44 / 125
新戦力
結局獲得
しおりを挟む
「守備と走塁が良いのは分かったけど、打つ方はどうなんだよ?打つのがダメなら、そこら辺の守備要員や代走なんかと一緒じゃないのかよ?」
「見てください、ここを。長打は少ないけど、セーフティバントが得意でシーズン中は何度もバントを成功させてるって書いてありますよね」
「バントって言ってもなぁ…それなら、日本の選手だっていいんじゃないのか」
まだまだ納得していない。
「メジャーでは長打は少ないけど、日本の野球だったら長打は増えますって。それに、出塁率だってかなり高いじゃないですか」
高梨も食い下がる。
「だってさぁ、トップバッターも出塁率もウチには筧がいるんだぜ。筧が1番を打ってるし、同じタイプなら必要無いんじゃないか」
「それは…そうなんですが、このラファエルという選手をトップバッターにしてもいいと思いますよ」
「それじゃ、筧が可哀想だろ。最初は9番打って途中からトップバッターで定着したのに、また9番に戻すのかよ」
榊の言う事も分からないでもない。
筧にしてみれば、ここまでトップバッターとしての役割を果たしているのに、新外国人が来たら9番に戻るというのは酷だ。
「じゃあ、この選手を9番にしてみるのはどうですか?」
「9番って…わざわざアメリカから獲得して、9番打たせるのかよ?」
「榊さん、助っ人外国人は主砲じゃなきゃダメという概念を外してもらえませんか?いいじゃないですか、助っ人外国人が9番打っても」
高梨にしては珍しく主張している。
余程、この助っ人外国人を評価しているのだろう。
「うーん…どうしてもコイツじゃなきゃダメ?」
「ええ、私は絶対に獲得するべきだと思います」
いつになく、自信に満ちた顔で言い切った。
「…まぁ、お前がそう言うなら仕方ないか」
「これは私だけじゃなく、ヒロトも同じ意見です」
「えっ、ヒロトも同じ事言ってるの?」
途端に表情が変わった。
「はい。私とヒロトが彼のプレーをビデオで観て判断しました。これなら日本でも通用すると」
「ヒロトのお墨付きなら、しょうがねぇか」
榊は櫻井に全幅の信頼を寄せている。
櫻井が良いと言えば、榊はそれを信じる。
「ありがとうございます!では早速、交渉を始めます」
ラファエル・バティストゥータとの交渉を行い、トントン拍子に契約に合意した。
数日後、ラファエル・バティストゥータは来日した。
188cm、82kgという長身で長い手足。
やや細身だが、黒人特有の身体能力の高さをうかがえる靱やかでバネがありそうな身体付き。
登録名はラファエル。
契約はシーズン途中ながら1年という期間で、背番号は9を用意した。
「I'm proud to be a member of the Skywalkers.
I'll try my best to win the championship for the team.(スカイウォーカーズの一員になれた事を誇りに思う。
チームの為に全力を尽くして優勝したい)」
記者会見でラファエルはこうコメントした。
その後、ラファエルはチームと合流し、明日からの千葉ヤンキース戦に出場する予定だ。
ラファエルはスカイウォーカーズの救世主となれるのか。
「見てください、ここを。長打は少ないけど、セーフティバントが得意でシーズン中は何度もバントを成功させてるって書いてありますよね」
「バントって言ってもなぁ…それなら、日本の選手だっていいんじゃないのか」
まだまだ納得していない。
「メジャーでは長打は少ないけど、日本の野球だったら長打は増えますって。それに、出塁率だってかなり高いじゃないですか」
高梨も食い下がる。
「だってさぁ、トップバッターも出塁率もウチには筧がいるんだぜ。筧が1番を打ってるし、同じタイプなら必要無いんじゃないか」
「それは…そうなんですが、このラファエルという選手をトップバッターにしてもいいと思いますよ」
「それじゃ、筧が可哀想だろ。最初は9番打って途中からトップバッターで定着したのに、また9番に戻すのかよ」
榊の言う事も分からないでもない。
筧にしてみれば、ここまでトップバッターとしての役割を果たしているのに、新外国人が来たら9番に戻るというのは酷だ。
「じゃあ、この選手を9番にしてみるのはどうですか?」
「9番って…わざわざアメリカから獲得して、9番打たせるのかよ?」
「榊さん、助っ人外国人は主砲じゃなきゃダメという概念を外してもらえませんか?いいじゃないですか、助っ人外国人が9番打っても」
高梨にしては珍しく主張している。
余程、この助っ人外国人を評価しているのだろう。
「うーん…どうしてもコイツじゃなきゃダメ?」
「ええ、私は絶対に獲得するべきだと思います」
いつになく、自信に満ちた顔で言い切った。
「…まぁ、お前がそう言うなら仕方ないか」
「これは私だけじゃなく、ヒロトも同じ意見です」
「えっ、ヒロトも同じ事言ってるの?」
途端に表情が変わった。
「はい。私とヒロトが彼のプレーをビデオで観て判断しました。これなら日本でも通用すると」
「ヒロトのお墨付きなら、しょうがねぇか」
榊は櫻井に全幅の信頼を寄せている。
櫻井が良いと言えば、榊はそれを信じる。
「ありがとうございます!では早速、交渉を始めます」
ラファエル・バティストゥータとの交渉を行い、トントン拍子に契約に合意した。
数日後、ラファエル・バティストゥータは来日した。
188cm、82kgという長身で長い手足。
やや細身だが、黒人特有の身体能力の高さをうかがえる靱やかでバネがありそうな身体付き。
登録名はラファエル。
契約はシーズン途中ながら1年という期間で、背番号は9を用意した。
「I'm proud to be a member of the Skywalkers.
I'll try my best to win the championship for the team.(スカイウォーカーズの一員になれた事を誇りに思う。
チームの為に全力を尽くして優勝したい)」
記者会見でラファエルはこうコメントした。
その後、ラファエルはチームと合流し、明日からの千葉ヤンキース戦に出場する予定だ。
ラファエルはスカイウォーカーズの救世主となれるのか。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説

光のもとで1
葉野りるは
青春
一年間の療養期間を経て、新たに高校へ通いだした翠葉。
小さいころから学校を休みがちだった翠葉は人と話すことが苦手。
自分の身体にコンプレックスを抱え、人に迷惑をかけることを恐れ、人の中に踏み込んでいくことができない。
そんな翠葉が、一歩一歩ゆっくりと歩きだす。
初めて心から信頼できる友達に出逢い、初めての恋をする――
(全15章の長編小説(挿絵あり)。恋愛風味は第三章から出てきます)
10万文字を1冊として、文庫本40冊ほどの長さです。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。


実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】

悪役令嬢カテリーナでございます。
くみたろう
恋愛
………………まあ、私、悪役令嬢だわ……
気付いたのはワインを頭からかけられた時だった。
どうやら私、ゲームの中の悪役令嬢に生まれ変わったらしい。
40歳未婚の喪女だった私は今や立派な公爵令嬢。ただ、痩せすぎて骨ばっている体がチャームポイントなだけ。
ぶつかるだけでアタックをかます強靭な骨の持ち主、それが私。
40歳喪女を舐めてくれては困りますよ? 私は没落などしませんからね。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる