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謎の犬、ポメポメ夫
ジジイが用務員だと?
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あの日以来、龍也は変わった。
気さくに誰とも話すようになり、よく笑うようにもなった。
ただ、ヤンキー気質が完全に抜けきる事は出来ず、たまに冗談めいて、威嚇するクセだけは、まだ治っていない。
でも、この調子でいけば、龍也はクラスの人気者として、皆を引っ張る中心的な人物として、評価は高まるだろう。
そんなある日の休み時間、オレは次の英語の授業に備えて、机の中から教科書とノートを取り出そうとした。
すると、中から紙切れが入っていた。
何だろう?と思い、その紙切れを見た。
グシャグシャになった、破れた一片のノートには、ミミズが這ったような、汚い字が書きなぐってあった。
『山本智さん(^^)
金澤龍也さんを見事、更正させましたね(^^)
これで一つ、得を積みましたね(^^)
貴女はこの調子で、どんどん特を積んで、現代に戻れるよう、努力してください(^^)
dy 宇棚ひろし』
字は汚いわ、徳の字は違うわで、読みづらい!
何だ、貴女はって?いつからオレは、女になったんだ?
おまけに最後にdyってなんだよ?byの間違いだろ!
dとbの区別すらつかないのか、あのバカは…
ん?背中に何か、視線を感じる。
振り向くと、茶坊主が親指を立てて、満面の笑みを見せている。
あの満面の笑みを見ると、腹が立つだけだ!
学校に行けば、茶坊主が影からオレを見張ってるし、ウチに帰れば、ポメ夫は家族の一員として、犬のクセに会話に参加してきやがる。
しかも毎朝、ポメ夫に起こされ、眠い目をこすりながら、散歩に連れてっている。
こんなんで、徳が積めるってのか?
【今日は明日の為に、予習をやらないといけないんだポメ】
何かと口うるさい犬だ。
バカと犬に挟まれ、オレは憂鬱な日々を送っていた。
ジジイの時の方が、まだマシだったような…
そう言えば、ジジイはどうなったんだろうか?
仙人の資格を剥奪されたらしいが、それじゃ、ただの老人だ。
亀仙人みたいな、胡散臭い格好したジジイだから、今ごろは野垂れ死んでるか、変な格好だから、警察に職務質問され、留置場にでもいるんだろう、あの調子だと。
そんな事を考えていたら、茶坊主が突然、オレの真横に来て、ボソッと耳打ちした。
「東方仙人さんは、仙人の資格を剥奪され、今はこの学校の用務員として働いてます(^^)」
ウソっ!マジで?
【キーンコーンカーンコーン】
あぁ!何で、タイミング悪くチャイムが鳴るんだよ!
ジジイがホントに用務員として働いているのか、今すぐにでも確認したい!
次の授業は、アマゾネスの英語だろ?
どうせまた、何かにつけてオレを指し、黒板に書かれている英文を訳せ、とか言うに違いない。
教室のドアが開き、ブラウスのボタンがはちきれそうな、飛び出たロケットオッパイを強調して、アマゾネスは教室に入った。
オレは咄嗟に
「先生、オレなんかスゲー腹痛い…保健室行っていい?」
いかにも苦しそうな表情で、小芝居をした。
「えーっ、大丈夫なの?早く、保健室に行きなさい!」
オレは辛そうに、よろよろと教室のドアを開け、廊下に出た。
その瞬間、ダッシュで一階の用務員室へ向かった。
ジジイの仕事ぶりを見る為だ。
気さくに誰とも話すようになり、よく笑うようにもなった。
ただ、ヤンキー気質が完全に抜けきる事は出来ず、たまに冗談めいて、威嚇するクセだけは、まだ治っていない。
でも、この調子でいけば、龍也はクラスの人気者として、皆を引っ張る中心的な人物として、評価は高まるだろう。
そんなある日の休み時間、オレは次の英語の授業に備えて、机の中から教科書とノートを取り出そうとした。
すると、中から紙切れが入っていた。
何だろう?と思い、その紙切れを見た。
グシャグシャになった、破れた一片のノートには、ミミズが這ったような、汚い字が書きなぐってあった。
『山本智さん(^^)
金澤龍也さんを見事、更正させましたね(^^)
これで一つ、得を積みましたね(^^)
貴女はこの調子で、どんどん特を積んで、現代に戻れるよう、努力してください(^^)
dy 宇棚ひろし』
字は汚いわ、徳の字は違うわで、読みづらい!
何だ、貴女はって?いつからオレは、女になったんだ?
おまけに最後にdyってなんだよ?byの間違いだろ!
dとbの区別すらつかないのか、あのバカは…
ん?背中に何か、視線を感じる。
振り向くと、茶坊主が親指を立てて、満面の笑みを見せている。
あの満面の笑みを見ると、腹が立つだけだ!
学校に行けば、茶坊主が影からオレを見張ってるし、ウチに帰れば、ポメ夫は家族の一員として、犬のクセに会話に参加してきやがる。
しかも毎朝、ポメ夫に起こされ、眠い目をこすりながら、散歩に連れてっている。
こんなんで、徳が積めるってのか?
【今日は明日の為に、予習をやらないといけないんだポメ】
何かと口うるさい犬だ。
バカと犬に挟まれ、オレは憂鬱な日々を送っていた。
ジジイの時の方が、まだマシだったような…
そう言えば、ジジイはどうなったんだろうか?
仙人の資格を剥奪されたらしいが、それじゃ、ただの老人だ。
亀仙人みたいな、胡散臭い格好したジジイだから、今ごろは野垂れ死んでるか、変な格好だから、警察に職務質問され、留置場にでもいるんだろう、あの調子だと。
そんな事を考えていたら、茶坊主が突然、オレの真横に来て、ボソッと耳打ちした。
「東方仙人さんは、仙人の資格を剥奪され、今はこの学校の用務員として働いてます(^^)」
ウソっ!マジで?
【キーンコーンカーンコーン】
あぁ!何で、タイミング悪くチャイムが鳴るんだよ!
ジジイがホントに用務員として働いているのか、今すぐにでも確認したい!
次の授業は、アマゾネスの英語だろ?
どうせまた、何かにつけてオレを指し、黒板に書かれている英文を訳せ、とか言うに違いない。
教室のドアが開き、ブラウスのボタンがはちきれそうな、飛び出たロケットオッパイを強調して、アマゾネスは教室に入った。
オレは咄嗟に
「先生、オレなんかスゲー腹痛い…保健室行っていい?」
いかにも苦しそうな表情で、小芝居をした。
「えーっ、大丈夫なの?早く、保健室に行きなさい!」
オレは辛そうに、よろよろと教室のドアを開け、廊下に出た。
その瞬間、ダッシュで一階の用務員室へ向かった。
ジジイの仕事ぶりを見る為だ。
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