Baseball Fighter 主砲の一振り2 後編

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弱小だった頃

オレが変えてやる!

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監督の就任会見では、強気なコメントを連発した。


「オレが監督となったからには、今まで通りにはさせない!不甲斐ないプレーをするヤツには、パワーボムをかます!」


「見てなって、あっという間にチームの雰囲気が変わるから」


「戦力補強は積極的に行う!金にもの言わせてジャンジャン大物を獲得してやる!」


「5年、いや3年で優勝出来るようにしてやる!オレが監督になるんだ、それより早く優勝するかもなワハハハハハハ!」


とまぁ、出るわ出るわ強気発言が。


翌日の各スポーツ紙の見出しには

【榊新監督、強気な発言!選手にはパワーボムをさく裂させてやる!】


【早くも優勝宣言!金に糸目はつけず、大物をバンバン獲得すると豪語】


【ホントに大丈夫か?ビッグマウス連発の無謀監督】


ある球団関係者のコメントは


「あの暴れん坊将軍が監督だって?ムリムリ!どうせすぐにギブアップするよ」


「パワーボムだの、札束で選手の横っ面を引っぱたいて獲得なんて出来るワケないだろ!」


「あんなやつが監督とは、世も末だ」


と酷評された。



その言葉の通り、二月のキャンプインから数日後には監督を引き受けて後悔したという発言をするようになった。


「参ったよ、アイツら思った以上に覇気が無いんだもん。
やれここが痛い、あそこが痛いとかほざいてケガ人続出だよ」



キャンプでの練習メニューに毎日20kmのランニングを課した。


そのお陰で次々と選手がリタイヤ。



「何考えてんですか!毎日20kmも走らせたら、ケガするの当たり前じゃないですか!」


あまりにも無謀な事を強いるので、堪らず高梨が即刻止めるよう忠告した。


「何言ってんだ、このぐらい出来なくてどうする?それに、口出しするなって言ったろ!」


「ものには限度というのがあるでしょう!開幕前からこんなにケガ人ばかり続出して、どうやってシーズンを戦うつもりですか!」

「あぁ、使えないヤツはそのまま二軍に落とせばいいじゃん?それに、イザとなったらどっかから補強すればいいだけの話だろ」


全く意に返さない。


ロクな補強も出来ず、ドラフトでも指名をしたが拒否されるという体たらく。



「これじゃ、今まで以上に酷いチームになってしまう」


嫌な予感は当たった。


「大丈夫、大丈夫!ケガったって、開幕する頃には治るだろう」


しかし、開幕しても回復する者は誰一人いなかった。



「ふざけんなよ、おいっ!こんな戦力でどう戦えっていうんだよ!」


「だから言ったでしょう!あんな練習させるから、開幕前から選手達はバテバテですよっ!」


おまけに開幕から12連敗という、不名誉な記録を更新。


しかも、敗ける度に激怒して選手にパワーボムをかますので、負傷者が更に続出。


「コノヤロー!」


ドガッ!


「グエッ…」


「テメーも食らえ!」


ズダーン!


「ガハッ!」


「ついでにお前も食らえ!」


ドスン!


「ギャーっ!」


武蔵野ボールパークでは試合後の恒例と化した。


「何やってんだ、あの人は!」


高梨がグランドに飛び出し、制止する事もしばしば。


「おい、離せ!まだ終わってないんだよ!」


「いい加減にしてください!これ以上ケガ人を増やしてどうするんですか!」


榊が監督に就任してから、胃痛に悩まされるようになった。





とまぁ、色々と紆余曲折を経て現在では優勝争いを出来るまでに急成長したが、榊よりも高梨の功績が大きい。



「去年の交流戦辺りからチームの雰囲気が変わってきましたね」


「あぁ、そうだな。やっぱり鬼束と結城が入ってきたのが大きかったな」


鬼束、結城という日本を代表するスラッガーを獲得出来たのが大きい。


「それと、ジェイクの加入とピストルズのメンバーが今年からコーチになったのも要因ですね」


「何せ去年休養してメンバー探しにあちこち飛び回ったからなぁ」


バラバラになったピストルズのメンバーを探しに一時期休養した。


「とにかく、我々はこれからも勝ち続けて優勝を目指すのみですね」


「おぅ、勿論だぜ!さて、と。明日のスタメンは誰にするか、ヒロトと相談してくるわ」


「お疲れ様です。では、私は仕事が残ってるのでこれで失礼します」


「おぅ、お疲れ!んじゃまたな!」


二人は球場を後にした。


交流戦は残り数試合。


スカイウォーカーズは去年に引き続き交流戦を制する事が出来るのか。
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