏せた。
その後、球団関係者からの説明があり、契約は2年で年俸は3500万。
東京キングダムにいた頃の約15分の1という格安で背番号は99
会見でマーリンズの鈴木監督は
「確かに彼は素行不良だと思う。ただ、こと野球に関しては素晴らしい才能を持っている。
彼を獲得するのに、コーチや球団関係者から猛反対された。
しかし、優勝する為には何としてでも欲しい逸材。
私は時間をかけてコーチ達を説得した。
その熱意が伝わったのか、最終的には承諾を得て獲得に乗り出した。」
とコメントした。
続いて天海に質問が及んだ。
「天海選手、今回東北マーリンズに入団する事となりましたが、マーリンズはどんなイメージがありますか?」
天海は質問した記者をじろりと見るや、吐き捨てる様に言い放った。
「イメージもクソもあるかっ!大体な、こんなチーム知らんねん!」
アホらし、とマイクを机に置いた。
「知らないとは、どういう意味でしょうか?」
尚も質問する。
「おい、オマエどこの記者や?知らんのは知らん!そもそも、誰が4番を打って誰がエースかなんて知らんのや」
鈴木監督は表情を変えず、正面を見ている。
「天海選手、今回マーリンズからのオファーを受けたという事ですが、その件についてはどう思われますか?」
「あぁ、最初連絡もろた時【マーリンズってなんや?】と思たな。
何せ、コッチのリーグはよう知らんねん。
確かに東京のクソ生意気な球団に一時おったけど、アソコもふざけたチームやな。
オレの中では、少しでもあんなチームに在席したのは黒歴史や」
「鈴木監督、天海選手は交流会明けにも一軍登録するという事らしいですが、交流会明けはスカイウォーカーズとの対戦になりますが…」
「私は契約したから即一軍という事はしない。
何せ、いくら才能があると言ってもブランクがある。
先ずは下で実戦感覚を思い出してもらい、それから一軍に上げる予定だ」
すると、天海はマイクを取って言い返した。
「アホか!何で二軍で投げなアカンのや!オレと契約したら即一軍やろが!」
しかし、鈴木監督は動じない。
「誰がそんな事を言った?私は即一軍だなんて事は一度も言ってないぞ」
天海は食い下がる。
「オイオイ、あのなぁオレ程の天才を二軍で投げろて、アンタ頭おかしいんとちゃうか?」
鈴木監督は厳格な人物だ。
元々は千葉ヤンキースのエースとして君臨。
現在監督とヘッドコーチをしている守山と陳はチームメイトで、バーチーヤンキーススタジアムの地下闘技場でバトルを繰り広げたバリバリの元ヤンでもある。
当時の千葉ヤンキースは打のイメージが先行して守山や陳が注目されがちだったが、鈴木監督は地味ながら12年連続二桁勝利をマーク。
精密機械と呼ばれた卓越したコントロールと、鋭く変化するスライダーとシュートの横の揺さぶりで打たせてとるグラウンドボールピッチャーとして、球数の少なさで完投する省エネピッチングを持ち味にしていた。
生涯成績は247勝183敗 防御率は3.27
タイトル獲得こそ無いが、安定感抜群のエースとしてヤンキース投手陣を牽引した。
引退後は解説者を経て、8年前に東北マーリンズの監督に就任。
その間、優勝2回日本一1回。
毎年Aクラス入りという、名采配を振る。
12球団で一番長く監督を続けている。
その名伯楽に早速暴言を吐いた。
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