51 / 125
弱小だった頃
5年前
しおりを挟む
圧勝だった。
ラファエルのタッチアップで3点目を取ると、次の唐澤はセンターオーバーのツーベース。
3番結城はフォアボールで出塁し、4番鬼束が2本目となる21号スリーランで更に3点追加。
尚も攻撃は続き、5番毒島がレフト前ヒットで出塁すると、6番中山がセンターに弾き返し、三塁一塁という場面で7番畑中が右中間を深々と破るツーベースで2者生還。
結局打者一巡の猛攻で一挙8点を奪い、試合を決めた。
投げては、先発の真咲がキレのあるストレートと2種類のカーブ、フォークを操り12奪三振の完封勝利。
8勝を挙げ、防御率2.27に加え、115奪三振でリーグトップの成績。
まさか、球界一の遅球が並み居る強打者を牛耳って投手部門の成績を総ナメにするとは誰が予想しただろうか。
翌日の試合、ヤンキースはエースの小橋、スカイウォーカーズは左の片山という先発でスタート。
打順は新外国人ラファエルかトップで筧が9番というオーダー。
そのラファエルは攻守に大活躍。
第一打席、意表を突く初球セーフティバントで出塁すると、二盗三盗を楽々決めて唐澤のセカンドゴロの間に一気に本塁へ突入。
あっという間に1点を先制。
その後は静かな投手戦となったが、8回に先頭のラファエルが二番手山下のストレートをライトスタンドへ運ぶ来日初アーチ。
守備では6回の裏、ワンナウトランナー二塁の場面、4番外崎の当たりをスライディングキャッチすると三塁へ矢のような送球。
二塁ランナーの李はタイミング良くスタートしたが、ラファエルのレーザービームでタッチアウト。
最終回はジェイク・キムラが三人で抑え連勝。
スカイウォーカーズはこの時点でインターカンファレンス単独首位に躍り出た。
「いや~、去年に続いて今年も交流戦首位に立つとは…今まで万年最下位だったのがウソのようだな」
「私もGMを5年やってますが、最強と言っても過言では無いでしょう」
高梨は万年最下位だったスカイウォーカーズを建て直す為にゼネラルマネージャーとして招聘された。
しかし、当時は最下位をキープする弱小チームだった。
5年前
「武蔵野スカイウォーカーズ、これで開幕から何と10連敗!今年も最下位まっしぐらなのか!」
「ったく、コイツら勝とうという気が無いのかね。
リードされると、すぐに諦めちまう悪いクセを直せばいいんだが」
「解説の不栗さんの指摘通り、スカイウォーカーズはリードされると諦めムードが漂います!」
「こんなチームじゃ、誰が監督やっても同じだな、ウワハハハハハハ!」
「お前ら、何ですぐに諦めるんだ?」
「いや~、何でって…オレはあの場面でヒット打ったのに、コイツがゲッツーにするからダメなんすよ」
「オレのせいだって言うのかよ?お前だって、昨日チャンスでゲッツーになったじゃねえかよ」
「ふざけんな、あれはたまたまだろ!お前はしょっちゅうだろうが」
「ふざけんな、お前の方がゲッツー多いだろうが!」
「何だと、コノヤロー!」
ベンチで選手達が責任のなすりつけあいをしている。
「止めろ、そんな事でケンカするな!」
コーチ達が間に入る。
「ケッ、こんなチームじゃヤル気が起きねえよ」
「ホント、ホント。いっそ、トレードにでも出してくれないかなぁ」
「お前ら、いつまでそうやってるつもりだ、ああ?」
「何怒ってんすか、カントク?オレたちゃ、フツーにプレーしてるんすよ。チームが弱いのは采配のせいなんじゃないすか?」
「そうだよな、オレたちは悪くない!むしろ、采配が悪いんだ!」
「そうだそうだ!オレなんか今日ホームラン打ったのに、チームは敗けたんだ!これは采配ミスだろ」
「オレだって1点に抑えたのに、後の連中がバカスカ打たれて敗けたんだ!あんな采配するからダメなんだろ!」
「そうだそうだ!」
「これは、カントクやコーチのせいだ!」
首脳陣を批判する。
