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交流戦
インターカンファレンス突入
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5月中旬。インターカンファレンス(交流戦)がスタートした。
昨年スカイウォーカーズは交流戦を制したが、今年はどうなるのか。
そのスカイウォーカーズは、北海道で札幌ウォーリアーズとの連戦で幕を開ける。
スカイウォーカーズの先発は北乃、ウォーリアーズは左の那須川。
那須川はプロ二年目で今年一軍登録したばかりの新人だ。
スカイウォーカーズのオーダーは
1 筧 SS
2 唐澤 CF
3 結城 1B
4 鬼束 2B
5 毒島 3B
6 中山 LF
7 畑中 DH
8 保坂 C
9 梁屋 RF
この試合は指名打者制の為、畑中がスタメンで起用された。
札幌ウォーリアーズはアポロリーグ三位で、首位の奈良ドルフィンズとのゲーム差は2.5
今年は千葉ヤンキースが最下位という、まさかの順位で首位争いは混沌としている。
ウォーリアーズは今年からエースに君臨した、プロ四年目の高橋 裕也(たかはしゆうや)が防御率トップという成績で投手陣を引っ張る。
打者では昨年頭角を現したセンターの福岡 護(ふくおかまもる)
昨年全試合に出場し、打率は304 ホームランは17本だが、打点は106という、チャンスに強い中距離ヒッター。
今年は新外国人アーロン・ピットと共に3番、4番コンビで得点を叩き出している。
アーロンは目下、アポロリーグのホームランランキングトップの15本を打ち、長打率は0.681という手強い存在だ。
「さてさて、今日も勝ってススキノでパーッと豪遊するかなぁ~」
鼻歌交じりで畑中がストレッチをしている。
ススキノドームの目の前はススキノの繁華街とあって、畑中は既に試合後の夜の街を想像してニヤニヤしている。
「Don't waste your time playing at night.(夜遊びも程々にしろよ)」
トーマスが呆れている。
何せ、この畑中はイマドキの選手にしては珍しい、飲む 打つ 買うの三拍子揃った遊び人。
一応コーチを兼任してるが、これと言って選手にアドバイスしない。
「打てない時は何をやったって打てないんだから!そんな事より、気分転換に遊んだ方がいいんだって!」
これが口ぐせである。
スランプに陥ってる選手を誘い、夜の繁華街に連れて行く事が畑中の仕事だ。
不思議な事に、それまでスランプだったのがウソのように打ちまくる。
どんな指導をしているのだろうか。
交流戦という事もあり、満員となったススキノドーム。
午後6時、試合は始まった。
トップバッターはスイッチヒッターの筧。
左の那須川という事で右打席に入る。
筧は現在、打率273 ホームランは1本、盗塁は13個。
脚を生かした内野安打と、待球スタイルで投手に球数を投げさせる。
出塁率に至っては、362と打率に比べて1割近く多い。
櫻井の考案した打順が成功したようだ。
バットを短く持つ。175㌢、73㌔と野球選手にしてはやや小柄だが、パンチ力もある。
トップバッターという事もあって、長打よりも塁に出るという役割を果たす為、バットを短く持ってミート打ちに徹している。
背番号11を付けた那須川が初球を投げた。
147kmのストレートがアウトコースへ。
ズバーン!と勢いよくミットに収まり、まずはワンストライク。
筧は初球を振らない。
余程の絶好球では無い限り、球数を投げさせる事に専念する。
グリップを握り直し再び構える。
那須川の第二球は縦に割れるカーブ。
しかし、低目に外れてボール。
那須川の持ち味はMAX151kmのストレート、ツーシーム、カットボール、スライダーと縦に割れるカーブだ。
特にツーシームは横にスライドしたり、少し沈んだりと、打つのは厄介な球種だ。
そして三球目はインコース低目へズバッと決まるクロスファイヤーボール。
カウントはワンボール、ツーストライク。
四球目は外角高目へ一球外した。
これでツーナッシング。
五球目、インコースへ。
危ない、当たる!と筧はのけぞる。
しかし、ボールはベース手前で左にスライドした。
「ストライクアウト!」
「えっ!今のボールじゃないの?」
「ギリギリでコースに入ってる」
得意のツーシームで見逃し三振。
「ありゃ、圭右の得意球じゃなかったか?」
「ええ、フロントドアとバックドア。それを投げ分けるとなると、少々厄介な存在になりますね」
投手総合コーチの高峰は現役時代フロントドアとバックドアを使い分け、最多勝や奪三振王に輝いた。
「スゲーな、あれはフロントドアか?」
「そうです。右バッターのインコースからゾーンに入るのがフロントドア。アウトコースから中に入るのがバックドアです。左バッターはその逆になりますけど」
