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優勝するためには
連敗そしてミーティング
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比嘉にツーランを打たれ2点追加。
スカイウォーカーズは3点リードされた。
「あー、比嘉一人にやられてるな」
「恐るべしですね」
「代えるか?」
「そうですね」
榊はここでピッチャーを交代。
二番手は左の中継ぎ関川を投入。
打席には4番のボーン。
第一打席はツーベースヒット、第二打席はセンターフライ。
関川は主に先発ローテーションの谷間やロングリリーフで活躍。
今日がこれで13試合目の登板。
持ち球は140台のストレートとスライダー、カーブ、シンカー。
「これ以上点をやることは出来ない」
「わかってるって」
4番ボーンが左打席に入る。
左対左だが、ボーンは左ピッチャーを苦にしない。
投球練習が終わり、関川はサインに頷き初球を投げた。
外角へ流れるスライダー。ボーンは余裕で見逃す。
「ボール」
まずは変化球で攻めた。
二球目はインコースへズバッと決まるストレート。
(ストライク!)
ワンボール、ワンストライク。
三球目はインハイにストレート。
しかし、これを見送ってボール。
四球目はスライダー。
ボーンこれを空振り。
「ストライク!」
カウントはツーナッシング。
「ツーストライクになると構えが変わるよな」
「適応能力は優れてますね」
メジャーでもツーストライクに追い込まれると、コンパクトなバッティングに切り替え単打を放つ。
長打は無いとは言え、塁に出したくないバッターだ。
関川が五球目を投げた。
インコース低目へ落ちるシンカー。
しかし、ボーンは手を出さない。
「ボール」
「おい、あれを見送るのかよ」
「選球眼の良さとでも言うのでしょうか。それでもあのシンカーを見送るとは」
結局ボーンは歩かせて、後続を打ち取った。
「あぁ~、クソっ!3連敗かよ」
「交流戦になった途端、勝てなくなりましたね」
「ついこの前まで首位を独走していたのに、交流戦になったら連敗って…何が原因だ?」
試合は3-0の完封負けで3連敗を喫した。
「うーん…打順を変えてみてはどうだ?」
高峰が提案した。
「それなら、ピッチャーの起用法を変えた方がいいんじゃないすか」
コーチ兼任の畑中は言い返す。
「何言ってんだ、投手陣はちゃんとやってるだろ!そもそも打てないのが悪いんじゃないか!」
「あれれ~、野手のせいにするんすかぁ?」
「おい、止めろって!コーチがケンカしてどうする!」
大和が間に割って入った。
「打順もピッチャーの起用法も変える事はないですよ。ただ、相手の方が一枚上手だったというだけです」
「そうだな、ヒロトの言う通りだ!ここで、あーだこーだ言っても始まらない。とにかく気持ちを切り替えて明日勝てばいいんだ」
「勝てるかしら…?」
「何だよ、舞…明日も敗けるって言うのかよ?」
「ううん、そんなんじゃないけど…どうもチームがチグハグな気がして」
「チグハグ?」
「チグハグというか…相手の後手後手に回って試合してるような気がして」
「…舞さんの言う通りかもしれませんね。我々もそうだし、選手達も慎重になり過ぎてるのかもしれない。
もっと攻撃的な試合をしないと」
打たれたらどうしよう…
打てなかったらどうしよう…
そんな事を考えながらプレーしていたのかもしれない。
「Now is the time to play the Pistols!(今こそピストルズの野球をやるんだ!)」
トーマスが吠えた。
「そうか、オレたちはピストルズの野球しか知らないんだ」
「こんな時、ヤマオカ監督ならどんな采配したでしょうかね」
「真っ向勝負だろ!」
「そうよね、小細工なんてする必要ないわ!正々堂々ぶつかればいいのよ!」
「それしかないよな!おい、ゴリラ!オメー、たまにはいい事言うじゃねえかよ!」
「サカキーっ!ゴリラノー!」
「分かった、分かった!お前はトーマスだ!ゴリラじゃねぇ、だから離せ!」
トーマスは榊をヘッドロックに捕らえた。
「コーチや監督がこれだけ元気なんだから、明日は勝てますよ」
「ヘッドコーチの仰る通り、明日は勝とう!」
「イェーっ!」
そんなこんなで試合後のミーティングは終了した。
これで明日は勝てるのだろうか。
スカイウォーカーズは3点リードされた。
「あー、比嘉一人にやられてるな」
「恐るべしですね」
「代えるか?」
「そうですね」
榊はここでピッチャーを交代。
二番手は左の中継ぎ関川を投入。
打席には4番のボーン。
第一打席はツーベースヒット、第二打席はセンターフライ。
関川は主に先発ローテーションの谷間やロングリリーフで活躍。
今日がこれで13試合目の登板。
持ち球は140台のストレートとスライダー、カーブ、シンカー。
「これ以上点をやることは出来ない」
「わかってるって」
4番ボーンが左打席に入る。
左対左だが、ボーンは左ピッチャーを苦にしない。
投球練習が終わり、関川はサインに頷き初球を投げた。
外角へ流れるスライダー。ボーンは余裕で見逃す。
「ボール」
まずは変化球で攻めた。
二球目はインコースへズバッと決まるストレート。
(ストライク!)