「お前ら、いい加減にしろ!敗けた原因をコッチのせいにするんじゃない!」
「だってそうだろうよ!あんなヘボ采配してりゃ、敗けるっつーの!」
「何だと!」
「何だ、やるのか?やるんなら、いつでも相手になるぞ、コラ!かかって来いよ、おい!」
「やってやろうじゃないか!文句のあるヤツはかかって来い!相手になってやる!」
監督がキレた。
「よし、やっちまおう!皆、やってやろうぜ!」
「おぉ!ボコボコにしてやろう!」
「いや…ちょ、待て!待て待て、話せば分かる!な、話し合おう!いや、ちょっと…痛い、何すんだ!止めろ、止めろ~っ!」
監督は選手達からパワーボムやバックドロップ、ブレーンバスター等を次々と食らい、全治2ヶ月という重傷を負った。
監督は入院と同時に辞任。
ヘッドコーチが代理として采配を振るが、チームが浮上する事無く最下位でシーズンを終えた。
ラファエルのタッチアップで3点目を取ると、次の唐澤はセンターオーバーのツーベース。
3番結城はフォアボールで出塁し、4番鬼束が2本目となる21号スリーランで更に3点追加。
尚も攻撃は続き、5番毒島がレフト前ヒットで出塁すると、6番中山がセンターに弾き返し、三塁一塁という場面で7番畑中が右中間を深々と破るツーベースで2者生還。
結局打者一巡の猛攻で一挙8点を奪い、試合を決めた。
投げては、先発の真咲がキレのあるストレートと2種類のカーブ、フォークを操り12奪三振の完封勝利。
8勝を挙げ、防御率2.27に加え、115奪三振でリーグトップの成績。
まさか、球界一の遅球が並み居る強打者を牛耳って投手部門の成績を総ナメにするとは誰が予想しただろうか。
翌日の試合、ヤンキースはエースの小橋、スカイウォーカーズは左の片山という先発でスタート。
打順は新外国人ラファエルかトップで筧が9番というオーダー。
そのラファエルは攻守に大活躍。
第一打席、意表を突く初球セーフティバントで出塁すると、二盗三盗を楽々決めて唐澤のセカンドゴロの間に一気に本塁へ突入。
あっという間に1点を先制。
その後は静かな投手戦となったが、8回に先頭のラファエルが二番手山下のストレートをライトスタンドへ運ぶ来日初アーチ。
守備では6回の裏、ワンナウトランナー二塁の場面、4番外崎の当たりをスライディングキャッチすると三塁へ矢のような送球。
二塁ランナーの李はタイミング良くスタートしたが、ラファエルのレーザービームでタッチアウト。
最終回はジェイク・キムラが三人で抑え連勝。
スカイウォーカーズはこの時点でインターカンファレンス単独首位に躍り出た。
「いや~、去年に続いて今年も交流戦首位に立つとは…今まで万年最下位だったのがウソのようだな」
「私もGMを5年やってますが、最強と言っても過言では無いでしょう」
高梨は万年最下位だったスカイウォーカーズを建て直す為にゼネラルマネージャーとして招聘された。
しかし、当時は最下位をキープする弱小チームだった。
5年前
「武蔵野スカイウォーカーズ、これで開幕から何と10連敗!今年も最下位まっしぐらなのか!」
「ったく、コイツら勝とうという気が無いのかね。
リードされると、すぐに諦めちまう悪いクセを直せばいいんだが」
「解説の不栗さんの指摘通り、スカイウォーカーズはリードされると諦めムードが漂います!」
「こんなチームじゃ、誰が監督やっても同じだな、ウワハハハハハハ!」
「お前ら、何ですぐに諦めるんだ?」
「いや~、何でって…オレはあの場面でヒット打ったのに、コイツがゲッツーにするからダメなんすよ」
「オレのせいだって言うのかよ?お前だって、昨日チャンスでゲッツーになったじゃねえかよ」
「ふざけんな、あれはたまたまだろ!お前はしょっちゅうだろうが」
「ふざけんな、お前の方がゲッツー多いだろうが!」
「何だと、コノヤロー!」
ベンチで選手達が責任のなすりつけあいをしている。
