41才の中学二年生(改訂版)

sky-high

文字の大きさ
上 下
27 / 96
胡散臭い茶坊主

一体何発ビンタ食らったんだ?

しおりを挟む
案の定、オレたち(龍也、チャッピー、泰彦、謙司)5人は、茶坊主をいじめたという事で、職員室に呼ばれた。

こんなに呼び出しを食らうなんて、過去には無かった筈なんだが…

別にいじめたワケでもなく、茶坊主がノリノリで笑点の大喜利みたいに座布団重ねて、正座してニコニコしながら先生が来るのを待ってたんだぞ。

龍也がちょいと、脅し気味に茶坊主に命令したのはアレなんだが…


オレらは、学年主任の北川にこっぴどく怒られ、挙げ句に、職員室の前の廊下に並べられ、右端の龍也から一人ずつビンタを食らった。

【バチーン!】

「ってぇな、おいっ!」

龍也はキレ気味になり、左の頬を押さえた。

「うるさいっ、いじめなんてするからだ!次っ!」

そう言って、チャッピーにビンタした。

【バッチーン!】

「…うぅ、痛ぃよ」

チャッピーは涙目になってる。

「次はお前だ!」

隣の泰彦はモロに左頬に入り、よろけた。
ビンタというより、掌底みたいだった。

【バシーン!】

「ってぇ~っ!頭クラクラしてきた…モロ、顔面に入ったぞ、おいっ!」

泰彦もキレ気味に言い返した。

「当たり前だ!顔をひっぱたくのがビンタだろ!」


「次はお前だ!」

そして、謙司がビンタを食らった。

【ベチーン!】

「ってぇ~っ!顔じゃなく、耳じゃねえかよ!下手すりゃ、鼓膜破れるとこじゃねえか!」

当たりどころが悪かったのか、謙司の左耳辺りに張り手がヒットした。

「そのぐらいじゃ、鼓膜は破れない!最後はお前だ!」

最後にオレがビンタを食らった。

【バッッチーン!】

「あべし!」

一同は『ダーッハッハッハッハッハwww』と腹を抱えて笑っていた。

「お前はふざけてるのか!」

更にもう一発、ビンタを食らった。

【バシーン!】

「きたねえよ!何でオレだけ、ビンタ2発なんだよ!あぁ~マジで痛ぇ!」

あべしっ!がそんなにふざけてるように見えるのか?

「お前が一番反省してないからだ!いいか、お前ら!
もう2度と、いじめなんてするんじゃないぞ!解ったのかっ!」

皆揃って『はぁーい…』と小さく返事した。

「声が小さい!ちゃんと、返事しろ!」

北川はゆでダコみたいに、顔を真っ赤にして怒ってる。

『はい!』

「よし、じゃ教室に戻れ!」

北川はビンタを連発したせいか、右手首をブラブラさせながら、乱暴に職員室のドアをバン!と閉めた。


ここに来て、何発ビンタ食らったんだ?

「お前、あべし!ってなんだよw北斗の雑魚キャラじゃねえかよwww」

龍也はまだウケている。

「お前、ボケる場所を弁えろよ。下手すりゃ、オレらも余計にビンタ食らうとこだったかもしれねえじゃん!」

掌底を食らった泰彦は、顎を押さえている。

おとなしくビンタ食らうのもシャクだから、軽くボケたつもりなんだけどなぁ。

そんな事を言いながら、教室に戻った。

…あの茶坊主、まだ机の上に座布団重ねて正座してやがる。


「おい、三遊亭円柱!いつまでそうしてるんだよ?座布団返しに行くから、そこどけ!」

茶坊主を机の上から下ろし、座布団を元の場所に返した。


何だかチョーシ狂うよな、こんな茶坊主がオレのお目付け役だなんて。


オレ、まともに授業受けてないような気がするんだか…

何かにつけてビンタ食らったり、校内を追いかけ回されたり、ジジイに変な輪っかで頭を締め付けられて、授業どころじゃない。


そうだ!茶坊主に聞いてみたかったんだ。

でも、校内では仲良くするつもりはないし。

放課後に聞いてみよう。

一応、ジジイの上司だというからな。

ドラえもんみたいに、何か便利な道具持ってるんじゃないかな。

よし、そうしよう!







今日の授業が終わり、放課後、茶坊主に声をかけた。

「おい、茶坊主。ちょっと、校舎の裏に行こうぜ」

「私、茶坊主じゃなく、宇棚ひろしです(^^)」

何か、イラつく返事だ!

「そんなこたぁ、どーでもいいんだよ!いいから来い!」

茶坊主の腕を掴み、校舎の裏に連れていった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

そして俺は召喚士に

ふぃる
ファンタジー
新生活で待ち受けていたものは、ファンタジーだった。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。

くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」 「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」 いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。 「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と…… 私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。 「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」 「はい、お父様、お母様」 「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」 「……はい」 「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」 「はい、わかりました」 パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、 兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。 誰も私の言葉を聞いてくれない。 誰も私を見てくれない。 そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。 ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。 「……なんか、馬鹿みたいだわ!」 もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる! ふるゆわ設定です。 ※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい! ※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇‍♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ! 追加文 番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

処理中です...