ワンボール、ワンストライク。
三球目はインハイにストレート。
しかし、これを見送ってボール。
四球目はスライダー。
ボーンこれを空振り。
「ストライク!」
カウントはツーナッシング。
「ツーストライクになると構えが変わるよな」
「適応能力は優れてますね」
メジャーでもツーストライクに追い込まれると、コンパクトなバッティングに切り替え単打を放つ。
長打は無いとは言え、塁に出したくないバッターだ。
関川が五球目を投げた。
インコース低目へ落ちるシンカー。
しかし、ボーンは手を出さない。
「ボール」
「おい、あれを見送るのかよ」
「選球眼の良さとでも言うのでしょうか。それでもあのシンカーを見送るとは」
結局ボーンは歩かせて、後続を打ち取った。
「あぁ~、クソっ!3連敗かよ」
「交流戦になった途端、勝てなくなりましたね」
「ついこの前まで首位を独走していたのに、交流戦になったら連敗って…何が原因だ?」
試合は3-0の完封負けで3連敗を喫した。
「うーん…打順を変えてみてはどうだ?」
高峰が提案した。
「それなら、ピッチャーの起用法を変えた方がいいんじゃないすか」
コーチ兼任の畑中は言い返す。
「何言ってんだ、投手陣はちゃんとやってるだろ!そもそも打てないのが悪いんじゃないか!」
「あれれ~、野手のせいにするんすかぁ?」
「おい、止めろって!コーチがケンカしてどうする!」
大和が間に割って入った。
「打順もピッチャーの起用法も変える事はないですよ。ただ、相手の方が一枚上手だったというだけです」
「そうだな、ヒロトの言う通りだ!ここで、あーだこーだ言っても始まらない。とにかく気持ちを切り替えて明日勝てばいいんだ」
「勝てるかしら…?」
「何だよ、舞…明日も敗けるって言うのかよ?」
「ううん、そんなんじゃないけど…どうもチームがチグハグな気がして」
「チグハグ?」
「チグハグというか…相手の後手後手に回って試合してるような気がして」
「…舞さんの言う通りかもしれませんね。我々もそうだし、選手達も慎重になり過ぎてるのかもしれない。
もっと攻撃的な試合をしないと」
打たれたらどうしよう…
打てなかったらどうしよう…
そんな事を考えながらプレーしていたのかもしれない。
「Now is the time to play the Pistols!(今こそピストルズの野球をやるんだ!)」
トーマスが吠えた。
「そうか、オレたちはピストルズの野球しか知らないんだ」
「こんな時、ヤマオカ監督ならどんな采配したでしょうかね」
「真っ向勝負だろ!」
「そうよね、小細工なんてする必要ないわ!正々堂々ぶつかればいいのよ!」
「それしかないよな!おい、ゴリラ!オメー、たまにはいい事言うじゃねえかよ!」
「サカキーっ!ゴリラノー!」
「分かった、分かった!お前はトーマスだ!ゴリラじゃねぇ、だから離せ!」
トーマスは榊をヘッドロックに捕らえた。
「コーチや監督がこれだけ元気なんだから、明日は勝てますよ」
「ヘッドコーチの仰る通り、明日は勝とう!」
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そんなこんなで試合後のミーティングは終了した。
これで明日は勝てるのだろうか。
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