Baseball Fighter 主砲の一振り2 後編

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新戦力

結局獲得

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「守備と走塁が良いのは分かったけど、打つ方はどうなんだよ?打つのがダメなら、そこら辺の守備要員や代走なんかと一緒じゃないのかよ?」


「見てください、ここを。長打は少ないけど、セーフティバントが得意でシーズン中は何度もバントを成功させてるって書いてありますよね」


「バントって言ってもなぁ…それなら、日本の選手だっていいんじゃないのか」


まだまだ納得していない。


「メジャーでは長打は少ないけど、日本の野球だったら長打は増えますって。それに、出塁率だってかなり高いじゃないですか」


高梨も食い下がる。


「だってさぁ、トップバッターも出塁率もウチには筧がいるんだぜ。筧が1番を打ってるし、同じタイプなら必要無いんじゃないか」


「それは…そうなんですが、このラファエルという選手をトップバッターにしてもいいと思いますよ」


「それじゃ、筧が可哀想だろ。最初は9番打って途中からトップバッターで定着したのに、また9番に戻すのかよ」


榊の言う事も分からないでもない。


筧にしてみれば、ここまでトップバッターとしての役割を果たしているのに、新外国人が来たら9番に戻るというのは酷だ。


「じゃあ、この選手を9番にしてみるのはどうですか?」


「9番って…わざわざアメリカから獲得して、9番打たせるのかよ?」


「榊さん、助っ人外国人は主砲じゃなきゃダメという概念を外してもらえませんか?いいじゃないですか、助っ人外国人が9番打っても」


高梨にしては珍しく主張している。


余程、この助っ人外国人を評価しているのだろう。


「うーん…どうしてもコイツじゃなきゃダメ?」


「ええ、私は絶対に獲得するべきだと思います」


いつになく、自信に満ちた顔で言い切った。


「…まぁ、お前がそう言うなら仕方ないか」


「これは私だけじゃなく、ヒロトも同じ意見です」


「えっ、ヒロトも同じ事言ってるの?」


途端に表情が変わった。


「はい。私とヒロトが彼のプレーをビデオで観て判断しました。これなら日本でも通用すると」


「ヒロトのお墨付きなら、しょうがねぇか」


榊は櫻井に全幅の信頼を寄せている。

櫻井が良いと言えば、榊はそれを信じる。


「ありがとうございます!では早速、交渉を始めます」




ラファエル・バティストゥータとの交渉を行い、トントン拍子に契約に合意した。




数日後、ラファエル・バティストゥータは来日した。


188cm、82kgという長身で長い手足。

やや細身だが、黒人特有の身体能力の高さをうかがえる靱やかでバネがありそうな身体付き。


登録名はラファエル。

契約はシーズン途中ながら1年という期間で、背番号は9を用意した。


「I'm proud to be a member of the Skywalkers.

I'll try my best to win the championship for the team.(スカイウォーカーズの一員になれた事を誇りに思う。

チームの為に全力を尽くして優勝したい)」


記者会見でラファエルはこうコメントした。



その後、ラファエルはチームと合流し、明日からの千葉ヤンキース戦に出場する予定だ。



ラファエルはスカイウォーカーズの救世主となれるのか。
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