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交流戦
予告ホームラン実現
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その頃高梨は来季に向けて、メジャーリーガーのジェイク・キムラ獲得の為に代理人を通じてコンタクトを取っていた。
キムラは日本でのプレイを希望しており、スカイウォーカーズが調査を進めていた。
「何としてでもジェイク・キムラを獲得する為には、それなりの金額が必要となります。
オーナー、是非ともご決断を!」
「しかし現役メジャーリーガーを獲るのに、一体いくらぐらいかかるのかぬ?」
「ジェイク・キムラの今年の年俸は1100万ドル(約12億)です」
「えーっと、今1ドルは約105円だから…にゃんと!12億かぬ?」
いくらなんでも、12億は高すぎる。
日本球界でも最高年棒は東京キングダムの翔田で7億6千万だ。
それを遥かに越える年棒となると、そう簡単には獲得に名乗りを上げる事など出来ない。
「ですが、これも優勝する為です。オーナー!何卒、承諾してください!」
「いやしかし、この年棒はとてもじゃないけど…」
「やかましぃ!いいから、オメーは金だけ出してりゃいいんだよ!」
ドゴッ!
高梨の元祖ヘソで投げるバックドロップが炸裂。
「ムギャ~っ!!」
後頭部を強かに打ちダウン。
「金額の事はさて置き、我がスカイウォーカーズは早急にジェイク・キムラ獲得の段取りを進めますので」
「ぬぬぬ…これも優勝の為かぬ。ならば獲得するよう、上手くやってくれだぬ」
「かしこまりました」
スカイウォーカーズは大金をはたいて、ジェイク・キムラを獲得するつもりなのか。
さて、マシンガンズとの試合は序盤は静かな投手戦で両チーム共に無得点のまま、五回の表スカイウォーカーズの攻撃は6番指名打者の畑中。
マシンガンズ先発の真喜志はここまで3安打1四球のピッチング。
アンダースロー独特の下から浮き上がるストレートに、スカイウォーカーズは苦戦する。
【6番指名打者、畑中!背番号2】
畑中が打席に入る。
今日の畑中は第一打席センターフライ。
相変わらずの二日酔いで頭がガンガンする。
「あぁ~…まだ酒か抜けねぇなぁ」
昨晩は沖縄名物の泡盛を飲み、米軍基地近くのクラブで派手に遊び回ったせいで、一睡もしていない。
スタンドには、昨夜クラブで知り合った海兵隊員や地元のギャルが応援に駆け付けた。
「Hatanaka! Hit the hit!(畑中!ヒット打てよ!)」
「畑中~っ!ホームラン打てよなぁw」
畑中がスタンドに手を振る。
「OK!バックスクリーンにぶち込んでやるから、ちゃんと見とけよ!」
何と畑中、予告ホームラン!
バットをバックスクリーンに向け、高々に宣言。
「おい、予告ホームランだとよ」
「打てっこないだろw」
「ハッハッハッハ!コイツァ、おもしれえや!」
榊は手を叩いて大喜び。
「ナメやがって!」
「この前まで二軍にいたヤツが何をほざいてやがる!」
「所詮はハッタリだろ」
マシンガンズベンチからはブーイングが。
しかし、畑中は動じない。
いつもの様に、爪先と指でトントンとリズムを取りながら、鼻歌交じりにバットを構える。
真喜志が初球を投げた。
地面スレスレのフォームから浮き上がるストレート。
これが外角いっぱいに決まり、まずはワンストライク。
(あんな二日酔いにホームランなんか打てるかっ)
真喜志はテンポ良く二球目を投げた。
インコースからストライクゾーンに入るカーブ。
畑中は一瞬、腰を引いた。
「おぉ、いいカーブだ」
これでツーストライク。
(インコースのカーブにあんな腰を引いてるようじゃ、ホームランなんてムリに決まってる)
真喜志は遊び球を投げず、三球で勝負するつもりだ。
セットポジションから三球目を投げた。
今度はボール一個分、内側に入るスライダー。
(また腰が引けて見逃しの三振だ!)
