Baseball Fighter 主砲の一振り2 後編

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何がなんでも優勝

スーパーサブ

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翌日はナイトゲームで午後6時に試合開始。


先発はスカイウォーカーズが北乃、ドジャースは左のウィーラー。


先に点を取ったのはドジャース。


5回の裏、5番吉岡が北乃のナックルカーブを捕え、左中間スタンドへ第19号のソロホームラン。


北乃はこの1点だけに抑え、前回の登板でマスターしたナックルパームで三振の山を築く。


対するドジャースのウィーラーは長身から角度のあるストレートとスライダー、カットボールを駆使して凡打に抑える。


しかし6回の表、5番毒島がライトフェンス直撃のツーベースヒットで出塁。


続く中山はフォアボールで、7番畑中がセンター前に弾き返し同点に追いつく。


更に8回の面、2番唐澤がレフト線を破るツーベースヒットで出塁すると、3番結城はライトの頭上を越えるタイムリースリーベースヒットで逆転。

4番鬼束はウィーラーの甘く入ったスライダーを、センターバックスクリーンへ第19号のツーランホームランで2点追加。


北乃は1失点の完投で4勝目をマーク。


インターカンファレンスの順位は

1東京キングダム
2武蔵野スカイウォーカーズ
3札幌ウォーリアーズ
4東北マーリンズ
5奈良ドルフィンズ
6琉球マシンガンズ
7千葉ヤンキース
8北九州ドジャース
9長野ニックス
10北陸レッズ
11長州レボリューションズ
12愛媛ブラックス


という順位で、ゲーム差はほとんど無いに等しい。


どのチームが首位になってもおかしくない程の混戦で、予想が難しい。



スカイウォーカーズは北九州から舞台を関西に移し、明日から5位の奈良ドルフィンズとの連戦を控える。


その頃、千葉のバーチーヤンキースタジアムでは千葉ヤンキース対東北マーリンズとの一戦が行われていたが、またもやスタンドには天海の姿が。


しかし、周りは生粋のヤンキーばかりとあって、天海はヤンキー達に囲まれてしまう。


「テメー、何しにここへ来たんだ!」


「はぁ?何って、野球観戦に決まっとるやないか!」


「テメーみたいな、球界のお荷物が来るような場所じゃねえ!とっとと帰れ!」


「そうだ、帰れ!」


「帰れ!帰れ!」


「何言うとんのじゃ、ワレ!オレがここに来たらアカンって、誰が言ってるんや!」


「テメー!ケンカ売ってんのか、コラァ!」


「ほぅ、やるんか?ええで、どっからでもかかって来いやぁ!」


ヤンキー数名と大立ち回りをして負傷。


天海はますます球界復帰が遠のいた。



そんな中、ある球団が天海を獲得しようと水面下で動いている。


東北マーリンズだ。



マーリンズはもう一人軸となる先発を必要としている。


素行不良だが、天海の才能を埋もれてしまうのは惜しい。


首脳陣は難色を示しているが、マーリンズの鈴木監督は天海獲得を希望している。


果たして天海はマーリンズに入団するのか。




「ふぁぁあ…ったく、寝不足で何もしなくないな」


「だから言ったでしょう、飲むのも程々にしてくださいって」



どうやら、昨晩は中洲でどんちゃん騒ぎをしたみたいだ。


「なぁ、高梨。今のところ、選手達は特にケガも無く何とかプレイしてるけど、もし誰かがケガしたら、その時は誰を代わりに出すのか…」


「ケガをしたらという前提でしょうけど、出来ればそんな事は回避したいですよ」


「そうなんだけどさぁ、万が一って事があるだろ?」


「うーん…レギュラーと控えの差があり過ぎますからねぇ。ウチは守備要員とか代走要員をあまり使わないし、スタメンの選手が全試合出場出来るかっていわれれば、それは無理だし」

「だろ?だから、そういう時の選手って誰がいいかって考えたんだけど、全く思いつかないんだよな」


珍しく選手の事を考えている。


「元々レギュラーと控えじゃ、実力の差は歴然ですから」


「ウチもスーパーサブ的な選手が必要な気がするんだけど、いいのがいるかな?」



「スーパーサブですか…どうかなぁ?」


スカイウォーカーズに控えの選手はいるが、イザという時頼りになる選手は皆無だ。


「また二軍から引っ張ってくるかな…中ちゃんにも聞かなきゃ」


「二軍から上げるよりも、今いる控え選手を使えばいいじゃないですか」


「アイツらは、なんつーか覇気が無いんだよ。どうせベンチ要員だろ的な考えだから、ヤル気が感じないんだよ」


実際、控え選手を起用したケースは少ない。


それ故に、レギュラーの選手を酷使してしまう。


榊はその点を懸念している。



「じゃあ、ちょっと二軍にいいのがいるかどうか確認してみますね」


高梨は球団スタッフに二軍の様子を聞いてみた。




「一人いる事はいるみたいなんですが、どうも扱い難いみたいですよ」


「ほー、扱い難いのか。で、何ていうヤツなんだ?」


「えーっと…来栖悠介(くるすゆうすけ)内外野どこでも守れるユーティリティープレイヤーですけど、変な理屈をつけて試合に出たがらないみたいです」


「何だ、そりゃ?」


また一人、いわく付きな人物が登場しそうだ。
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