Baseball Fighter 主砲の一振り2 後編

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優勝するためには

交流戦

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ここは吉祥寺の武蔵野ボールパーク。

武蔵野スカイウォーカーズの本拠地でもある。

現在プロ野球は交流戦のシーズンでアポロリーグとネプチューンリーグのチームが対戦している。

スカイウォーカーズは現在ネプチューンリーグの首位を独走しているが、一体どうなる事やら。


そのスカイウォーカーズは今夜アポロリーグ2位の琉球マシンガンズとの連戦をスタートする。



琉球マシンガンズはスカイウォーカーズと同じく昨年までは万年最下位というチームだったが、昨年オフに戦力を大きく変えた。

球界最年長選手だった喜屋武盛実(きゃんもりさね)が現役を引退して監督に就任した。

それと同時に戦力を補強する為にトレードや海外からの選手を獲得し、上手く起用して今年の躍進の象徴になった。


気になる選手はアメリカから来日したドウェイン・ルーガー投手。

メジャーリーグ ロサンゼルス・コルツに所属して昨年はケガにより解雇されたが、一昨年は14勝を挙げている。

ハードスライダーと呼ばれ、鋭く変化するスライダーを武器に154kmのフォーシームとチェンジアップを操る。

野手ではこれまたメジャーリーグ シカゴ・ハンターズで主軸を担っていたマイケル・ボーン。

195cm、109kgという巨体の黒人選手でその巨体とは裏腹に、コンパクトなスイングでヒットを量産。

おまけに強肩でライトからホームまでノーバンで矢のような送球を投げる。


この2人に触発されるように、日本人選手が活躍して2位という好位置をキープ。



そのマシンガンズ相手にスカイウォーカーズはどんな戦い方をするのか。


スカイウォーカーズの先発はエース中邑。

マシンガンズは昨年ドラフト1位で大学ナンバーワン左腕と言われた猪木貴教(いのきたかのり)

榊がこんな選手は要らないとドラフトで指名しなかったが、猪木は開幕から一軍で投げ、5勝2敗  防御率3.34と好投している。


もし、スカイウォーカーズが猪木を獲得していたら…なんて事が頭を過る。



スカイウォーカーズのスターティングメンバーは

1筧
2唐澤
3結城
4鬼束
5毒島
6中山
7保坂
8中邑
9梁屋


対するマシンガンズは
1照屋
2下平
3比嘉
4ボーン
5吉原
6田野倉
7村上
8平良
9猪木

というオーダーだ。



「さぁ、これから武蔵野スカイウォーカーズ対琉球マシンガンズの交流戦がスタートします。今年から新たに解説に加わった田間井尻(たまいじり)さんと共に、実況はワタクシ、鉾田珍之助がお送りします」


どうやら前の解説者の不栗はクビになったみたいだ。


「ところで田間井尻さん。スカイウォーカーズはともかく、マシンガンズの躍進。これはアポロリーグの台風の目とでも言うんでしょうか。この躍進の秘訣はなんだと思いますか?」


「ん?そりゃオメー、金だよ金!大枚はたいて戦力補強したんだから、金しかないだろう!違うか?ん?」


何となくだが、この田間井尻という解説者も不栗と同じような匂いが漂う。

「成程。では交流戦連敗しているスカイウォーカーズはどう見ますか?」


「こんだけいい選手集めてんだ、優勝しなかったら監督が責任取りゃいいだけの話だろ」


「昨年は交流戦を制したスカイウォーカーズですが、今年は初戦、二戦と札幌ウォーリアーズにまさかの連敗。これは痛かったですね」


「まだ始まったばかりだろ。それに交流戦を制したからと言って、ペナントも制するってワケじゃないんだし、とにかくもうしばらく様子見ってとこなんじゃないの?」


「さぁ、これから試合がスタートします。スカイウォーカーズの先発はエースナンバーを付けた中邑。
今シーズンは絶好調で7勝敗け無しで、防御率は2.43という成績です。田間井尻さん、今日の中邑はどうでしょうか?」


「んー、どうって言われても…それよか、朝から何も食べてないから腹減って仕方ないんだよ!3回までには帰ってくるから、メシ食いに行ってくる!」


田間井尻は解説をほったらかしてメシを食いに出掛けた。


「えーっ…間もなくプレイボールです」


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