「フロントドアしか見せてないけど、多分バックドアも…」
「おそらくマスターしてるでしょうね」
スカイウォーカーズの前に立ちはだかる那須川を打ち崩せるのか。
昨年スカイウォーカーズは交流戦を制したが、今年はどうなるのか。
そのスカイウォーカーズは、北海道で札幌ウォーリアーズとの連戦で幕を開ける。
スカイウォーカーズの先発は北乃、ウォーリアーズは左の那須川。
那須川はプロ二年目で今年一軍登録したばかりの新人だ。
スカイウォーカーズのオーダーは
1 筧 SS
2 唐澤 CF
3 結城 1B
4 鬼束 2B
5 毒島 3B
6 中山 LF
7 畑中 DH
8 保坂 C
9 梁屋 RF
この試合は指名打者制の為、畑中がスタメンで起用された。
札幌ウォーリアーズはアポロリーグ三位で、首位の奈良ドルフィンズとのゲーム差は2.5
今年は千葉ヤンキースが最下位という、まさかの順位で首位争いは混沌としている。
ウォーリアーズは今年からエースに君臨した、プロ四年目の高橋 裕也(たかはしゆうや)が防御率トップという成績で投手陣を引っ張る。
打者では昨年頭角を現したセンターの福岡 護(ふくおかまもる)
昨年全試合に出場し、打率は304 ホームランは17本だが、打点は106という、チャンスに強い中距離ヒッター。
今年は新外国人アーロン・ピットと共に3番、4番コンビで得点を叩き出している。
アーロンは目下、アポロリーグのホームランランキングトップの15本を打ち、長打率は0.681という手強い存在だ。
「さてさて、今日も勝ってススキノでパーッと豪遊するかなぁ~」
鼻歌交じりで畑中がストレッチをしている。
ススキノドームの目の前はススキノの繁華街とあって、畑中は既に試合後の夜の街を想像してニヤニヤしている。
「Don't waste your time playing at night.(夜遊びも程々にしろよ)」
トーマスが呆れている。
何せ、この畑中はイマドキの選手にしては珍しい、飲む 打つ 買うの三拍子揃った遊び人。
一応コーチを兼任してるが、これと言って選手にアドバイスしない。
「打てない時は何をやったって打てないんだから!そんな事より、気分転換に遊んだ方がいいんだって!」
これが口ぐせである。
スランプに陥ってる選手を誘い、夜の繁華街に連れて行く事が畑中の仕事だ。
不思議な事に、それまでスランプだったのがウソのように打ちまくる。
どんな指導をしているのだろうか。
交流戦という事もあり、満員となったススキノドーム。
午後6時、試合は始まった。
トップバッターはスイッチヒッターの筧。
左の那須川という事で右打席に入る。
筧は現在、打率273 ホームランは1本、盗塁は13個。
脚を生かした内野安打と、待球スタイルで投手に球数を投げさせる。
出塁率に至っては、362と打率に比べて1割近く多い。
櫻井の考案した打順が成功したようだ。
バットを短く持つ。175㌢、73㌔と野球選手にしてはやや小柄だが、パンチ力もある。
トップバッターという事もあって、長打よりも塁に出るという役割を果たす為、バットを短く持ってミート打ちに徹している。
背番号11を付けた那須川が初球を投げた。
147kmのストレートがアウトコースへ。
ズバーン!と勢いよくミットに収まり、まずはワンストライク。
筧は初球を振らない。
余程の絶好球では無い限り、球数を投げさせる事に専念する。
グリップを握り直し再び構える。
那須川の第二球は縦に割れるカーブ。
しかし、低目に外れてボール。
那須川の持ち味はMAX151kmのストレート、ツーシーム、カットボール、スライダーと縦に割れるカーブだ。
特にツーシームは横にスライドしたり、少し沈んだりと、打つのは厄介な球種だ。
そして三球目はインコース低目へズバッと決まるクロスファイヤーボール。
カウントはワンボール、ツーストライク。
四球目は外角高目へ一球外した。
これでツーナッシング。
五球目、インコースへ。
危ない、当たる!と筧はのけぞる。
しかし、ボールはベース手前で左にスライドした。
「ストライクアウト!」
「えっ!今のボールじゃないの?」
「ギリギリでコースに入ってる」
得意のツーシームで見逃し三振。
「ありゃ、圭右の得意球じゃなかったか?」
「ええ、フロントドアとバックドア。それを投げ分けるとなると、少々厄介な存在になりますね」
投手総合コーチの高峰は現役時代フロントドアとバックドアを使い分け、最多勝や奪三振王に輝いた。
「スゲーな、あれはフロントドアか?」
「そうです。右バッターのインコースからゾーンに入るのがフロントドア。アウトコースから中に入るのがバックドアです。左バッターはその逆になりますけど」
「フロントドアしか見せてないけど、多分バックドアも…」
「おそらくマスターしてるでしょうね」
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