真喜志は打ち取ったと思った。
しかし畑中は、オープンスタンス気味に左足を開いた。
これだと腰を引く事は無く、絶好球になる。
ボールをギリギリまで引き付け、身体の中心を軸にして鋭く腰を回転させる。
最短距離でボールを捕え、振り抜いた。
カァーン!という快音を響かせ、打球はセンターへ。
弾道の低いライナーが一直線にバックスクリーンへ飛び込んだ。
「バカなっ!」
畑中は予告通りにホームランを打った。
「おぉ!冗談で言ったのに、ホントにホームランになるとは」
飄々とした表情で畑中はベースを回った。
「Just like Babe Ruth...(まるでベーブ・ルースだ)」
海兵隊員達が唖然としている。
「ホントにホームラン打っちゃったの?マジ、スゴいんだけどw」
沖縄ギャルも驚く。
この一撃でマシンガンズは意気消沈。
「こりゃ、サイコーだな!」
榊は勝利を確信した。
ベンチでは畑中をグータッチで出迎える。
しかし、一人だけ苦虫を噛み潰したような顔をしている選手が…
キムラは日本でのプレイを希望しており、スカイウォーカーズが調査を進めていた。
「何としてでもジェイク・キムラを獲得する為には、それなりの金額が必要となります。
オーナー、是非ともご決断を!」
「しかし現役メジャーリーガーを獲るのに、一体いくらぐらいかかるのかぬ?」
「ジェイク・キムラの今年の年俸は1100万ドル(約12億)です」
「えーっと、今1ドルは約105円だから…にゃんと!12億かぬ?」
いくらなんでも、12億は高すぎる。
日本球界でも最高年棒は東京キングダムの翔田で7億6千万だ。
それを遥かに越える年棒となると、そう簡単には獲得に名乗りを上げる事など出来ない。
「ですが、これも優勝する為です。オーナー!何卒、承諾してください!」
「いやしかし、この年棒はとてもじゃないけど…」
「やかましぃ!いいから、オメーは金だけ出してりゃいいんだよ!」
ドゴッ!
高梨の元祖ヘソで投げるバックドロップが炸裂。
「ムギャ~っ!!」
後頭部を強かに打ちダウン。
「金額の事はさて置き、我がスカイウォーカーズは早急にジェイク・キムラ獲得の段取りを進めますので」
「ぬぬぬ…これも優勝の為かぬ。ならば獲得するよう、上手くやってくれだぬ」
「かしこまりました」
スカイウォーカーズは大金をはたいて、ジェイク・キムラを獲得するつもりなのか。
さて、マシンガンズとの試合は序盤は静かな投手戦で両チーム共に無得点のまま、五回の表スカイウォーカーズの攻撃は6番指名打者の畑中。
マシンガンズ先発の真喜志はここまで3安打1四球のピッチング。
アンダースロー独特の下から浮き上がるストレートに、スカイウォーカーズは苦戦する。
【6番指名打者、畑中!背番号2】
畑中が打席に入る。
今日の畑中は第一打席センターフライ。
相変わらずの二日酔いで頭がガンガンする。
「あぁ~…まだ酒か抜けねぇなぁ」
昨晩は沖縄名物の泡盛を飲み、米軍基地近くのクラブで派手に遊び回ったせいで、一睡もしていない。
スタンドには、昨夜クラブで知り合った海兵隊員や地元のギャルが応援に駆け付けた。
「Hatanaka! Hit the hit!(畑中!ヒット打てよ!)」
「畑中~っ!ホームラン打てよなぁw」
畑中がスタンドに手を振る。
「OK!バックスクリーンにぶち込んでやるから、ちゃんと見とけよ!」
何と畑中、予告ホームラン!
バットをバックスクリーンに向け、高々に宣言。
「おい、予告ホームランだとよ」
「打てっこないだろw」
「ハッハッハッハ!コイツァ、おもしれえや!」
榊は手を叩いて大喜び。
「ナメやがって!」
「この前まで二軍にいたヤツが何をほざいてやがる!」
「所詮はハッタリだろ」
マシンガンズベンチからはブーイングが。
しかし、畑中は動じない。
いつもの様に、爪先と指でトントンとリズムを取りながら、鼻歌交じりにバットを構える。
真喜志が初球を投げた。
地面スレスレのフォームから浮き上がるストレート。
これが外角いっぱいに決まり、まずはワンストライク。
(あんな二日酔いにホームランなんか打てるかっ)
真喜志はテンポ良く二球目を投げた。
インコースからストライクゾーンに入るカーブ。
畑中は一瞬、腰を引いた。
「おぉ、いいカーブだ」
これでツーストライク。
(インコースのカーブにあんな腰を引いてるようじゃ、ホームランなんてムリに決まってる)
真喜志は遊び球を投げず、三球で勝負するつもりだ。
セットポジションから三球目を投げた。
今度はボール一個分、内側に入るスライダー。
(また腰が引けて見逃しの三振だ!)
真喜志は打ち取ったと思った。
しかし畑中は、オープンスタンス気味に左足を開いた。
これだと腰を引く事は無く、絶好球になる。
ボールをギリギリまで引き付け、身体の中心を軸にして鋭く腰を回転させる。
最短距離でボールを捕え、振り抜いた。
カァーン!という快音を響かせ、打球はセンターへ。
弾道の低いライナーが一直線にバックスクリーンへ飛び込んだ。
「バカなっ!」
畑中は予告通りにホームランを打った。
「おぉ!冗談で言ったのに、ホントにホームランになるとは」
飄々とした表情で畑中はベースを回った。
「Just like Babe Ruth...(まるでベーブ・ルースだ)」
海兵隊員達が唖然としている。
「ホントにホームラン打っちゃったの?マジ、スゴいんだけどw」
沖縄ギャルも驚く。
この一撃でマシンガンズは意気消沈。
「こりゃ、サイコーだな!」
榊は勝利を確信した。
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