「止めろ、そんな事でケンカするな!」
コーチ達が間に入る。
「ケッ、こんなチームじゃヤル気が起きねえよ」
「ホント、ホント。いっそ、トレードにでも出してくれないかなぁ」
「お前ら、いつまでそうやってるつもりだ、ああ?」
「何怒ってんすか、カントク?オレたちゃ、フツーにプレーしてるんすよ。チームが弱いのは采配のせいなんじゃないすか?」
「そうだよな、オレたちは悪くない!むしろ、采配が悪いんだ!」
「そうだそうだ!オレなんか今日ホームラン打ったのに、チームは敗けたんだ!これは采配ミスだろ」
「オレだって1点に抑えたのに、後の連中がバカスカ打たれて敗けたんだ!あんな采配するからダメなんだろ!」
「そうだそうだ!」
「これは、カントクやコーチのせいだ!」
首脳陣を批判する。
「お前ら、いい加減にしろ!敗けた原因をコッチのせいにするんじゃない!」
「だってそうだろうよ!あんなヘボ采配してりゃ、敗けるっつーの!」
「何だと!」
「何だ、やるのか?やるんなら、いつでも相手になるぞ、コラ!かかって来いよ、おい!」
「やってやろうじゃないか!文句のあるヤツはかかって来い!相手になってやる!」
監督がキレた。
「よし、やっちまおう!皆、やってやろうぜ!」
「おぉ!ボコボコにしてやろう!」
「いや…ちょ、待て!待て待て、話せば分かる!な、話し合おう!いや、ちょっと…痛い、何すんだ!止めろ、止めろ~っ!」
監督は選手達からパワーボムやバックドロップ、ブレーンバスター等を次々と食らい、全治2ヶ月という重傷を負った。
監督は入院と同時に辞任。
ヘッドコーチが代理として采配を振るが、チームが浮上する事無く最下位でシーズンを終えた。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説

光のもとで1
葉野りるは
青春
一年間の療養期間を経て、新たに高校へ通いだした翠葉。
小さいころから学校を休みがちだった翠葉は人と話すことが苦手。
自分の身体にコンプレックスを抱え、人に迷惑をかけることを恐れ、人の中に踏み込んでいくことができない。
そんな翠葉が、一歩一歩ゆっくりと歩きだす。
初めて心から信頼できる友達に出逢い、初めての恋をする――
(全15章の長編小説(挿絵あり)。恋愛風味は第三章から出てきます)
10万文字を1冊として、文庫本40冊ほどの長さです。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】
意味がわかると怖い話
邪神 白猫
ホラー
【意味がわかると怖い話】解説付き
基本的には読めば誰でも分かるお話になっていますが、たまに激ムズが混ざっています。
※完結としますが、追加次第随時更新※
YouTubeにて、朗読始めました(*'ω'*)
お休み前や何かの作業のお供に、耳から読書はいかがですか?📕
https://youtube.com/@yuachanRio

百物語 厄災
嵐山ノキ
ホラー
怪談の百物語です。一話一話は長くありませんのでお好きなときにお読みください。渾身の仕掛けも盛り込んでおり、最後まで読むと驚くべき何かが提示されます。
小説家になろう、エブリスタにも投稿しています。

悪役令嬢カテリーナでございます。
くみたろう
恋愛
………………まあ、私、悪役令嬢だわ……
気付いたのはワインを頭からかけられた時だった。
どうやら私、ゲームの中の悪役令嬢に生まれ変わったらしい。
40歳未婚の喪女だった私は今や立派な公爵令嬢。ただ、痩せすぎて骨ばっている体がチャームポイントなだけ。
ぶつかるだけでアタックをかます強靭な骨の持ち主、それが私。
40歳喪女を舐めてくれては困りますよ? 私は没落などしませんからね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる